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 関西蹴球だより 07/11/23 (金) <前へ次へindexへ>
乗り切れない大体大(緑)が迎えるのは同志社大(白)。同志社大学は能力の高い選手が揃う。

 秋季も波乱の展開に!
 2007年度 関西学生サッカーリーグ 第8節

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 今年の関西学生サッカーリーグは、春季も秋季も下馬評があてにならない。春は新興勢力であるびわこ成蹊スポーツ大学(以下、びわこ成蹊)が優勝し、強豪の立命館大学が2部自動降格。秋は、春に躍進したびわこ成蹊や大阪体育大学(以下、大体大)が低迷する一方、ノーマークだった大阪学院大学(以下、大院大)が首位を快走。選手の間では「最も強い」と評価されている関西大学も、春・秋ともに一度も優勝争いに絡まなかった。

 これについては、短期決戦ならではとも分析出来るだろうし、戦力が拮抗していると評す人もいるだろう。しかし、絶対的な理由を見付ける事は難しい。来年度から通年リーグになるが、その結果次第で今年について語る事が出来るのかも知れない。しかし、優勝というタイトルと4位以内に与えられるインカレ出場権を目指した熱い戦いが観られる、それだけは確かだ。



【大阪体育大学vs.同志社大学】

 秋口に練習を見学し、第1節を取材した時点で、その後まさか大体大が最下位に沈むとは思えなかった。上級生主体でチームとしては完成されており、今年度の関西学生サッカー選手権で優勝、天皇杯大阪府予選も突破した。実力は確かである。細かい原因を探るよりは、"乗れていない"と表現する方が正しいだろう。

 対する同志社大学(以下、同志社)は、下級生主体ながら能力の高いチーム。近年の精力的なスカウティングにより才能のある選手が集まり始めている。来年度も好素材が入学予定で、西のタレント集団になりそうな勢い。

 試合は、そういった"波"がそのまま結果に表れた。
 出方を探り合った数分を経て、6分に同志社が先制。CKの流れからFW飯島が押し込んで、この試合のファーストチャンスをきっちりモノにした。しかし、大体大の反撃も早く、10分にMF森のアーリークロスがDFラインとGKの間を見事に通り、飛び込んだMF山下は合わせるだけ。試合はあっさり振り出しに戻る。直後の11分には大体大MF小久保の放ったミドルシュートがバーを叩いた。これが決まっていれば流れは大きく大体大に傾いただろう。

 同志社は飯島がサイドに開いて攻撃を作ろうとするが、なかなか上手く組み立てられない。同志社らしいショートパスとドリブルのサッカーは観られず、大体大DFのミス頼みのロングボール攻めに陥る。

 こうなるとペースは大体大。ロングパスも含め大きな展開は大体大サッカーの特色。同志社の両SBが本職ではない選手だったため、サイドの深いスペースを突く攻撃を繰り返した。しかし、次の得点は同志社に入る。27分、MF大森のスルーパスに飯島が反応し、この試合2度目のチャンスをまたもやモノにした。直後に大体大FW熊元がフリーでヘディングシュートを狙ったが、GK川原がスーパーセーブ。今度は振り出しに戻らず。

 全体的にバタバタとした展開の中、同志社にはチャンスは巡って来ず、大体大に幾度か好機があったがシュートは正確性を欠いた。同志社にとっては、運良く前半を終えることが出来た。



 後半も攻めたのは大体大。しかしシュートはGKのナイスセーブに阻まれ、ポストを叩き、どうしてもゴールネットを揺らすに到らない。それでも58分、同志社の飯島がGKをかわして、後は無人のゴールに蹴り込むだけのシュートを外してしまい、まだ大体大は運に見放されていないと思われた。しかし、その後も決定機を外す大体大に勝利の女神は微笑まず。終盤のパワープレーも同志社の大型DFに弾き返される。挙句、カウンターを浴び、MF楠神からFW松田と繋がれ、最後はシュートのこぼれをFW岡に押し込まれて失点。まさに流れ掴めるか掴めないかが分かれ目だった。そして、同志社はロスタイムを、楠神とMF荒堀の野洲出身コンビが華麗なパス交換で潰して勝ち点3を得た。

 インカレに近付いた同志社と最下位のままの大体大の、試合後のコントラストが印象的だった。


(大阪体育大学) (同志社大学)
GK: 川本 GK: 川原
DF: 山道、松尾、吉村、藤春 DF: 宇城、森本、永戸、安川
MF: 西谷→村田、田所→澤本、小久保、森→中田、山下 MF: 滝口、荒堀、楠神、大森→出崎
FW: 熊元 FW: 岡→市川、飯島→松田

春の覇者ながら9位と低迷する・びわこ成蹊(水色)と、インカレ出場と優勝を狙う桃山学院大(白)。びわこ成蹊がカウンターサッカーで意地を見せた。
【びわこ成蹊スポーツ大学vs.桃山学院大学】

 春の覇者・びわこ成蹊もここまで9位(10チーム中)と不調。元来、個々の才能に依存せず、チームとして組織力で戦うスタイルであり、春はそれが見事に嵌った。しかし、調子を崩した時に、一発で状況を打破出来る選手がいないため、雰囲気が停滞してしまう。名将・松田監督の手腕に大きく託される。

 一方、桃山学院大学(以下、桃山)には、この試合特別なプレッシャーがかかっていた。他会場で先に行われた試合で大院大が勝利したため、この試合で桃山が勝ち点3を獲得しなければ、大院大の優勝が決まってしまう。優勝のチャンスを残すと共に、勝利が絶対という立場に置かれメンタル的には難しい状況だった。

 勝ち点に対する両チームの慎重さと、強風という条件が重なり、リスクを回避した試合の入り方になった。流れからの得点の雰囲気は全く無く、セットプレーで決まる展開で、先制点を奪ったのは桃山。7分、CKのこぼれから立て続けに4本のシュート。最後はMF渡部が突き刺し、待望の先制点。しかし、セットプレーを活かしたのはびわこ成蹊も同様だった。13分のCK。桃山DFがクリアしたボールをDF舩津が再度ゴール前に放り込みFW永井が合わせて同点にした。

 点を獲るしかない桃山はここからテンポアップ。ボール支配で圧倒的に上回る。びわこ成蹊はカウンターにしか活路を見出せない窮状だったが、ここで焦ったのが桃山。自陣深くで、ミスをしてボールを失うと、びわこ成蹊のショートカウンターを浴び、永井からMF平野と繋がれて失点。21分の時点でリードされる展開になってしまう。

 桃山はMF金光が左に大きく開き、そこにボールを集めてから攻撃を開始するパターンで攻めに入るが、そこを狙われる。びわこ成蹊は相変わらずカウンターしか糸口がないものの、それが有効だった。スピードのあるMF小池と玉垣が右サイドから桃山を脅かし続けた。なかなかシュート場面を作れない桃山とは対照的に、びわこ成蹊は一連の攻撃をシュートで終える。30分、MF篠部から玉垣にパスが渡り追加点。びわこ成蹊がカウンターで連続得点をあげた。そして前半残り時間も桃山がキープはしながらも、攻め切れない流れのまま経過した。



 後半に入ると、びわこ成蹊が桃山にあえて"持たせている"様相になる。桃山も強引にゴールに迫る場面は作るが、それよりもびわこ成蹊のカウンターがチャンスに結び付くシーンの方が多い。

 互いに1度ずつ決定機を逃した後の55分、やはりカウンターからびわこ成蹊の篠部が決めて4−1。試合はここで決した。桃山には焦りの色がありありと現れ、ファウルが増え、イエローカードが続く。選手交代で状況を変えようと試みるがチャンスは作れず、パワープレーに出るわけでもなく、引いたびわこ成蹊に対してバックパスと横パスばかりで圧力を掛ける事が出来ない。

 びわこ成蹊はプランを明確にし、はっきりとしたクリアをしながら、あわよくばカウンターで5点目を取れればという余裕を見せる。そして、その、あわよくば、が決まってしまうのが、この試合の特徴だった。85分に、FW阪田が走り、最後はまたもや玉垣が決めてしまう。

 完全に集中が切れた桃山から反撃の気力も感じられないまま試合終了。予想外のスコアで圧倒したびわこ成蹊が順位を上げ、桃山はインカレ圏内からも落ちた。同時に大院大の優勝が早々と決定した。


(びわこ成蹊スポーツ大学) (桃山学院大学)
GK: 新田 GK: 北井
DF: 小川、内野、村井、舩津 DF: 尾崎、古川、宮内、中山→國田
MF: 小池、吉岡、平野→熊田、玉垣、篠部 MF: 岡田、船津、金光、渡部
FW: 永井→阪田 FW: 辻→武田、宮澤→池田
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