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 頑張れ!女子サッカー 06/01/22 (日) <前へ次へindexへ>
2ゴールを挙げた早稲田大が決勝へ。

 早稲田大、神奈川大を雨中の消耗戦で破る。
 第14回全日本大学女子サッカー選手権大会準決勝 神奈川大学vs.早稲田大学体育局ア式蹴球部女子
 取材・文/西森彰
2006年1月14日(土)13:30キックオフ 国立西が丘サッカー場 天候:雨
試合結果/神奈川大学0−2早稲田大学体育局ア式蹴球部女子(前0−1、後0−1)
得点経過/[早稲田大]渡辺(23分)、深澤(57分)


 東京女子体育大学に続き、決勝への、コクリツへの切符を掴むのは、関東第3代表の神奈川大学か、それとも関東第4代表の早稲田大学体育局ア式蹴球部女子か。大阪体育大学の3位表彰式終了後、第2試合が行なわれた。



 全日本女子サッカー選手権では、アルビレックス新潟レディースに1対5と破れたが、試合内容自体はスコアほど悪いものではなく、その底力を垣間見せた神奈川大。しかし、鎌田俊司コーチによると、この頃からチーム状態は下り坂に入っていたらしい。

ブラスバンドが登場した早稲田大。
見ているだけで風邪をひきそうな神奈川大のチアガール。
「ちょうど全日本女子選手権の頃です。ケガ人が増えてチームコンディションが下がってきていました。神戸の予選リーグでは、既に試合内容を問えるような状態ではなく、選手たちにも『とにかく結果を残そう』としか言えませんでした。日体大がグループリーグで負けたことや、第1試合で大体大が負けたことなんかは、気にしていられる状態ではありませんでしたね。とにかく自分たちのことで頭が一杯でした」(鎌田コーチ)

 シーズン終盤ということもあって、主力選手はベストコンディションに遠かった。4年生の最後の大会への想いに賭けるか。それとも、試合経験の少なさに目を瞑って下級生を出すか。どちらをとってもリスクはある。鎌田コーチも迷った。そして裏目を食った時に後悔が小さい、いつもどおりの選手起用で臨んだ。



 100%には程遠いチームコンディションの神奈川大は、翌日の決勝戦など考える余裕はなかった。目の前の試合にベストを尽くす。キックオフから前に出た。右サイドの鈴木麻友を起点に、堀田えり子、松岡実希らがゴールを狙う。5分、10分、15分…。神奈川大のラッシュが続いたが、それでも早稲田大のガードは固かった。

「ピッチがそれほど傷んでいないので、まずは自分たちのサッカーをしよう。ただし、雨が降ってきてピッチが悪くなるようであれば、リスクを背負わないサッカーをしよう。そして不用意な横パス、そしてバックパスは絶対にしないように」

 堀飯豊監督から指示を受けていた早稲田大は、まずは相手の攻撃を弾き返すことに専念した。クリアボールはなるべく神奈川大の両サイドハーフの後方に蹴り返し、苦し紛れに蹴った中央へのボールには、必ず誰かがプレッシャーをかける。パーフェクトにできたわけではない。それでも失点しないくらいには踏ん張った。

 そして23分、右サイドバックの後藤史から前線へ。ユニバーシアード・イズミル大会に参加していた渡辺夏奈が、前がかりになった神奈川大の守備の逆手を取った。マーカーが寄せ切る前に落ち着いてゴールに流し込む。早めに勝負を賭けた神奈川大だったが、先制したのは早稲田大。勝敗は事実上、ここで決した。

 第2試合から強まった雨が、傷んだピッチを少しずつ泥田に変えていく。彫り監督は「神奈川大のほうが、この状況は有利なのでは」と思ったそうだが、実際にはチームの仕上がり状態で大差がついていた。57分にセットプレーからの混戦を深澤歩美が押しこんで2対0とすると、残りの30分あまりは一方的な早稲田大ペースに終始した。



神奈川大の猛攻を、全員で守る早稲田大。
雨の日の敗戦が、後輩たちの財産になる。その積み重ねが伝統。
「前半20分間を凌げたのが一番大きかったです。自分たちはどこかで得点を取れるとは思っていましたが、同時に相手にもやられそうだったので。後半のセットプレーでの得点は予想外でした。(セットプレーでは)大学の上位チームやL・リーグのチームからは、全く取れていなかった。ウチは展開から取るチームなので」

 堀監督以下、早稲田大は、縦に速い神奈川大のサッカーにやられないよう、走りこみにも力を入れた。そして「とにかくがんがん蹴って、がんがん走ってもらうように頼んだ」高校男子チームとのトレーニングマッチも生きたし、土日に連続でゲームを組んできたことも持久力の向上につながった。相手の状態が良くなかったのは事実だが「ここ最近は神奈川大に勝つことだけを考えてきました」(堀監督)という、早稲田大の執念が実った一戦だったと言えよう。

 勝つ者あれば敗れる者あり。神奈川大の鎌田コーチは「正直、昨年は準決勝の舞台に舞い上がってしまったところがあったかもしれません。でも、今日は私も落ち着いてゲームを見守ることができました。結局、こういうのが経験なんでしょう」と呟いた。コンディション不良に泣いた今大会を戦いながら、勝てるゲームを落とした昨年のことが脳裏を掠めたかどうか。

 このゲームを最後に引退していく4年生たちの姿には感無量。「彼女たちが入学した時には4年生がいませんでした。今日、こうやって中心選手の4年生が抜けていく。その涙を見た下級生たちが何かを感じて、それを来年以降につなげていければと思います」。そうやって伝統は作られていく。なでしこジャパンの矢野喬子が中心になるであろう、来年の新チームに期待したい。


(神奈川大学)
GK: 住田淳
DF: 稲葉彩衣里、杉田香、伊久間鮎子、岩田美之里(H.T/横山起永)
MF: 鈴木麻友、福田沙矢香(70分/小林菜摘)、矢野喬子、虎尾直美、
FW: 堀田えり子、松岡実希

(早稲田大学体育局ア式蹴球部女子)
GK: 岸星美
DF: 後藤史、深澤歩美、山本りさ、武末彩子(78分/近藤絵梨佳)
MF: 藤本知恵、松長佳恵、河田優(85分/森菜々子)、堂下弥里
FW: 渡辺夏奈、佐藤衣里子




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