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| 福岡通信 06/06/10 (土) | <レポートに戻る> |
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川勝良一監督就任記者会見&囲み取材でのコメント(抜粋) 取材・文/中倉一志 |
就任にあたって
現在のチームの状態、成績からして、私の仕事というのは当然まず残留が一番。短い準備期間ですけれども、徹底して私の考えていることを選手にしっかりと伝えること、選手個々のスキルを出来るだけ短期間で伸ばすこと、特に意識、メンタルの面でプロ意識をもう少し徹底してもらって、全てのプレーに対する責任と義務と、そういうものを常に持った上での選手であるということを、お互いの信頼関係のベースにしたいと、そう考えています。
それと基本的にはプロの試合なんで、常に勝つということを普段のトレーニングから徹底して、勝ちにこだわった意識を植え付けてもらうと。練習は当然厳しいですけれど、時間がないですし、選手も現状は常に把握していると思いますんで、その辺は共同作業で、できる限り熱く短期間で形になるような状態に持っていきたいと思っています。
監督を引き受けた経緯、決断を下した理由を教えてください
一番は現場というのが自分のベースなんで、今は解説とか、評論とか、大学の講師・指導をしていますけれど、勝負のかかったようなところで今までずっと仕事をしていましたんで、当然、そういうタイミングが来たときには常にしっかりと考えて進路、返事をしてきました。けれど、自分は特に徹底してやる方なんで、自分自身のテンションとかモチベーションが強く感じないと行動に移せないというか、アクションに出ないんですが、今回、個人的にチャンピオンズリーグの決勝を現地で見たときに、現場に対しての強い気持ちというものが相当出てきました。そのタイミングでこのお話をいただいたので、これもタイミングなのかなと。
それと以前のチームを辞任したときはW杯が終わったときだったんですけれど、今回はW杯が始まる前に就任ということで、ひとつW杯をはさんで、自分のサッカーの指導者としてのめぐり合わせと言うのではないですけれど、そういうのがあったんで。多少は身内では反対はありましたけれどね、いろんな面で。激しい、非常に厳しい仕事なんで。ただ自分の気持ちで現場復帰して、チームを強くして、自分の気持ちに正直に行動を起そうということで受けました。
今のアビスパの現状をどのようにとらえていらっしゃいますか。そして、川勝監督として、どのような建て直しを考えていらっしゃいますか
失点はリーグでも少ないと。逆に得点が少ないと。当然、チームとしての狙いが、まずはJ1に昇格した年なんで、後ろをしっかりと作りたいというのがあったと思うんですけれどね。ただ。それにそうとう労力を使って点が取れないとか、あるいはスタミナを含めて、選手が持っているスキルの大部分がディフェンスに回っているのかなと。当然、勝たないと、勝ち点を稼がないと、今の現状で残留とか、順位を上げていくのは不可能なんで、まず、そういう意識の中で選手のスキルを最大限に生かすことと、私が選手それぞれのスキルを把握して、一番強いストロングポイントを最大限に生かしながら、作れているところは生かしながら、足りない部分を短期間で、できるだけ早く伸ばしたいと思っています。
人の出し入れというのは、それほど多くは出来ないですけれど、ただ伸びるということに関して不可能というのは全くないんでね、その意識を急激に変えてもらうと。練習も当然きついですけれど、メンタルとか頭の中を、もう一度選手がしっかり考え直して、持っているイメージを変えて、特に攻撃に関しては強い姿勢で、点を取りに行って勝ちに行くと。もぎ取るというぐらいの気持ちというのを強く要求しながら準備したいですね。そういうイメージがチームにはあります。
サポーターの川勝監督に対する期待も大きいと思いますが、そういう点も踏まえて、どういうチームにもっていきたいとお考えでしょうか。抱負をお聞かせください
プロなんで、毎試合、いい試合で勝つというのは中々難しいと思います、相手も当然プロですから。ただ、見に来ていただいているサポーターの方が、今日は内容が悪かったけれども勝っただとか、負けても戦う姿勢が常にでているとか、簡単に野次を受けない、ブーイングが出ないチームというのは最低は維持できると、それは思うんですね。大崩れしない範囲で、できるだけ小さい幅でギャップを抑えて、残り試合をやっていくと。
内容も当然挙げたいんですけれども、時間がないんでメンタルの部分で補って、崩れそうな試合を少し修正するとか、その可能性が0でない限り、常にボールに対してアクションを起すとか、相手と戦うとか、当たり前にシンプルなところが欠けだしたらチームの崩壊は早いんで、そこは妥協しないでやっていきたいと。そこをサポーターの方にも伝えたいし、見ていただきたいし、そうすることでチームも軌道に乗ってくると思います。
全部を急に変えることは無理でも、イメージ、意識、頭の中というものは1日で変えてもらうと。まずそれをサポーターの方にも約束したいし、見に来ていただいたときに、そういうチームになっていると。もっと熱い応援がもらえるような、そういうチームにしたいですね。
身内からの反対もあったとのことですが、かなり厳しい状況での監督就任だと思います。そのあたりのプレッシャーをどのように感じているのでしょうか。それと就任の条件として何か要求したものはありますか
まあ、厳しい条件でオファーが来る場合の方が多いので、私のキャラクターとか、日本人に与えられるポストというのは限られていますんで、中々いい状態で、準備出来る期間を約束されてチームの指揮を執るというのは少ないと。ですから、現状のことで反対というのではなく、いまやっている仕事だとか、充実度に関して、多少反対というか。あと、やはりこういう仕事に入ると、そうとうストイックというか、かなり集中しますんでね、体のこととか、当然身内ですから、その辺を心配して、少し考え方を変えることは可能かと、そういうことぐらいですけれど。ただ、やりたいということは十分知っていますし、それに対して大きな反対というのはありません。
条件は、やはり関東のチームに比較して競争意識とか、プロ意識というのが若干低いと思うんですね。全てにおいて。選手が仲いいという点についても、例えば代表チームでも、中田が仲のいい選手に対して、まとまりの意味合いが違うとか言っていますが、その辺を変えていかないと。厳しく指導する、妥協しないということに関して、チームを変えるということは、相当いじるということも起こるし、ある程度、波が出ることも仕方がないと。そこで、妥協したりとか、その都度、なあなあで収めるとか、日本人的なまとめ方はしないと思います。その辺は現場のスタッフ、選手だけじゃなくて、フロントを含めた全部がアビスパの一員なんで、全員が戦うとか、全員が守るべきところは守ると、そういうことは長谷川氏にも契約の前の段階のところで話はしました。
選手の出し入れは難しいかもしれないと仰っていましたけれど、重点的に強化しなければいけないポイントはどこでしょうか
まだじっくり選手のスキルを見ていないんで、得点が少ないから前の選手をいじるという簡単なことだけでもないと思います。例えば中盤に問題があるのか、後ろに問題があってビルドアップのレベルが低いのか。その辺は早急にビデオを見て分析して、その必要なポジションに、必要な選手を出来れば補強していただきたいと。あと何回も言いますけれど、選手が持っている安心感みたいなものを少しでも刺激して、近いレベルの選手で危機感を持ってもらって、常に競争するという状態の中で、初めてお金を払って見に来てくれているサッカーファン、サポーターが納得するものだと思ってますんで、安全とか、安心とかじゃなく、激しい競争社会であるという状態を少しでも作りたいと。その辺が補強のポイントとしてあげていますけれど。
フロントはFWの補強を明言しているわけですが、それも白紙に戻して、補強に必要なポジションを、もう一度考え直すと捉えていいのでしょうか
いや、当然点が取れていないんで、FWの人材に競争を激しくするような選手は必要だと思いますけれど。ただ、その1点済む問題でもないんで、当然、FWの補強というのは重点事項として入っているとは思いますけれど。
福岡の町に対する印象を教えてください
山があって、海があって(笑)、九州の中では一番の中心地なんで別に不便は感じませんし、やはり九州の中で全てにおいてリーダーシップというか、一番先を走っているところだと思うんですけれど、その中で、アビスパとかスポーツにおいても一番の先端を走るべき宿命というか、使命があると思います。住むのにも問題はありませんし、こういう仕事をする上でも、普通の地方のチームを見るよりは、もっと全体を見るというか、福岡だけではなくて九州全体を活性化させるとか、サッカーのレベルを全体的に上げて、関東や、関西に近づくだとか、そういう大きな目標を感じます。
コーチングスタッフについては新しい方を入れられるのか、それとも現状のスタッフで臨まれるのでしょうか
全く外からというのはちょっとね。時間的にも、またそういう方は、いま仕事をしていますので、チーム内にいるスタッフで残りの試合はやっていきます。多少のチーム内での入れ替えはあると思いますけれど、決定するには、まだ時間がかかると思います。
監督はイタリアをはじめ海外で積極的に勉強されていますが、どんなサッカーをやられるのか教えてください
代表なんかでもそうですが、今はよく組織と個の融合だとか言われているんですけれども、どっちも必要なんですね、サッカーには。自立した個々のスキルが、大人としての集合体としてチームができる。非常に難しいと思うんですけれど、オールラウンドをベースにして流動的なサッカーがしたいと。
何でも出来ないと困るんですよ。守るだけじゃなくて奪ったらちゃんと中盤に当てる。前の選手もある程度はディフェンスもするけれども、ディフェンスの仕方を全く知らないとか、その情報が少ないとかではいけないと。全部が50%、中間の選手じゃなくて、完全な色を持っているけれども、勝つ上で、それぞれのポジションでプラスいくつかの仕事を要求されると。それでポジションが変わっても、例えばトップの選手が引いてボールを奪ったときに、中盤の選手が上がっていって点を取るとか、そういう流動性も要求されると。常にオールラウンドな発想とか、能力が要求されて、なおかつ流動的にポジションを変えても仕事が出来ると、それを理想としています。
カウンター狙いですとか、個人を最優先したりとか、ディフェンスをベースにするとか、それは部分的な話だと思うんです。プロですから全部必要だと。個人のスキルを徹底してあげて、頭の中の発想も、個人戦術もプロのレベルとして十分対応できるようなところまでもっていければ、いまの日本代表と同じように、必要なポジションに、必要な人がいると。それが中盤の右サイドでも、左サイドでも関係ないと。そういう臨機応変さが要求されるんで、それをやっぱり形にしたいと。
イタリアのサッカーから影響を受けたのはメンタルで絶対に負けないこと。メディアは世界で一番うるさいんで、ゲームの内容よりも、まずは勝つということに自分達の生活とサッカー選手としての保障があると。その辺の、何があっても勝つという強いメンタルでは日本人は意外とないですね。
日本人は根性とか話をしますけれど、実際には日本人のほうが少ないと思うんですよ。そういうところを学ぶために行ったのと、ディフェンスの組織的な部分というのはイタリアの練習が一番オーガナイズされていて、普段から徹底してやっていますんで。守るということに関しての準備はイタリアで何回も勉強したり、刺激を受けたり、試合も見ましたし。ただボールを奪ったときのアイデアはイタリアは弱いんで、プレミアとか、スペインを当然見に行きますし、いいところは出来るだけ吸収したいと。そういうのをベースに考えています。
4年間現場を離れて外からサッカーを見られてきたわけですが、また現場に戻られることになってねアビスパの選手というよりも、日本人の選手に求めたいこと、伝えたいことを教えていただけますか
やっぱりプロ意識だと思います。まだJが始まって10何年。海外リーグは100年以上の歴史があって、伝統とか、社会に根付いている。年間ボックス席を、おじいちゃんから孫まで何代も引き継いだりとか、みんながサッカーを生活の一部として捉えています。当然、ステータスも、報酬も高いけれども、それ以上に消耗も大きいと。日本の場合は、選手の絶対数が少ないんで、すぐにデビューできたりとかで、選手自信の意識が、そうとう低いところに留まると。それをもっと上に上げたいと思いますね。
特に、中田英寿とか、中村俊輔を見ていて感じるのは、世界に飛び出す選手の持っているメンタリティとか、自分自身で自立する強さとかですね。そういうのは国内の選手はすごく少ないと思うんです。当然、教える側のスタッフも、フロントも、そういうレベルまで来ていないと。結局そこが、プレーの質とか、例えばゲームを見に行ったときにプロの興行として今日のゲームは非常に面白いとか、感動したとかという試合数が年間で少ないことにつながっていると思います。
感動を売るということに関して、普段からどれだけ自分を追い込んで、プロとして1日、1日を大事に準備するかとか、その辺の意識というのは明らかに低い。ですから、サッカー界で仕事をする人間として、当然アビスパでもそうですけれど、いろんなところで、そういうところに少しでも協力できてレベルアップできれば、当然、ゲーム内容も上がるし、個のスキルも上がると思っています。
現状で、アビスパはどのような印象ですか
解説で何回かは見ています。最初の頃は引き分けでしぶとい試合をしていましたけれど、やはり点が取れないと選手がもたないんで。ゲーム中の時間で差があるなと。前半良くて、後半ダウンしたりとか、この前のゲームは良かったけれども、今回のゲームはちょつと違うなと。そういうことは感じましたね。
今まで引き受けたチームの中では、戦力的にもちょっと違うと思うんですけれど
戦力的ということになれば、個々にいい選手がどれだけいるかということなんですけれども。例えば自分のMAXを常に出そうとする選手は、戦術上あっていれば非常に良い選手ですし、逆にテクニックがあって、全てを持っているから良い選手ということでもないので。組み合わせだとか、それぞれの持っている力を出そうとするかということ自分で見てみて、ちょっとしたところで妥協して現状で満足している選手がいるのか、いないのか。プロとして報酬をもらってプレーしている以上、常に自分を追い込める絶対数はどのくらいかと。それがいい選手になる大事な資質なんで。その辺の見極めをしてから、このチームの戦力的な部分が分かると思います。
あと、試合を見ているときと、普段の練習では選手は違うでしょ。ですから普段の練習をもっと見た上で、自分の中でそれぞれの選手の能力を見極めないと。90分の公式戦だけというのは無理があるんで。
時間的にはどうですか
少ないですね。でも、少ないけれどもメンタル面を変えることは1週間以内で変えられると思うんですよね。練習でこういうことをしたら、この日とは見逃さないとか、今まで上手く凌いで注意を受けなかったところが、すごく言われるとか、ちょっとした言動というかね。基本的に細かいというか、それが普通だということで、私はそういうやり方でやってきたし。
毎年、海外へ行く中で思うのは日本人には上手い選手がいるなと。ただ上手いだけ。戦えないとか、コンスタントにそれを出そうとしないとか、環境が変わって優遇されたらプレーが落ちたりとか、日本人には幼稚な部分を感じるんでね。海外では歴史が長いので、選手たちは自分の見せ方とか、自分の位置をキープするしぶとさとかを感じるんで、そういうものを逆にこちらから要求して、普段のトレーニングに出してもらうと。
普段がゲームに出るというのが自分の考えなんで。普段やれていないことがゲームの中で出ても、それは偶発的なことだという捉え方で選手とはつきあうので、毎日が重要で、その毎日からゲームが成り立つということを選手に伝われば、信頼関係は作れるし、練習はいい感じで出来ると思います。
合流するまでに選手に伝えたいことがありますか
とにかくきついということですね。何人かは知っていると思いますけれどね、布部とか、薮田とか、(吉村)光示とか。こういうことしたら、この日とは見逃さないということを知っていると思うし。でも、そういう当たり前のことをやらなかったら。プライベートとのメリハリはつけていいと、自由にやっていいといつも言うんですよ。ただ、2時間の練習を見に来たサポーターに「こんなものか、練習は」と思われたり、試合で負けているのにボールを終えないとか、負けてるけどタッチライン際ですべりもしないとか、それは・・・。そういうことも意識の問題だから、それはすぐに伝わると思うんですね。そういうところを分かってもらえれば、もっと有効に時間は使えると思います。
せっかちだから、3日かかるんだったら1日で終わりたいとかね。スタッフにもそれを要求するし、当然自分も率先するし、時間がないところで監督就任を受けているので、1ヶ月弱のところで2、3ヶ月の内容でやりたいですから。これでお金をもらっているということを常に頭に入れて、好きなスポーツだけれども仕事だということも常に頭に入れておけば、厳しい要求をしても、妥協を絶対にしないと言っても、それはお互いに飲むと思うんですよ。遊びでやってないというか、気分でやっているスポーツじゃないということは徹底してやっていかないと、サポーターはやっぱり・・・。
浦和みたいな熱い応援が欲しいし、ああいうのをもらえれば選手は伸びるし。でも、それは、やる側の問題が一番大きい。見に来たくなるとか、こいつは変わったとか、戦っているとか、多少上手くなったとか、表情が変わっただとか、何でもいいから変わって欲しい。そういうのに時間はかけたくないですね
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