topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 関西蹴球だより 07/06/01 (金) <前へ次へindexへ>
黄・京教大、ピンク・武庫川女子

 それぞれの"蹴る"選択
 2007年度関西学生女子サッカー春季リーグ 第1節

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 麻疹騒動が関東から関西に広まり、大阪体育大などが休講するような状況になり、開幕戦がどうなるか心配されたが、現時点で対外試合には問題が無く開催された。

 関西の大学女子サッカーは、実力によってディビジョンが2つに分かれている。確かに、高校時代まで本格的にサッカーをプレイしてきた選手がズラリと揃うチームとそれ以外のチームでは力の差が大きい。ただ、私はその状態に対して多少だが好意的である。なぜなら、大学に入ってから初めてサッカーに取り組む選手が多いというのは、単純にそれだけで喜ばしい。

 他の競技なら高校までの競技経験者が多いが、競技人口の少ない大学女子サッカーであれば、入学してからボールを蹴り始めてもレギュラーを獲得して公式戦に出るチャンスは大きい。このリーグに出場する大半の選手が、大学に入ってからボールを蹴る選択をしている。関西のサッカー熱の高まりを望む者にとって、僅かでも普及してゆくことは嬉しいものだ。

 反面、そろそろサッカー人生を終える選択を考えている選手も少なくない。本格的にプレイしてきて、大学でもサッカーに打ち込んだものの、その先が不透明なため大学でキャリアを終えるとか。この大会中にも就職活動や教育実習で抜ける選手は多い。願わくば、教師となり全国各地に赴かれた後、何らかの形でサッカーに携わってもらいたい。



【1部 武庫川女子大vs.京教大】

 ともに昨年度全国の舞台を踏んでいる。部員数が40人を超え、経験者も多い武庫川女子大(以下、武庫川)の有利は間違いないが、京教大(以下、京教)が簡単に引き下がるとは思えなかった。武庫川はまだベストメンバーを固定せず、試行錯誤中といったスタメン。京教は、怪我人などの関係で、リザーブ全員が新1年生。こちらは「自分たちの力を確かめる春」(利川主将)というテーマがあり、どんどん新しい力を伸ばしてゆくための戦いだろう。

 試合は、武庫川がボールを支配して押し続けるが、得点の気配は薄い。決定的な場面でのシュートが無いことと、京教のGK山本の能力が高くゴール前に立ちはだかった。女子の試合においてGKの力量は試合の趨勢を決める。それは男子の比ではない。この試合のようにGKが安定したキャッチとキック、守備範囲の広さを持っていれば、そう簡単にはゴールは生まれない。事実、前半途中まではスコアの予感が無かった。

 しかし、25分(35分ハーフ)武庫川がPKを得る。これはヘディングの競り合いで京教がファウルを取られたものだが、判定が厳し過ぎるように感じた。武庫川は、MF島津が蹴り込んで先制。これで勢いを得た武庫川は、32分にもサイドのスペースに上手くボールを引き出した島津が右からクロス。ファーでMF渡辺が合わせて加点。島津がスルーパスを受けるために走ったコース取りとボールを受ける姿勢が良かった。スペースへ出たパスの受け方は女子サッカーの課題の1つであり、それを体得している強みが出たシーンだった。

 後半、京教は変わらず堅い守備から、MF池田を中心に反攻を開始。しかし、武庫川の藤田・堀江の両CBが強く上手い。堀江は、京教のロングボールを何度も確実なヘッドで跳ね返した。確かな基礎技術があるからこそピンチを迎えない。京教は、確実に「止める、蹴る」が出来るように選手が成長しているだけに、後はルック・アラウンドや体の構え方を意識するだけで更に伸びるだろう。

 試合は、交代で入った村田が決めて3−0で笛。秋には、この点差がどうなっているか、それぞれに楽しみと課題が残った。


(武庫川女子大) (京都教育大)
GK: 稲澤 GK: 山本
DF: 鈴木、藤田、堀江、東→堀 DF: 明星、鈴木、日下部、徳本
MF: 加藤、渡辺、三平→三浦、島津、久常 MF: 利川、橋本(佳)、池田、平井
FW: 中上→村田 FW: 若森→長谷川→橋本(千)、川本


【2部 兵庫教育大vs.神戸女子大】

赤黒・神戸女子、白・兵教大
 試合前の選手のコメントから、接戦になることは間違いないと思われた。加えて、この試合が開催される時間には夏を思わせる気温になっていた。スタミナ勝負でもあるし、怪我人を出さないためにも注意の必要な環境。何せ、この両チームに高校時代サッカーを経験していた選手は居ない。いくら運動経験があったとしても、練習で走り込んでいたとしても、今年度最初の公式戦で前後半70分を走る事は過酷であった。

 試合は、両チームのボールを持てる選手が鍵を握っていた。兵庫教育大(以下、兵教)は、MF野間、西野、FW高瀬のコンビネーションで仕掛けてゆく。特に左サイドを疾走する高瀬の速さが最大の武器。神戸女子大(以下、神戸)は。菱形の中盤でトップ下を務める古瀬とボランチに入った濱田の縦関係が中心になった。

 神戸は、前半からハイペースで仕掛ける。高い位置でのボール奪取からのショートカウンター。ただ、フィニッシャーが不在のため、ゴールへの道は遠かった。兵教も返す刀でサイドのスペースを使うがフィニッシュには至らず。後半に入っても、神戸がプレッシャーを掛け続ける。ただ、スタメンに並ぶ4人の1年生にとっては心身だけでなく、脳も疲れる展開だっただろう。実戦に勝る経験は無いので、成長のチャンスだが。

 暑さの中、さすがに両チームの足も止まり始める。ここで裏へのスルーパスは有効ではなかった。思い切って相手ゴール前でスクランブルの状態を作ってみた方が得点のチャンスはあっただろう。兵教は、神戸のDFが処理し難い浮き球を多用しており、その狙いはあったのかも知れない。

 試合は、両チームのCBの奮闘もありスコアレス。1部昇格も視野に入れる両校にとって、悪くない勝ち点1スタート。大混戦が予想される2部からも目が離せない。
※一言付け加えると、今後の試合では給水タイムは審判が判断して適宜取るべきだろう。


(兵庫教育大) (神戸女子大)
GK: 近藤 GK: 木村
DF: 濱本、宮森→飯島、長谷川、小栗 DF: 三戸岡、加納、大坪、新田→木太
MF: 野間、松香、西野、村上 MF: 濱田、小坂、古瀬、松永
FW: 高瀬、大西 FW: 笹倉→正木、太田垣→勝村
【その他の試合】
1部 大阪体育大  19−0  和歌山大
大阪教育大   2−0  立命館大
2部 大阪市立大   0−0  奈良教育大

【次節の予定】
6月3日(日)
1部 大阪体育大 立命館大  (大阪教育大グラウンド)
武庫川女子大 大阪教育大  ( 同上 )
2部 大阪国際大 兵庫教育大  ( 同上 )
1部 京都教育大 和歌山大  (京都教育大グラウンド)
2部 大阪市立大 神戸女子大  ( 同上 )
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink