topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 関西蹴球だより 07/10/26 (金) <前へ次へindexへ>
アリーナに続く道に掲げられたシュライカーのノボリ。

 Fリーグ、関西ダービー!
 2007Fリーグ 第5節 シュライカー大阪vs.デウソン神戸

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
2007年10月21日(日) 試合開始:18:00 会場:舞洲アリーナ 観衆:1684人
試合結果/シュライカー大阪1−2デウソン神戸(前0−1、後1−1)
得点経過/[神戸]須藤(19分)、ブルノ(39分)、[大阪]林(39分)


取材・文/ハヤシ ヒロヒサ

 90年代後半のこと。サッカー専門誌にではなく、社会派の雑誌にフットサルに関する記事が掲載された。古い話なのでタイトルや記事の中身を詳しくは覚えていないが、"インターネットを通じて広がるフットサル"といった趣旨の題名だった。ネット社会の広がりが、見ず知らずの人間をフットサルという手軽なスポーツで繋いでいる、そのような内容だった。

 まさにその当時、筆者もネットを通じて、応援するJリーグクラブの顔も知らなかったファン同士が集うフットサルチームに入っていた(ちなみに現在もそのチームは存続しており、筆者は所謂、幽霊部員)。その頃のフットサルの捉え方は、・サッカー愛好者の手軽な遊び・サッカーを始めるキッカケ・本格的なサッカー経験者のリタイア後の足慣らし、というようなものであり、あくまで「サッカーのために役立つ競技」だった。Jリーグサポーターの多くはそういった考えだっただろう。東京でJクラブサポーター対抗フットサル大会が開催されたこともあったし、フットサルコートの経営者やコーチが元Jリーガーだったのだから。

 しかし、その後、周知の通り、雨後の筍のごとくフットサルコートは増え、比例するように競技人口も増加。それに伴い、サッカーのためにではなく、フットサルそのものをプレーする選手がどんどんと登場して来た。現在、フットサル日本代表がアジアで有数の実力を誇ることは言うまでもない。そして遂に、フットサルの全国リーグがこの秋開幕した。Fリーグである。
 その第5節で、関西をホームとする2チームが激突。舞洲アリーナで熱戦を取材して来た。

 なお、Fリーグの概略や、フットサルのルールはここでは省略させていただく。全てを書くと際限が無い。それにルールに関しても、筆者が審判資格取得講習の際に「おおまかには、やはり小さいコートでするサッカーと思ってください」と説明されて気楽になった記憶があり、その程度のスタンスで構わないと考えるからだ。



 会場へ向かうバスの中で耳にする会話は、サッカーの話半分とFリーグの話半分。両方に興味のある方々が足を運ばれているようだ。アリーナに着いて開門を待つ観客の列を見てもまだコアなサポーターは少ない様子。しかし、観客の長蛇の列が出来ているのは嬉しかった。

 さて、シュライカー大阪(以下、大阪)とデウソン神戸(以下、神戸)はFリーグ開幕前に練習・親善試合で3回対戦している。結果は大阪の2勝1分。まだ神戸は大阪に勝ったことがない。しかし、リーグ戦では、神戸は勝ち星先行のスタートを切ったが、大阪は下位に低迷。ダービーという理由だけではなく、現状を考えても大阪にとっては勝たなければならない一戦を迎えていた。

 先発は、大阪がGK村島、FP西村、西野、奥田、岸本。神戸がGK村山、FP伊藤、ブルノ、原田、石田。注目点はそれぞれ、大阪の西村がピヴォとしてボールを収め攻撃の起点になれるか、神戸のブルノが高い個人技で攻撃を牽引出来るか。

 試合は大阪が仕掛ける。奥田のファーストシュートに続いて、最初の決定機も奥田に巡って来たがGKにブロックされた。出だしの攻勢を凌いだ神戸は、やはりブルノがリズムを作り出す。ブルノ自身が決めにかかるというより、サイドからチャンスメイク。そこから原田が連続でシュート。3分(40分 プレーイングタイム)には惜しくもGKに当てた。



 5分も経つ頃には、ゲームは完全に神戸の支配下。得点は入らないものの、ポゼッションを高める。ブルノはがら空きのゴールへのシュートをミスする場面もあったが、ドリブルは冴え渡った。またぎフェイントを大阪の選手は止められない。仕方なくファウルで止める場面もあった。そのせいか、開始7分で両チームともファウル数が3。早々から第2PKに気を遣わないといけない状態になる。

 この7分の時点で神戸はFPを総入れ替え。ここから大阪が盛り返す。ピヴォ西村が長めのパスをしっかりと懐に収められるようになり、大阪が前目でコンビネーションを繰り出すチャンスを得た。ただし、完全に崩し切れず、決定的なシュートにまで持ち込めない。結果的に、膠着した時間が長く続いた。

 神戸は、再度がらりとメンバーを入れ替え反撃に出る。やはりブルノのドリブルが効果的。惜しいシュートにまで持ち込む。18分に、押していた神戸のCKを奪った大阪がカウンターに出て、西村がGKと1対1を迎えたがシュートは枠外に。その直後、神戸はキックインからシュートチャンスを掴む。ほぼ同じ位置からのキックインが3度続き、その3度目を須藤が強引に右足で叩き込んだ。19分、神戸が先制する。そして前半は、そのまま1−0で終了。神戸の良い意味でシンプルな攻撃と、1対1の攻防で大阪を上回っている点を考えると、後半に向けて大阪は建て直しが必要不可欠だった。



試合当日は入場者にMDP、バンダナ、お面が配られた。
 その後半、大阪が奮起する。奥田の左足のシュートはGK正面。続いて、瀬戸のライナー性のパスを西野がダイビングヘッド。これは惜しくもゴールを外す。さらに、交代で入った神戸の浮き球のパスから瀬戸が胸トラップそしてボレーシュート。これもゴールを捕らえない。シュートの連続で会場を盛り上げてゆくがゴールを脅かすには至らず。神戸もカウンターから廣瀬が抜け出したが、こちらも決めきれず。

 ゴール前からゴール前の応酬が続いたが、30分近くになって、少し両チームにパスミスが見られ始めた。やはり疲れが溜まって厳しい時間帯なのだろう。大阪もパスは繋ぐのだが、横へのパスが多くなり、前に仕掛ける回数が減る。

 ただ、大阪にしてみれば、不調の最中にあり、ホームであり、1点リードされているという状況下、かなり無理をしても追い付かないといけない。プレスを高い位置から強めて神戸を押し込みにかかる。そして35分36秒からパワープレー開始。GKを下げて、岸本が最後尾に入る。当然、ボール支配は完全に大阪が上回る。神戸もタイムアウトを取ってパワープレー対策を確認。大阪がシュートに持ち込む前に分りやすくクリアでプレーを切るなど守りの約束事を徹底した。

 そして39分、神戸はパワープレーのボールを奪取して、ブルノがあっさり決める。2点差がついたが、フットサルならまだ同点に持ち込める時間は残っている。大阪はすぐにこの試合で一番のビッグチャンスを迎えたが、がら空きのゴールへの西村の踵でのシュートは外れる。それでも、大阪は折れずに攻撃を続け、残り18秒、強引に繋いで林がシュート。GKの手に触れたもののゴールイン。最後の最後で得点したが、さすがにもう時間はなかった。直後に試合終了。神戸は、初めて大阪を倒した。選手は歓喜のダンスを見せていた。



 試合後の記者会見で、神戸の鈴木監督は、「これまでの対戦でシュライカーの特徴はつかめていた。そこを重点的に抑えた。」と勝因を語り、これからもっと攻撃的なチームを作りたいと豊富を付け加えた。一方、敗れた大阪の原田監督は、「チームが不調で、メンタル面で弱気になっていた。シュートも技術というより気持ちが弱くなっていたため不正確だった。」と話した。

 この試合のMVP的存在のブルノは、効果的なプレーだけではなく、シャペウなどのトリックも披露し観客を沸かせた。本人も「勝利が一番だが、機会があれば技を見せる」と話しており、フットサルならではの楽しみ方を今後も提供してくれそうだ。

 Fリーグやその所属チームにはまだまだ課題があるが、それは地道に時間を掛けて解決してゆくものだろう。間違いなく面白いスポーツであるが、現状では「プレーするスポーツ」。それに「観るスポーツ」という概念を持ち込めれば、潜在的なファン層は多いだけに期待出来る。


(シュライカー大阪) (デウソン神戸)
GK: 戌谷、村島 GK: 村山、田中
FP: 西村、神戸、西野、安川、奥田、岸本、一木、林、瀬戸、西 FP: 石田、山元、岸田、原田、フランキ、ブルノ、廣瀬、伊藤、須藤、小川
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink