topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 関西蹴球だより 07/04/10 (火) <前へ次へindexへ>

 プリンス関西07開幕!前回覇者ヴィッセル神戸、薄氷を踏む勝利
 プリンスリーグ関西2007 第1節 神戸市立科学技術高校vs.ヴィッセル神戸ユース

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 大会前、一部専門紙などでプリンスリーグ関西2007の優勝候補に挙げられていたヴィッセル神戸ユース。しかし、新チームのこれまでを観ていれば、贔屓目にも"優勝候補"などとは呼べない。中盤の構成、サイドバックの人材難、裏へのボールに弱いDFライン。この3点は、何度かメスを入れられたが、改善しているとは言い難かった。3月のセレッソ大阪U-18戦(1−4の敗戦。35分×3本)のドタバタぶりを観ていれば、セレッソ大阪より上の評価は与えられるわけもない。



 春麗かな天候の下で行われた、プリンスリーグ関西2007開幕戦。神戸市立科学技術高校(以下、科技)と対戦したヴィッセル神戸は、弱点に対して手は打っていた。個人技に優れるFW辻をトップ下へ、サイドバックも右・飯尾、左・中谷で固定させた練習を行った。

 しかし、試合は開始早々から3つ目の弱点、裏への弱さが露呈。GKからボランチまでの守備の連動性が悪く、科技の攻撃にパニックを起こす。1度、2度ならず、何度もミスから科技に決定機を献上し続ける。科技は福原、須ノ又、西堀の誰かがチャンスをモノにしていれば試合を支配出来たのだろうが、そこで悉く外してしまうあたりは、これもまた科技にとっての弱点なのだろう。

 リズムを取り戻したいヴィッセル神戸は、前半17分に早くも最初の交代。1年生FW大槻が積極的な仕掛けを見せ、辻が個人技で突破する場面があるものの流れは科技のまま。高さでも勝る科技は、この試合を通じて高いパフォーマンスを披露したCB古結がCKからヘッドで合わせるもバーをかすめて外れる。一方、ビルドアップがままならないヴィッセル神戸のチャンスは、35分の須崎が放ったバー直撃のFKと、44分の上谷がスルーパスに反応して抜け出した場面のみ。

 間違いなく勝てる流れの科技。しかし、決める時に決めないと・・・の理通り、後半先制したのはヴィッセル神戸。しかも、前半にヴィッセル神戸が何度も見せたミスを科技が犯した。49分、その一度のミスにしっかりとFW上谷がつけ込んだ。これで少し落ち着いたヴィッセル神戸は、FWにポジションを戻した辻と上谷のコンビでカウンターを虎視眈々と狙う。



 攻めなければいけない科技は、須ノ又が個人技を発揮。立て続けにDFとの1対1を制してフィニッシュまで持ち込むがGKの好セーブで得点ならず。しかし科技の攻勢は続き、MF吉田が左から何本もクロスを放り込む。味方の高さを活かし、相手の弱みを突く狙いも奏功はしなかった。

 ヴィッセル神戸の先制以降、両チームの9番と10番(ヴィッセル神戸は上谷と辻、科技は吉田と須ノ又)が常に目立っており、その内の誰かが一仕事成し遂げてもおかしくない展開が続いたが、最後の局面をモノに出来ず。75分あたりから、科技は拾ったボールを徹底的にヴィッセル神戸の左サイドの裏に供給。今度は右から崩しに掛かる。それに対してのヴィッセル神戸の対応が良かったとは言えないが、科技も狙い通りに崩し切るには至らず。

 科技の連続した攻めが実らない時間帯にスコアを動かしたのは、ヴィッセル神戸のカウンター。82分、科技のCKのこぼれをMF岡崎がロングドリブルで持ち上がり、タイミング良く並走した左SB中谷にパス。中谷はシンプルに逆サイドに折り返すと、右SB飯尾が走り込んでゴール。鮮やかなカウンターが決まる。そこに絡んだのが、前半早々に途中出場した岡崎と、やっと固定された両SBだったあたりはサッカーの面白いところだ。この2点目で、科技は意気消沈したのか、それとも体力が落ちたのか、ボールを追えなくなる。ヴィッセル神戸が個人技でキープし続け90分を終えた。



 ヴィッセル神戸の木山監督が、良かった点は「勝ったことだけ」と評した試合は、前回覇者が苦しみ抜いて勝ち点3を得た結果になった。

 試合後、気になった事があった。これはこの試合に限らずここ数年プリンスリーグで垣間見られる光景なのだが。勝っても内容に不満のあるヴィッセル神戸の選手が肩を落としている光景は納得が出来る。しかし、科技の選手が(少なくともヴィッセル神戸の選手より)サバサバしていた事はいただけない。プリンスリーグは選ばれたチームが戦う場であり、戦力差は大きくない。しかも関西の場合、より実力の均衡を図ってのグループ分けがなされている。それを考えれば科技の選手はもっと落胆して、悔やんでいてもおかしくないはず。

 ヴィッセル神戸の選手は試合前に「絶対に高校の(=高体連の)チームには勝つ」と異口同音に話していた。この数年で幾度も感じるJ下部組織と高体連チームの意識差。これが筆者の"人を観る眼が無かった"という結論に辿り着いて欲しい。それも含め、第2節以降にも注目点の多いプリンスリーグ関西2007になりそうだ。


(神戸科学技術高校) (ヴィッセル神戸ユース)
GK: 小林 GK: 松本
DF: 長田、古結、朴、下田 DF: 飯尾、佐川、川岸、中谷
MF: 福原、増井、吉田、酒見→和定 MF: 須崎、藤松→八束、先田→岡崎、辻
FW: 須ノ又、西堀→重信 FW: 大槻→栗原、上谷→谷
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink