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 関西蹴球だより 08/11/12 (水) <前へ次へindexへ>
攻める大体大(緑)とプレッシャーをかける武庫女(ピンク)

 インカレ出場は、大体大・武庫女・大国大!
 2008年度関西学生女子サッカー秋季リーグ 最終節

 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ
 昨年と比べて、各チームの力関係に変化が生じている。
 常勝・大阪体育大学(以下、大体大)は、安定感はあるものの、圧倒的な強さには欠けている。2位に甘んじ続けている武庫川女子大(以下、武庫女)は、4学年すべてにタレントが揃い、特に中盤に好素材が揃った。そして、大躍進をした大阪国際大学(以下、大国大)は、サッカー経験者をスタメンに並べることが出来た点で、既に他チームにとって楽な相手ではなくなっていた。大国大の躍進はサプライズでも何でもなく、春先から予想出来た順当な結果である。

 リーグとして底上げされている点は喜ばしい。来年以降は更なる参加大学も見込まれ、関西の女子高校サッカーシーンで活躍した選手が各大学に入学するため、個々の質も上がる。じわりとだが、右肩上がりの関西学生女子サッカーリーグ。今後、大体大の優勝が約束されない時代が来た時、本当のレベルアップが成されたと評価しても良いだろう。



【大阪体育大vs.武庫川女子大】

 今シーズン、怪我人や教育実習の事情はあったものの、ポジションを固定せず、コンバートを繰り返し、ベストの布陣を模索して来た武庫女。この試合では、主将でテクニックに定評のある島津をFW起用。島津は今季CBからCFまで、センターラインを全て経験している。ただこの試合は大きな怪我からの回復途上であり、ハイパフォーマンスを期待するのは酷だった。それでも、怪我上がりの島津のトップ起用は、攻め勝つためのメッセージとしてチームメイトには伝わったはず。

 大体大は想定されるベストに近いメンバー。独特のリズムで攻撃に変化を与える中川をあえてベンチスタートさせたが、それも「コンディションなどを考慮して。」(大体大・石居監督)と明確な理由があった。

 引き分け以上で大体大の優勝が決定するという条件下で、覇を競う試合のキックオフの笛が鳴った。武庫女は、2トップがフィニッシュを担うというより、パスセンスやゲームの組み立ての能力に加え、得点力までも兼備する中盤の4枚がシュートを放つ攻撃パターン。ただ、大体大の最終ラインの守備力は今年も高く、決定機は作らせない。シュートを打たれたというより、打たせて終わったといイメージが強かった。だが、その大体大も、今年はまだ攻めのパターンが確立されておらず、有効な崩しは見せられず。

 試合は後半に動くことになる。攻撃にアクセントを付ける中川を投入した大体大が攻撃のテンポを上げる。中川投入のわずか3分後の後半9分(40分ハーフ)に先制点が生まれる。左サイドを中川が個人技で突破。武庫女DFを引き付けてFW前田にラストパス。ノープレッシャーで前田がシュートを沈め、大体大が優勝に大きく近付く。

 その後は引き分けでも優勝の大体大に対して、2点が必要となった武庫女の強引な攻めが目立つばかりで時間が経過。終了間際にDF藤本が追加点を決めて、大体大が女王の座をキッチリと守った。

 先にあるインカレを見据えてチーム作りをしている(と表現すると、必ず石居監督に否定されるのだが、間違いないと確信している)大体大だが、どこまで完成度を高められるか、見所である。去年より弱いと言い切れるチームだが、勝つ術は知っているはずだ。


(大阪体育大) (武庫川女子大)
GK: 柴田彩佳 GK: 大下佳織
DF: 浦上奈津子、藤本加奈恵、酒井望、塩川美樹 DF: 石本美佳、原田靖子、中上友里恵、宮脇加奈
MF: 喜代原歩(61分/泊志穂)、末田恵理、白井希生子(46分/中川理恵)、松下亜紀 MF: 三宅由真、平井咲奈、櫻間裕美、井上新菜
FW: 前田恵理子、山内典子 FW: 島津翠、西尾瞳


激しい競り合いを見せる大国大(青)と立命館(臙脂)
【立命館大vs.大阪国際大】

 まだまだムラのある大国大だが、攻め勝ってしまうだけの底力は備わっている。完全に攻めありきのチームで、短距離ランナーの如きサッカーを披露する。立命館としては、耐えて堪えて後半勝負が唯一の勝ちパターンだっただろうが、一瞬にしてその可能性が消える。前半開始早々の1分に、大国大のMF広山がサイドを突破してクロス、ゴール前でFW竹田がボレーで合わせて電光石火の先制を挙げた。

 この試合は、大国大の右ワイド広山がキレキレ。立命館の左サイドを抉り続けて、DFを崩壊させていた。17分にもDF井澤のゴールで加点した大国大は、19分に立命館のFW増田に1点返されるものの攻め続けた。後半も開始3分で竹田がミドルを決めて、完全に勝負あり。気候的に涼しくなった事も手伝い、大国大の悪癖である運動量の低下もあまり目立たず。広山とMF佐々木が個人技で加点し、5−1の完勝を飾った。

 初のインカレを戦う大国大にとって、まずは経験が財産になる。次に得点、次に勝ち点とスモールステップで成長すれば良い。今季は、インカレ出場が至上命題だっただけに、全国の舞台をまずは楽しんでもらいたい。竹田主将も「自分たちをライバルと思って戦う。」と語ってくれたが、その通りだろう。

 練習時間があまりに少ないため、運動量=ゲーム体力が大きな課題にはなっているが、急激には改善出来ない。まずは出来る事、攻撃サッカーからのスタートである。来季、高いレベルのサッカー経験者がまた入部して来てレベルアップが確実なだけに、伝統の足掛かりを作れた今季の意義は大きい。

 立命館もインカレへは、プレーオフの道が残されている。関西の勢力拡大のために、自分たちのために4校目の出場チームとなってもらいたい。


(立命館大) (大阪国際大)
GK: 村上遥 GK: 北口奈留美
DF: 関宏美(72分/平原美穂)、菅原温子、井ノ口茉莉、 DF: 井澤悠子、森彩耶、三ヶ田亜美、緒方潮音
MF: 赤川いづみ、前川恵理奈、田中淳子、田中優子、鈴木暁絵 MF: 栗山はるか、広山美沙、佐々木理紗、高田侑季
FW: 増田好美、園田祥恵 FW: 竹田亜希子、中村早紀(41分/小山綾子)


【1部最終順位】 【2部最終順位】 【個人賞】
1 大阪体育大 1 京都文教大 得点王; 平井咲奈(武庫川女子大) 9得点
2 武庫川女子大 2 和歌山大 アシスト王; 該当者なし
3 大阪国際大 3 大阪市立大 新人賞; 井上新菜(武庫川女子大)
4 立命館大 4 神戸女子大 優秀賞; 井上新菜(武庫川女子大)
5 大阪教育大 5 兵庫教育大 平井咲奈(武庫川女子大)
6 京都教育大 6 奈良教育大 藤本加奈恵(大阪体育大)
7 大阪芸術大 前田恵理子(大阪体育大)
塩川美樹(大阪体育大)
高田侑季(大阪国際大)
松本侑貴奈(京都文教大)
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