topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink
 関西蹴球だより 08/03/02 (日) <前へ次へindexへ>
雪の中の熱戦

 京女、雪の中の熱い戦い
 第5回京都女子フットボールリーグ

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 前日に降った雪が、太陽ヶ丘競技場を真っ白に覆った。どこかメイン競技場で、どこが球技場なのか、それすらさっぱり判らなかった。ようやく、リーグ戦の会場を発見すると、予定通り開催とのことで、選手・スタッフ総出の雪かき。ピッチ全面の雪を取り除くのは不可能だったため、ラインだけが判別できるよう、作業が行われた。

 試合開催への熱意も凄いが、この大会自体も熱意の塊のような大会である。冬場のこの時期に、しかも女子サッカーで、試合機会を確保するには関係者の絶大なる尽力と想いが必要。日本中の多くの女子サッカーチームは、この時期ようやく新シーズンに向けて調整に入っている程度で、(高校の新人戦を除けば)本格的な試合はかなり先だ。

 しかし、京都の女子サッカー関係者は常に試合を経験する場を選手に提供するため、リーグ戦を組んだ。それもカテゴリーを決めるとチーム数に問題が生じるので、中学・高校・大学・クラブと垣根を取り払った大会になっている。多少の実力差はあるだろうが、そこは参加チームの創意工夫である。



【第1試合:城陽AZULvs.京都精華中高】

 サッカーを愛し、サッカー歴も長い選手が揃う城陽AZUL(以下、城陽)に対し、中学生も多く参加する京都精華中高(以下、精華)がぶつかる。こんな試合も醍醐味の一つ。加えて、筆者個人的には、精華に注目をしていた。関西の女子高校サッカーシーンで、兵庫の日ノ本学園がリードする中、大阪から大阪桐蔭と大商学園が頭角をあらわして来た。そして、その強豪たちと近い将来肩を並べるであろう存在として、京都の精華が挙げられるからだ。強くなっていることは知っていたが、生で観るのはこれが初めての機会だった。

 試合は、城陽が畑と橋本の2得点で前半からリードする。しかし、個々のプレーに眼を向けると光るものが見える。城陽だけでなく、精華も、雪という悪コンディションの中、利き脚ではしっかりとボールを蹴れている。城陽はピッチ状態を考えてドリブル主体にする頭の使い方。それを守る精華も、ミドルティーンの選手が集まるチームとは思えないくらい、味方に指示を出し、時に叱咤する声が聞かれる。

 派手なテクニックだけがサッカーではない、それは言うまでも無いこと。ピッチ上の選手たちが、テクニックを披露できないとなるや、頭を使い、ハートを熱くしてサッカーをしている姿に感心を覚える。

 精華は自主性の高いサッカーをしており、選手たちが試合中に修正を重ね合っていた。聞けば、小学生からボールを蹴っている選手が多いらしく、自分たちなりのサッカー観もあるのだろう。雪の上で技量を見定めるのは難しかったが、このチームが強くなってゆくであろうことは想像に難くなかった。

 結果は、城陽のエース橋本が大爆発して8−1と精華を圧倒。スコア的には大人の貫禄を見せた。
(城陽AZUL) (京都精華中高)
松森、中村、和田、坂本、戎谷、平岡、川越、東川、畑、衣奈、橋本 林(文)、西村、永谷、坂口、中井、榎谷、高橋(葵)、砂山、高橋(萌)、福嶋、松田、平井、若林、永野、鳥居
※リエントリー制のため出場選手のみ記載。


躍進する精華
【第2試合:京都紫光vs.京都精華中高】

 精華にとっては連戦になったこの試合。70分を再度戦うために、多くの選手が試されることになった。そして、京都紫光(以下、紫光)は言わずと知れた名門。昨秋も観たが、チームとしてしっかり鍛えられている。

 この試合が始まる頃には、雪は溶けていた。しかしそのせいで、土のグラウンドは田んぼのような状態。選手には可哀想である。3種年代でも人工芝で大会が開かれる男子の試合を多く観ているため、女子の大会も芝でプレーさせてあげたくなる。多くの大学の施設利用をすれば可能ではないかと思われるし、府県の中心となる競技場であれば、人工芝導入は当然と考えなければならないだろう。

 さて、試合はなかなかの接戦となった。精華の西川のシュートが決まり先制するが、紫光もフィジカルで勝り反撃に出る。紫光はフィジカルトレーニングも理論的にしっかりと成されており、泥んこの中でも戦えている。両チームともパスサッカーを志していたが、3本目や4本目のパスにブレが出てしまうあたりは残念だった。ピッチコンディションを考慮しても、もう少しビルドアップのパスは的確に繋ぐ必要があるし、そこが成長するための余地だろう。

 精華は後半にも濱本がゴールして試合を決めた。フィジカルでは劣ったが、トラップ技術では勝っていた。それが差になったか。
(京都紫光) (京都精華中高)
廣瀬、吉田、石田、伊東、小林、榊原、岡田、細見、松岡、池内、生本、神谷、小嶋、久保 高橋(萌)、武藤、永野、砂山、三田、西村、梅林、園部、林(萌)、西川、濱本、西村


【第3試合:城陽AZULvs.聖母学院中高】

 力関係から、どうしても聖母学院中高(以下、聖母)が守り中心になる試合は避けられなかった。何せ聖母はマネージャーの子も選手として登場している状態だった。学年の端境期の難しさ。それでもドリブル主体の城陽の攻撃は冴えまくった。この試合でもエース橋本が大活躍。中学生がDFを努める聖母では堪え切れない圧力になった。

 だが、必死に運動量でカバーし、リトリートして守備を固める聖母に城陽はてこずる。ハーフコートながらも城陽の得点量産とは簡単に進まない。ところが、サブのいない聖母に負傷退場者が出てしまう。これで堤防が決壊し、城陽がゴールを重ねた。しかし、その得点の中心であった橋本が下がった途端にスコア変動がなくなった点は、城陽の課題だろう。
(城陽AZUL) (聖母学院中高)
中村、細川、橋本、衣奈、坂本、川越、平岡、和田、戎谷、山辺、畑、松森、松元 寺内、梅田、吉田、箸片、平山、清水、古川、並川、宮坂、高津、二宮
<前へ次へindexへ>
topnewscolumnhistoryspecialf-cafeabout 2002wBBSmail tolink