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| 関西蹴球だより 09/01/07 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
| 新しい歴史を刻んだ大国大 |
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大体大の勝負強さ、大国大の幕開け 第17回全日本大学女子サッカー選手権大会 グループリーグ第3戦 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ |
今年度から、年明けに開幕となった女子インカレ。男子インカレは完全なトーナメント戦に方式の変更があったが、女子はまずグループリーグから入る方式を今季も採用。4つのグループに、各4大学が振り分けられた。
かなりの実力差もあり、事前にある程度の展望は出来たが、勝ち残り以外にもそれぞれの大学が目標を持ってこの大会に望んだ。取材したグループリーグ最終日を前に、関西から出場している武庫川女子女子大学と大阪国際大学(以下、大国大)の敗退は決まっていた。唯一、大阪体育大学(以下、大体大)が勝ち抜けの目を残した状況。3大学を1日で取材することは、スケジュール上不可能なので、大国大の全国初挑戦と、大体大の運命の3戦目を追った。
【大阪国際大学vs.中京女子大学】
先の2戦で、無得点での敗戦を喫している大国大。この試合は、勝ちも欲しいものの、まずは得点という歴史を刻みたいところ。横山監督も「全国を経験するだけで貴重。少しずつステップアップしたい。」と謙虚に語り、この試合を選手たちの自発性に委ねた。
選手たちも良い意味でリラックスしてゲームには入ったが、同等の力であろう中京女子相手になかなか自分たちのサッカーが出来ない。中京女子はプレーオフを制し、最後の枠でインカレに入って来ており、大国大には勝つチャンスもある相手。しかし、中京女子は、この大会の常連でもあり、慣れの面では上回っていた。
大国大らしいサイドアタックを繰り返し仕掛ける展開が続くが、研究されていたのか、キッチリと蓋をされて、仕方なくボールを後ろに下げる場面が続く。それが目に見えないフラストレーションとなり、リズムを崩してゆく。そして前半7分(40分ハーフ)に、右からのクロスを簡単に押し込まれ失点してしまう。その後も五分五分のゲーム展開ながら、決定機は中京女子に訪れる。ゲームの勘所を知っていると言えようか。23分にも混戦から追加点。
前半を力んだまま過ごしてしまった大国大だが、ハーフタイム、自分たちで修正ポイントを話し合い、何をすべきかの確認を行った。それが実ったのか、後半は、積極的に前に出るプレーが続き、MF佐々木や高田がピッチをワイドに使う余裕も出て来る。
そして、待ちに待った全国大会初得点が生まれたのが、後半29分。中京女子が前掛かりになった瞬間にクリアボールが敵陣に落ちる。いち早く追い付いたのが、主将でありFWの竹田。「心臓がバクバクしていた。」と後述してくれたが、50メートルを独走し、GKの脇を抜いた。新たな歴史の幕開けである。
試合は、最終的に1−3で落としたが、選手は、更に上へと意識転換していた。来季は能力の高い新入生が各ポジションに入って来る。より高い競争の中で、より高いレベルのサッカーを、大国大の躍進が始まった。
(大阪国際大学)
GK 瀧本かなえ
DF 井澤悠子、緒方汐音、森彩耶、三ヶ田亜美
MF 佐々木里紗、高田侑季、有村幸(60分→栗山はるか)、広山美沙
FW 中村早紀(52分→石伊真由美)、竹田亜希子
【大阪体育大学vs.神奈川大学】
勝負強さを発揮した大体大
このグループは、大体大の神奈川の一騎打ちが予想され、まさにその通りとなった。そして、初戦・2戦目での得失点差が有利不利を決める要素であったが、上回った状況で直接対決を迎えたのは神奈川だった。つまり、最終戦の直接対決において、神奈川は引き分けでも勝ち抜け、大体大は勝利のみが義務付けられた。
スタッツや試合内容を観ても、まさに互角の力量だったと言える。それでも、最後は勝者のメンタリティーが大体大に微笑んだ。
試合は、勝ちしかない大体大が素早いプレスで神奈川を苦しめる展開から始まる。そして大体大はファーストチャンスをしっかりモノにした。左から展開し、MF中川、FW前田が絡み、上手くフリーになったMF喜代原がしっかりとGKを抜く。これで形勢が一気に逆転。神奈川には絶対に1点をもぎ取る必要が生じた。
サッカーとは判り易いもので、ここから神奈川のゴリ押しが始まる。どちらかと言えば、タテに急ぐ感もある攻めだったが、それでも大体大を押し込み、CKを連取する。左サイドからのCKを立て続けに4本蹴った神奈川に、運が味方する。大体大に弾かれ続けたが、遂にフリーの選手の前にルーズボールがこぼれる。一閃されたシュートによって、タイスコアに戻る。ここからは、お互いに激しくもフェアに競り合う、内容の濃いサッカーを展開したが、決定機は訪れず。
後半も一進一退の流れが続くが、勝たなければいけない大体大の意地が少しずつ上回る。後半15分に前田が決定機を外すが、この辺りの時間帯から、アーリークロスを上手く活用し始める。神奈川が引き分けで良しとして、時間を使い始めたため、精神的にも大体大に流れが来る。大体大唯一の攻めのカードであるワイドアタッカー山内を投入してからは、形勢がハッキリと傾き始めた。
残り5分のところで、前田のシュートがGK正面、山内のヘッドがポストを叩いた時には、運に見放されたかたとも思えたが、本来クリエイティヴな選手である中川が最終学年の"根性"を発揮する。右サイドでボールを受けるとドリブルで突破を繰り返し、チャンスを創る。そして終了2分前。中川が右で2人のDFを料理して、前田へ優しいラストパス。「今日は、決定機を外しても気落ちしてなかった」という前田がしっかりと蹴り込み、勝負あり。大体大が準決勝に進出した。
去年と今年で、少しサッカーのスタイルは変わったが、それでも大体大の強さを支える根本は不変である。派手なテクニックな無くとも、しっかりとしたフィジカルとコーディネーションで競り勝つ。そしてトランジッションの速さは特筆すべきもので、相手に自由を与えない。
簡単には失点しない強みがそこにはある。準決勝は強豪・早稲田。爆発的な攻撃力と安定した守備を誇る相手に、いかにしぶとく立ち向かえるか。石居監督は、いつも通り、「自分たちのサッカーで。」と短く締め括られた。相手に合わせない大体大らしさが今年も国立への道筋を立てるか。
(大阪体育大学)
GK 柴田彩佳
DF 酒井望、藤本加奈恵、浦上奈津子、塩川美樹
MF 末田恵理、中川理恵、松下亜紀(79分→村松千萌)喜代原歩(61分→山内典子)
FW 泊志穂、前田恵理子
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