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 関西蹴球だより 08/03/17 (月) <前へ次へindexへ>
選手宣誓する馬場主将(大院大)

 優勝候補・関大、同志社が地力を発揮!
 第86回関西学生サッカーリーグ・開幕節

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 昨年は、春リーグをびわこ成蹊スポーツ大(以下、びわこ成蹊)、秋リーグを大阪学院大(以下、大院大)が制し、波乱の一年だった関西の大学サッカー。今年から通年制になったとは言え、力関係の読み難いリーグである。それでも、昨年の戦力と今年の戦力の比較や、シーズン前の練習試合を観ると、力が抜けているチームがある。それが、関西大(以下、関大)と同志社大(以下、同志社)。関大は個人・組織ともに守備能力が高く大崩れはない。同志社は個人技の高い選手が揃い、試合を常に支配し続ける力がある。

 筆者は自身の優勝予想に従い、取材予定を立てたが、不安もあった。関大も同志社も、FWに決定力のある選手がおらず、勝ち切れない試合が続く可能性があるためだ。今年はFWのタレントが全くと言って構わないくらいに関西リーグにはいない。逆に考えれば、FWの選手がブレイクしたチームが結果を残すだろう。

 春麗の爽やかな天候に恵まれた開幕節。まずは優勝候補2チームと昨秋覇者・大院大の試合を観ることにした。



【大阪学院大vs.大阪教育大】

 開会式後の開幕戦はこのカード。ディフェンディングチャンピオンと昇格組の対戦とあって、大院大はリラックスしているように映った。対する大阪教育大(以下、大教大)は、入口監督も「1部は場違いかも知れない」と謙虚に語られていたが、レベルを体感するまでは緊張が解けない様子。

 両チームの選手たちに気の毒だったのは、試合会場の鶴見緑地球技場のピッチが芝というよりは土のグラウンドに近い状態だった事。プレーに大きな支障は無くとも、多くの観客が見守る中、綺麗な緑の絨毯の上で試合をさせてあげたかった。

 試合は、やはり大院大がコントロールし、3−0と結果も残した。最初の15分ほどは落ち着きのないサッカーだったが、その後は押し続け、大教大にほとんど攻めさせなかった。大院大の中心選手である馬場は、CBを主戦場とするが、この日はボランチの位置で出場。馬場本人も「CBもボランチも違和感はない」と言っていた通り、高いパフォーマンスを見せてチームを引っ張り続けた。

 大院大の課題は中央に偏りがちな攻撃。結果的に3得点全てがサイドからのクロスやFK・CKから生まれた事を考えれば、もっと意識的にサイドを使えば、攻撃に厚みと幅を持たせられるだろう。一方、大教大はいきなり1部の壁に当たってしまった。攻撃もシュート2本の単発で個人技頼みだったため、11人で崩すことを志向しないと今後も苦しい。幸い通年制なので、修正する時間は多い。


(大阪学院大) (大阪教育大)
GK: 古矢 GK: 金川
DF: 山本、吉井、畑中、岡村 DF: 高垣、大久保、山本、大庭
MF: 馬場、深作、佐藤→四ヶ浦、日高→尾花 MF: 田代→伊藤、三好、新田→田中、仲宗根
FW: 山根→大槻、小野 FW: 森原、佐藤→土屋


【関西大vs.立命館大】

 立命館大(以下、立命館)は昇格組とはいえ名門。昨年の主力はJリーグ入りなどで抜けたが、それでも「2部の戦いの中で成長した」(米田監督)選手も多く、ここからが真の復活となる。加えて、米田監督は、目先の勝利にとらわれず、選手たちが上のステージでも戦えるように育てたい、という指導方針を持たれており、新しい個の発見にも注目できるチームである。

 対する関大は、主将・大屋を始め選手たちはハッキリと「全国の舞台で勝負する」と話し、チームとしてもその意識が高い。目標が全国にある以上、関西で情けない試合はできないという想いも強いだろう。

 試合結果は1−1のドローだったが、関大が強いことが誰の目にも確認された試合だった。立命館にサッカーをさせず。攻めまくり、押しまくった。ただ、上述したように決定力に欠けた。サッカーの試合でしばしば観られる、押しまくっておきながら一発に沈む、まさにその展開だった。幸い引き分けで終わったが、前半25分の大屋のスーパーゴールが無ければ危なかった。

 この試合は、両チームそれぞれに手応えがあった。関大はチーム戦術に間違いはないという確信。立命は粒揃いの新入生の中から、いきなり伊藤が結果を残した点である。


(関西大) (立命館大)
GK: 三橋 GK: 鈴木
DF: 田中、小坂、平野、佐藤(祐) DF: 前野、畑、長谷川、佐藤
MF: 藤澤、西岡、大屋、稲垣→森 MF: 山口、有田、福本→篠原、是井→加藤
FW: 西口→金園、佐藤(悠)→中村 FW: 宮尾、玉林→伊藤


【同志社大vs.京都産業大】

 この試合は、セレッソ大阪のホーム、長居スタジアム開催。芝も美しく、スタジアムの器ももちろん最高。試合前に選手に尋ねても、嬉しいという反応だった。いろいろと制約や障壁があるのは承知だが、それでもJリーグ開催スタジアムで試合する機会が増えればと願う。

 京都産業大(以下、京産大)はエース日下が卒業したものの、主力は残った。各ポジションに穴もなく、ハードワークのできるチーム。後は、去年の、カウンターから日下のゴールというパターンに変わる型を作れるかがチームの成績にダイレクトに反映される。同志社は去年のレギュラーメンバーがそのまま残った。前週の京都学生選手権で優勝しており、完成度が高い。同志社の主力目当てにJリーグのスカウトも全国から数人訪れていた。

 その同志社の個人技が全開となった試合であった。相変わらずドリブルとショートパスを織り交ぜた攻撃は冴えており、京産大をパスで崩してから2点を奪取した。この日の京産大のサッカーは悪くなかった。ピッチを広く使う狙いは90分間徹底されており、時折集中の途切れる同志社から決定機も作り出した。無得点に終わったものの、後は、そこで叩き込む選手が現れるかどうかである。

 快勝を収めた同志社だが、試合後すぐに選手だけのミーティングを開いた。学年に関係なく意見をぶつける姿は、彼らの精神面の成長を観た気がした。


(同志社大) (京都産業大)
GK: 川原 GK: 吉田
DF: 林、永戸、森本、井上 DF: 笠原、吉川、馬場、濱田
MF: 大森、楠神、荒堀、徳丸→深山 MF: 櫛田、金本、篠崎→小笠原、藤原→赤堀
FW: 市川→角島、北森→飯島 FW: 重松→宮脇、木付
【その他の試合結果】
桃山学院大2−0姫路獨協大
びわこ成蹊スポーツ大2−1近畿大
関西学院大0−0阪南大
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