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| 頑張れ!女子サッカー 06/05/20 (土) | <前へ|次へ|indexへ> |
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なでしこのサッカーシーンが、いよいよ始まる!! モック なでしこリーグ2006 開幕直前特集(後編) 取材・文/西森彰 |
ジェフユナイテッド千葉の本拠地・フクダ電子アリーナで行われた、なでしこスーパーカップには、前年度のリーグチャンピオンであり、全日本女子サッカー選手権女王であり、岡山国体優勝を飾った日テレ・ベレーザと、TASAKIペルーレFCが出場した。ともになでしこジャパンの選手を多く抱える両チーム。当該週の火曜日まで、代表合宿に参加していた選手が多く、チーム作りの点では出遅れている。
日テレはもともとエンジンのかかりがそれほど良くないクラブだが、それは毎年、全日本女子選手権で山のてっぺん近くまで行くため、オフに入るのが遅いから。特に今期は、春先から、U-19代表のアジア予選で選手を抜かれ、なでしこジャパンにも選手を抜かれ、ケガ人の復帰も遅れた。紅白戦どころか、ミニゲームもできない状況がしばらく続いた。
コンディションが悪かったために、いつもの流れるようなポジションチェンジが影を潜めた。コンビネーションも今ひとつ。公式スタッツに残っているのは、大野忍の5本、澤穂希と荒川恵理子が各2本と、シュートは前目の3選手に限定された。いつもの分厚い攻撃が見られなかったことが、数字の上からも証明されている。
圧倒的な得点力を誇ったチームが完封負けを喫した。昨シーズン、無敗だった女王も、無敵でないことが証明されたのだ。
日テレの連勝記録にストップをかけたTASAKIも、なでしこに主力メンバーを抜かれたのは同じ。しかし、こちらは大谷未央、磯崎浩美が先発したものの、所属選手の出場時間合計では、日テレの選手たちの半分以下だった。試合に飢えた選手が多かった。
虎の子の1点を挙げたのは、力のいるピッチコンディションのKK WINGでも起用されなかった鈴木智子。そしてそれを守り抜いたのは、山郷のぞみのケガで空いたポジションを福元美穂と争い、敗れてベンチに回されていた秋山智美。MVP級の活躍を見せた秋山は、昨シーズンの同カードで自分のミスからロスタイムに決勝点を奪われ、シーズンの趨勢を決めてしまっていたから、この日の勝利は人一倍嬉しかったに違いない。
企業チームの理念を貫いたため、短期的な補強ができず、これまでも選手層の薄さに泣いてきた。三冠をとった2003シーズン前後から、女子サッカー部の練習時間も削減され、1日サッカー漬けという生活は望めなくなってきている。女子サッカーの活性化に伴う補強合戦が過熱化し、ここ2、3年で3人のボランチ(川上直子→日テレ、早坂優→TEPCOマリーゼ、柳田美幸→浦和レッズ・レディース)が他チームに移籍している。
そんな逆風の中で、最大のライバルから奪った白星は本当に価値がある。互いに手探りの段階で見舞った先制パンチ。それは、シーズンを戦う上でも自信になるはずだ。
そんな2強を追う第1候補は、一昨年の覇者である、浦和レッズ・レディースだろう。今年の新戦力は、なでしこジャパンの柳田、柴田里美。神奈川大学で矢野喬子の1年先輩に当たる百武江梨も、U世代で日の丸をつけた経験がある。恵まれた練習環境、そして代表クラスの選手をプロ契約で補強…。その「J」のやり方には、「L」の世界で反発も受けるだろうが、選手の待遇改善という点では大きな前進。
昨年は慌しいチーム移管、初めての追われる立場などに浮き足立って、力を出し切れずにBクラスへ転落した。しかし、ポテンシャルそのものは高く、開き直って原点のリアクションサッカーに意思統一した全日本女子では、復調した姿を見せた。今年は永井良和新監督を迎え、失地挽回を期す。
3名のプロ契約選手とさらに複数のなでしこ経験者を擁し、有料化したホームゲームでは多くのファンが後押しをする。これで成績が下がるようなことがあったら、嘘だ。
上記3クラブは余程のことがない限り、上位リーグに参加するだろう。混戦なのは残りの5つ。どのクラブにも、上位リーグ入りの可能性があるし、降格の恐怖を拭い去ることもできない。大まかだがタイプ別に分けると、前年までのチームをベースに戦う東京電力女子サッカー部マリーゼ(以下TEPCO)、岡山湯郷Belle、スペランツァF.C.高槻と、変化を起こした伊賀FCくノ一、INACレオネッサという図式になる。
その中で一歩リードしているのは、やはりTEPCOだろうか。浦和同様、潤沢な資金と環境に恵まれている。また、経験豊富なベテラン主体のチームが、昨年、今年と若手の成長株を補強することに成功。年齢構成もバランスが取れてきた。伊賀FCくノ一から移籍した宮崎有香のような即戦力ばかりではないが、今後の伸びしろは大きい。前年同様、大きな声援が後押しをすれば、2年連続のAクラス、それ以上も可能だ。
岡山湯郷は、国体を終えた後に残された地元クラブ。「ストーブリーグでは草刈場になる」という見方が大勢を占めていたが、蓋を開けてみればほとんどのスタッフ、選手が残留した。もちろん福元や宮間あやなどには、移籍の誘いもあったはずだ。「地元の期待を裏切ったまま、ここを出て行けるか」。彼女たちの意地がそうさせたのだろう。一昨年は国体で3位、昨年は全日本女子で3位。若いチームへの期待値は1年ごとに大きくなる。
高槻は、ディビジョン2を含めても運営資金の少なさでは、5本の指に入る。そんな環境下でもプレーを続ける選手たちが主力を形成した大阪府女子代表は、国体3位の快挙を演じた。当然のように、今年も客観的最大目標は残留になる。中心選手がほとんど変っていない点は、上積みが少ない代わりに大崩れもなさそう。ひとりひとりの能力は高く、残留の可否は、補強を進める相手との力関係になってくるだろう。
宮本ともみが帰ってきた伊賀。江川前監督からバトンを引き継いだ谷由実監督だったが、早速、恒例の地元プレシーズン大会、忍びの里レディーストーナメントで数年ぶりの優勝を飾った。原歩、藤村智美、宮崎らが去った穴は大きい。しかし、バニーズ京都から移籍した小林恵、そして大学リーグで活躍していたゲームメーカー・四宮由美子や、スピードあるサイドアタッカー・鈴木麻友ら、新加入選手のポテンシャルも高い。戦力的には「行って来い」。戦術が予想以上に早く浸透すれば、もちろん優勝争いが望める。
ディビジョン1に昇格してきたINACレオネッサも、昨シーズンに行った練習試合などのスコアを考え、大型補強に踏み切った。伊賀から原、藤村、そして韓国代表の李珍和。ブラジル人選手も2人が残り、頭数は揃った。伊賀と同様、こちらも懸念されるのはチームの完成度。早い段階で、個々のパーソナリティがチームにフィットすれば躍進も期待できそうだ。
ディビジョン1昇格を目指して戦うディビジョン2は、今年から加わった福岡J・アンクラスを入れて8クラブ。無条件昇格の優勝、そして入れ替え戦進出の2位を目指して、3回戦総当りの21試合を戦う。
昨シーズン降格した宝塚バニーズレディースSCが、本拠地を京都に移転し、バニーズ京都SCとして再スタートを切る。昇格を争う最大のライバル・アルビレックス新潟レディースの監督を昨年まで務めていた、牛浜真氏が新指揮官。ディビジョン2で昇格を2年連続で争った、その経験が選手たちのポテンシャルとマッチすれば再昇格が見えてくる。
そして新潟も東京女子体育大学のディフェンスラインを統率し、インカレ準優勝の立役者のひとり・井上光保や、武蔵丘短期大学の上尾野辺めぐみなど、大学リーグの有望株が加入。新監督には元Jリーガーの鳴尾直軌新監督が就任。3年越しの悲願達成をかけて今シーズンに臨む。やはり、元Jリーガーの上村崇士監督率いる、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの、Jリーグ系クラブ対決も楽しみだ。
昇格争いは上のふたつのクラブを中心に展開されるはず。これをディビジョン1経験のある大原学園JaSRAやASエルフェン狭山FCらがどのように絡んでくるか。新加入の福岡J・アンクラスもプレシーズンマッチで見る限り、チームの完成度は高そう。清水第八スポーツクラブや、ルネサンス熊本FCらもズルズル黒星を重ねる気はないだろう。
ディビジョン1、ディビジョン2とも開幕は5月21日(日)。ゲームが催行されるスタジアムも大幅に良化している。ワールドカップ期間中も続く、なでしこリーガーたちの戦い。ぜひ、読者諸兄も注目してもらいたい。
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