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| 光の向こうに 〜ブラインドサッカー 07/07/27 (金) | <前へ|次へ|indexへ> |
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7月14日、明石代表合宿 取材・文/杵川希(キネカワ イツカ) |
7月14,15日、ブラインドッサッカー日本代表選手14人が明石の視覚障害者リハビリセンター内体育館で合宿を行った。
代表合宿一日目のスケジュールが書かれた関係者用資料には、ゴールキーパーを除く11選手に対してフィジカル、判断、連携、声のタイミングなど個人によって異なる長所と課題が明記されていた。その中でも、ほとんどの選手に書かれていたのが「ドリブル技術」に対するコメントだった。「ドリブルスピードがまだまだ」「技術はあるが精度が低い」「ドリブルのタイムロスがある」など、昨年のワールドカップ以降、多くの選手が特に意識して練習しているドリブルは、まだまだ風祭代表監督が求めているレベルには達していないようだ。
合宿1日目、攻守のおおまかな調整を終えたあと、体育館のコート半分を使って不思議な練習が始まった。選手がそれぞれボールを足元に抱えながら3人1列に並ぶ。先頭を担う選手が左右ジグザグにドリブルをしながら、後方の2人に声で方向を伝え、真ん中の選手は先頭の声を聞きながら自分のボールを運び、さらに最後尾の選手に声で伝える。最後尾の選手はドリブルをしながら、前の2人にぶつからないよう距離を感じ取りながらボールを運んでいく。
四方をコーラーの声に囲まれたコート内を3人のイモムシ隊がウネウネと進む。3分間コート内でボールを失わずドリブルできれば合格というルール。先頭の声と後ろの声、ボールの音と位置、コートの大きさ、先頭選手はいつドリブルの方向を変えればよいか、後ろの選手は先頭選手がいつどこでドリブルの方向を変えたか・・・。あらゆる情報とその決断をまったく同じ思考の地平線上で処理していく。
もし、先頭選手のドリブルスピードが速すぎてついていけなかったら・・・。大丈夫、決して焦ることなくドリブルを開始し、声を聞き、声を出して自力で列に戻る。先頭選手に「待った」はかけない。
もし、ボールが足から離れてしまったら・・・。大丈夫、コートから出ないうちにすばやくボールを拾い、離れてしまった先頭選手の声を聞く。それがわかればドリブルは簡単。まるで糸で引っ張られているかのように、先頭選手が通っていった軌跡を、直線ではない道筋を正確に辿っていく。
先頭選手の声を曲線的に捉えることができる。自分の位置と先頭選手の位置を直線で捉えてしまうと両者衝突の危険性があるが、まるでかすりもしない。声と一緒に、その周囲に感じる「予備しろ」のようなものを瞬時に把握する。くるっと回り込んで先頭選手の背後に戻る音の処理能力と、平行して行うドリブルの感覚を決して誤らない。
「聞く」ということの複雑さに驚く「見る」という簡略化された世界。複雑に考えるな、と訴えるかのように、楽しそうにコートを舞う代表選手。
ブラジルへの出発は今週末28日。この日のユニークな合宿練習の陽気さと緻密さは、ラテンの地でも発揮できるだろうか。ブラインドサッカーを推進する"サッカー先進国"としての挑戦を、いざはじめん。
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