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| 光の向こうに 〜ブラインドサッカー 07/02/25 (日) | <前へ|次へ|indexへ> |
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二つのゴール 文/杵川希(キネカワ イツカ) |
敵陣左サイドでボールを受ける。寄せてくる相手を左へかわし、両足インサイドにボールをはさんで揺らしながら、ドリブルで前進しゴール前へ侵入する。必死で伸ばしてきた相手の右足をスピードでかわし、右足の爪先でシュート。エリアギリギリまで出てきたゴールキーパーの股間を抜いて、ボールがゴールへ飛び込んだ。
「どんな感じだったの?」
試合後、得点者が晴眼者のゴールキーパーに聞く。
「あ〜、そうやったんや〜(笑) 股抜きかぁ!」
試合後はいつもゴールの話で笑い合う。
「どんな感じだったか」を振り返ることが、ブラインドサッカーでは特に重要になってくる。
ブラインドサッカーには、二つのゴールがある。
シュートを放った足の感触と、ゴールを伝える笛の音で、まず得点という結果を知り、喜ぶ。
「でも、本当に嬉しいのはそこじゃないんよ」
選手は言う。
自分はどんなゴールを決めたのか、頭に描いた理想のシーンと実際のシーンを照合する、試合後のお喋りが楽しいのだと言う。
「言葉にして実際のゴールがどんなゴールだったかを聞いて、それが理想に近ければ、やっぱり嬉しい」
頭の中ではゴール右下を狙って打ったシュートが、実際はゴール中央だったり、右上だったりすると、たとえ成功したとしても、嬉しい気持ちよりイメージの誤差を悔しく思う。
勝っても負けても、
「あのシーン、どんなんだった?」
そう振り返り照合することが、一つの練習となる。
ボールがゴールに入るという物質的なGOALは試合中に訪れ、結果をもって終わる。
試合後に振り返るゴールシーンは、感覚として残る。成功の道筋として軌跡が完成し、失敗の事例としてハードルが組みあがる。
ブラインドサッカーに存在する二つのゴール。
それは、リンクしながら、完璧でないといけない。
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