| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |
| 光の向こうに 〜ブラインドサッカー 07/05/31 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
![]() |
始動と懸念 文/杵川希(キネカワ イツカ) |
5月19,20日、筑波技術大学・春日キャンパスにてブラインドサッカー日本代表候補合宿の第一回目が行われた。今月から月に1回ずつ、10月まで計6回の合宿(8月の合宿で正式メンバー決定)を行い、選手達は篩いにかけられ、選出された15名が10月21日〜27日に韓国で開催される、IBSA(国際ブラインドサッカー連盟)主催第二回アジア杯に挑むことになる。
今回の候補合宿に呼ばれた選手は、GKに多少の変動があったものの、昨年11月のワールドカップを経験した選手はほとんど召集された。その中でW杯を経験しアジア杯未経験の選手と言えば、期待のホープ鳥居健人選手(FC,AVANZARE)くらいのもの。新顔が出てこないのが懸念であるのは今に始まったことではないが、やりなれた味方同士、練度を上げていくことができるのはメリットといえる。
これから数度の合宿を行い、風祭監督の目指す「パスとドリブルが使い分けられるチーム」作りを進めていくが、アジア杯の前にひとつ、大きな大会も控えている。7月28日から8月8日にブラジル・サンパウロで行われる第三回IBSAワールド・チャンピオンシップ・アンド・ゲームスに日本が招待されているのだ。開催国ブラジルのほか、W杯王者アルゼンチン、スペインに日本を含む4カ国が争う公式大会である。
W杯にてブラジルやアルゼンチンの監督から絶賛された日本人選手数名を、もう一度見て見たいという意向があるからなのかどうかは不明だが、列強国相手に再びアウェーで戦える機会を得たのは大きな糧になりうるだろう。
そして10月にはアジア杯が開幕する。
前回の2005年第1回アジア杯(ベトナム大会)を制している日本は、IBSA公認大会となる以前の2002年日本大会、2003年韓国大会も制しており、通算3連覇中で、いまだアジア杯を制した国は日本以外存在しない。名実共にアジアの頂点に君臨している日本は、4連覇達成が至上命題である。
しかし今、ひとつの、そして最大の懸念がある。
日本代表とFC,AVANZAREのエースである田村友一選手が、今年に入り代表引退を表明したからだ。とりあえずの暫定的な代表"辞退"であるそうだが、彼がいるのといないとでは大いに違う。
それもそのはず、田村選手は05年アジア杯で、チーム唯一の得点者として2試合2ゴールをあげ、日本人として最初にW杯でゴールを決めた選手であり、今シーズンの関東チャレンジ杯では2節を終了してチームの全12得点を挙げる大活躍を見せている。末恐ろしい男であるからこそ、代表にとってもまた違う意味で恐ろしい。
一昔前のサッカー日本代表のように、アジアで強く世界で弱い、という狭間で苦しむブラインドサッカー日本代表であるが、代表GK田中選手は、「戦い方次第で、列強相手でも勝てないはずはない」と言う。ブラインドサッカーもサッカーと同じように、番狂わせということが多々起こるスポーツである。個人技を差として考えてしまってはいけない。
「勝ち負けは個人技で決まるものじゃない。試合内容や戦術でもない。ブラインドサッカーの場合、勝つためにもっとも重要なのは、状況を把握する力と判断スピードなんだと思います」
ボールがどこにあり、自分がシーンの中のどこに位置しているのかを瞬時に把握する力。パスやドリブルが巧いだけでなく、その巧さをどこで発揮すればよいのか判断できる力。全力でいけ!という言葉に対し、闇雲に技術を見せる選手ではいけないということであり、その点で日本はたしかに劣る。サッカーへの造脂、経験不足といえばそれまでだが、どこの国も経験値にさほど差はない。
今回は田村選手というとびきりの人材はいない。だからこそ余計に、役割分担を明確にする必要がある。現在の代表選手の多くは、1人で全てやってしまおうという気概のある選手が少なくない。悪くはないが良くもない。それが封じられてしまえばあっという間に手詰まりになり、ともすれば空中分解という危険性も孕む。
日本人特有の組織力で! なんて言う気はさらさらない。組織力=右に倣えでもない。ただ少しの理解があればもっと強くなれるはず。多くの選手の「できる」をあつめて、「できない」ことに立ち向かうチームとしての気概さえあれば、それが今後の合宿で見つけられれば、懸念は一気に武器に変えられるはずだ。
代表候補合宿日程
6月16,17日(関東)
7月14,15日(国立神戸視力障害センター)
8月18,19日(関東または新潟)
9月22〜24日(国立神戸視力障害センター)
10月6,7日(国立神戸視力障害センター)
| <前へ|次へ|indexへ> |
| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |