| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |
| 関西蹴球だより 07/03/29 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
![]() |
![]() |
大学サッカーという独自性 第57回 京都学生サッカー選手権大会 準決勝 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ |
この大学生の大会を取材する前日、中学生年代の大会を取材する機会があった。詳細は後日レポートするが、ガンバ大阪と京都サンガの下部組織の試合は、ショートパスの組み立てとサイドアタックを的確に行うスタイリッシュな展開だった。育成年代の指導システムが行き渡っていることを示す内容とも言えた。
しかし、大学の大会はそうもいかない。元日本代表監督が指揮する大学もあれば、学生主導の大学も存在する。選手もクラブユースで磨かれたタイプから、高校選手権を目指しサッカーに打ち込んできた学生たちまでが、まさに全国から集っている。自然と大学ごとのカラーがハッキリとしてくる。
加えて、この大会のようにトーナメント形式で、且つ実力的に均衡していない大学が戦うとなれば眼前の試合のために知恵を絞ってスタイルを変える場合もある。
更に環境(ハード)の違いが影響する点も見逃せない。近年多くの大学では人工芝のピッチが当然の設備となっている。練習だけではなく、その設備を公式大会でも利用する。常に安定したコンディションのピッチで練習している大学と、そうでない大学では自然とボール扱いに違いが生じる。
そういった背景を知り、試合を観ると興味が増すものである。
[立命館大vs.佛教大]
この試合の主役は、もしかしたらピッチだったのかも知れない。枯れ芝が雨水をたっぷりと含んでいる状態。ぬかるみの上での勝負。最近の公式大会では少なくなっている状況である。
この試合に向けて佛教大は打倒立命館に策を練ってきた。システムを4−4−1−1に近い形にして、本来MFの河村をトップのすぐ後ろ、シャドー的な位置に据えた。彼のスピードをカウンターに活かすためである。しかし、この日のピッチ状態では立命館のDFライン裏へのグラウンダーのボールがことごとく失速。狙い通りにスペースを活用できない。
対して立命館は、11分、山口のクロスを長身FW森井が叩き込む。空中戦で先手を奪う。ただ、先制点こそ格上の立命館(関西春季リーグ1部所属、佛教大は3部)があっさり獲ったが、試合をコントロール出来たわけではなかった。立命館もピッチに苦しんだのだ。彼らのサッカーも丁寧につなぐ事が持ち味。決してタレント揃いの大型FWへの安易は放り込みはしない。そうなるとスピード乗らないパスでの組み立てになってしまい、佛教大の守備が対応し易くなった。
佛教大が技術的にもそれ程劣ってなかったこともあり、まさに接戦の様相。前半30分には佛教大がCKから小寺がフリーでヘッド。GK鈴木のファインセーブで得点にはならなかったが、あわや同点の場面を作った。
ハーフタイム中も、佛教大は確信を持ってアップセットを狙う話し合いをしていた。
後半、佛教大は意図をハッキリと示す。リトリートの状態からのカウンター狙いをより明確に打ち出した。当然立命館がボールを支配するが、どちらのペースとも言えない状態が続いた。それを打破したのが、立命館の中盤の才能・永田。55分にミドル一閃。2−0と試合を決めた。
これまで立命館や関西選抜の試合で永田を観て来ているが、常にハイパフォーマンスである。不調で消えている永田を観た記憶は無い。試合後に永田と話した時にも彼の目線や基準は常に“J”に置かれていた。今季は所属する立命館でのプレーエリアを自身の判断で、これまでよりセントラルに置いた。中心選手としての自負だろう。
難しい試合にケリをつける才能に恵まれた立命館。その後は守備ブロックを固めて無難にしのぎ切った。決勝では、J注目の才能がチームに戻ってくる予定。より強さを増すか。
| (立命館大メンバー) | (佛教大メンバー) | |||||||
| GK: | 鈴木 | GK: | 平野 | |||||
| DF: | 前野、白井、深水、武宮 | DF: | 中土、高岸、木村、淺川 | |||||
| MF: | 朴→入江、有田、永田→福本、山口→植松 | MF: | 坂井、竹田、西田、河村、久保 | |||||
| FW: | 森井→玉林、木村→宮尾 | FW: | 小寺 | |||||
[京産大vs.同志社大]
実力的には大差の無い両校の勝負。ただ同志社には、持ち前のテクニカルなサッカーには不向きな状態に不安はあっただろう。
序盤は、完全な京産ペース。FKやCKを立て続けに獲得してゆく。しかもセットプレーでは持ち前の高さが活き、ほぼ競り勝っていた。この流れで先制出来なければ勿体無いと思った矢先に、セットプレーからの作り直しで、前線に上がっていたDF門がクロスを上手くヘッドで合わせてゴール。流れをキッチリとモノにした。
その後もDFラインからのビルドアップが上手くいかない同志社に対して、京産はサイドに振って勝負を仕掛け続けた。ただ、同志社の2トップの一角・木上がドリブル主体に孤軍奮闘の働きを続け、抵抗の姿勢を表す。GKとの1対1を外す場面はあったが、京産にとって脅威には変わらなかった。
試合は、ピッチに慣れた同志社が得意のパス回しで京産のDFの裏を突く場面を増やし始める。そして26分。DF裏に抜けたMF神田のクロスを木上がダイレクトボレー。鮮やかなゴールでゲームを振り出しに戻す。ここから前半終了までは、お互いに勝利への意欲を剥き出し、中盤での潰し合い。京産のFW馬場がポストプレーや空中戦で活路を切り開きかけるが、ゴールにはつながらない。
ハーフタイムでは、同志社はポジション修正と距離感についての指摘が、京産は丁寧な組み立ての意識を持つことへの指示が飛んだ。
後半、いきなりゲームに動き。木上の突破に対して京産DFがエリア内でファウル。同志社にPKが与えられる。キッカーは、木上と2トップを組む松田。しかし短い助走からのシュートは枠外へ。これで流れが変わるかとも思えたが、同志社はピッチ上もベンチも落胆は無し。一気呵成に攻め続ける。そして54分、高い位置からのカウンターで、松田のスルーパスをMF楠神が落ち着いて流し込む。遂に同志社逆転。
63分には木上のお膳立てを松田が汚名挽回でゲット。3−1と大きく試合を傾けた。反撃に出る京産。右サイドからの攻撃とハイボールを繰り返し同志社ゴールに迫る。しかし、ペナルティエリア内では京産の選手がシュートまでもちこめない。
試合も終盤に差し掛かり、同志社はカウンター狙いで守りに入るかと思われたが、サイドバックも攻め上がり攻撃の手を緩めない。攻めに人数を割いて京産に、逆にカウンターを食らう場面も。しかしスコアは動かず同志社が勝利した。
試合後、望月監督に終盤の時間の使い方を尋ねると「攻撃的なサッカーを90分間続けたい」という明確な意志が返ってきた。今後、攻撃志向によって損をする場面はあるかも知れない。しかしアタッキングサッカーはプレーヤーにも観衆にも楽しいモノには違いない。意志を貫いて今後も戦ってもらいたい。
| (京産大) | (同志社大) | |||||||
| GK: | 本山 | GK: | 川原 | |||||
| DF: | 馬場悠、東岡、渡辺、門 | DF: | 井上、永戸、宇城、立花→林 | |||||
| MF: | 櫛田、金本→村中、吉川→塚原、濱口→稲本 | MF: | 大森、神田→渡辺、菅沼→大塚、楠神 | |||||
| FW: | 馬場隆→寺本、日下→小笠原 | FW: | 木上→中村、松田 | |||||
| <前へ|次へ|indexへ> |
| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |