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| 頑張れ!女子サッカー 06/07/29 (土) | <前へ|次へ|indexへ> |
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なでしこジャパン、オーストラリアに破れ、3位決定戦に本大会出場を賭ける。 文/西森彰 |
AFC女子アジアカップ2006準決勝 なでしこジャパン(日本女子代表)vs.オーストラリア女子代表
2006年7月27日(木)16:30キックオフ ハインドマーシュスタジアム 観衆:4,000人 天候:晴れ
試合結果/日本女子代表0−2オーストラリア女子代表(前0−2、後0−0)
得点経過/[オーストラリア]シェパード(10分)、ピーターズ(45分)
勝てばこのAFC女子アジアカップ2006のファイナリストになるのはもちろん、文句なしの女子ワールドカップ本大会出場が決定する。なでしこジャパンこと日本女子代表と、カンタス・マチルダスことオーストラリア女子代表が、そのふたつを賭けてぶつかった。20,000人収容のハインドマーシュスタジアムに観客は僅かに4,000人。しかも、そのほとんどが所謂「お客さん」で、声援の大きさではむしろ遠路はるばる駆けつけた日本のファンが上回っている。これならアウェーの不利などないに等しい。
これまで行われた4大会の全てに出場している日本は、ここですんなりと5大会連続出場を決めたい。永里優季と2トップを組むパートナーが大谷未央から大野忍へ変っただけ。4日前の中国戦とほぼ同じメンバーだ。中盤の底に中岡麻衣子が座る、4−3−1−2のシステムだ。高さ対策を含めて失点をしないことにプライオリティを置いた布陣は、やはり決勝トーナメントを強く意識しているのだろう。
一方、ホストカントリーのオーストラリアもDF登録の選手が5人先発する4−4−2。オーストラリアにDF登録の選手は6人いるのだが、グループリーグ最後の2戦で180分間プレーした選手は皆無。MFも同様だ。トーマス・サーマニ監督が一番重要なセミファイナルのゲームで足が止まらないように、選手たちのローテーションに気を遣っていたのではないだろうか。敵の布陣を眺めると、消耗戦となった中国戦に、フル出場している選手が多い日本の疲労が気にかかる。
デコボコの芝状態、そして西が丘サッカー場での対戦で食らったチェイシングからの2失点。そういったものをケアしていたのだろう、日本の最終ラインはセーフティーファーストな戦いを選択した。そのためか、弾き返した後のボールがなかなか中盤の選手たちに収まらない。ハインドマーシュスタジアムのピッチをボールが大きく行き来する。
そして、前半10分という速い段階でスコアが動く。オーストラリアが左サイドを破ってセンタリングを上げる。一度は中央の混戦を凌いだ日本だったが、浮き球の処理を焦ったDFがフリーのボールをヘディングでクリア。これを奪ったシェパードがグラウンダーのシュートを放つと、ゴール前でムノースがチョコンと足を出して方向を変える。GKの福元美穂にはノーチャンス。絶対にやってはいけない先制点を奪われた。
昨年は2失点の後に4得点を奪って、オーストラリアに逆転勝ちしているのだから、日本は焦る必要は全くなかった。15分、柳田美幸のボールを下小鶴綾が折り返し、大野のヘディングシュート。決定的なチャンスだったが、運悪く相手GK・バービエリの体に当たってしまう。さらに宮間あやのショートコーナーから安藤梢がシュートを放つが、これも枠の外。形はできている。後はこれを続けていくだけだ。
しかし、これが連戦の疲労なのだろうか。日本にはサイドを突く意識が欠けて、単純に縦一本での勝負を繰り返しては、オーストラリアのディフェンスに引っかかる。宮間のスルーパスに呼応した澤穂希が出したパスには、僅かに大野が追いつけず、カウンターで抜け出した永里優季のシュートはバーの上を越えていく。僅かずつ歯車が狂いだしていた。
そんな日本に大きなダメージを追わせる追加点は、前半のロスタイム。マッカラムが蹴った右CKのボールを、福元が一度は両腕で抑えながら、着地の瞬間に敵味方の選手と交錯してファンブル。これをオーストラリアがつないで、最後は10番のピータースが蹴り込む。中国戦まではほとんど完璧なセーブを見せていた福元の落球から生まれた失点。ハーフタイムの笛とともにベンチへ引き上げる澤。厳しいマークに手こずり、その表情は険しさを通り越して青白い。
15分間の休憩を終えた両チーム。日本の大橋浩司監督は早めの交代策をとる。宮間と中岡を下げて、阪口夢穂と酒井與惠を投入。ウイングバックにするとともに、酒井と柳田がダブルボランチに入ってゲームを作り、ウイングバックの位置に上がった安藤と澤、阪口、さらには永里、大野と得点力のあるシューターを前に連ねる。2点差を追うには、こうするより仕方がない。
これに対してオーストラリアは、深めにラインを敷いてリトリートしてきた。攻撃はほとんどカウンター一本に絞る。1枚、2枚剥がしても、高く分厚い壁はなかなかこじ開けられない。そして前がかりになった分、最終ラインはオーストラリアのFWと1対1の勝負を強いられ、苦しむ。何しろ、今大会、日本のDFラインはほとんど出ずっぱりで戦っているのだ。
カウンターを浴びながら2点差を追いかけるなでしこたちにも焦りの色が濃くなってきた。強行軍をこなしてきた割には、走力でオーストラリアを上回り、削りあいの中からこぼれてくるルーズボールも3本のうち2本を拾う。だが、ゴールは遠い。最後は気持ちだけで戦っていたオーストラリアから、どうしても得点を挙げることができずに、試合終了のホイッスルを聞いた。
先発メンバー全員が、中国戦の時のようにフレッシュな余力を残した状態で戦っていれば、勝てたゲームだった。ふたつの失点はもちろん、相手にボールを渡してしまったところまではミスだったが「シュートに身を投げ出せていれば防げていた」とはチーム全員の認識。そこで咄嗟に体が動かなかったことこそ、体調不十分だった証拠ではないだろうか。
外野の人間のたわごとになるが、チームのピーキングをミスしたように思われてならない。対中国戦9年ぶりの勝利。その意義は大きいのかも知れないが、大会を戦う上でそこまで勝負に拘るゲームだったのか。この内容での敗戦を受けて、改めて疑問が頭をもたげてきたグループリーグ最終戦の戦い方だった。
それでも中国が北朝鮮を負かしてくれたために、3位決定戦で再びチャンスが巡ってきた。しかも、試合終了後に起きた乱闘騒ぎを受けて、北朝鮮は3選手が出場停止処分を受けている。登録選手数が他のチームよりひとり少ない19人の北朝鮮にとって痛い裁定であり、日本にとってはこの上ない追い風となるだろう。
言いたいことはたくさんある。しかし、まずはとにかく、先人が苦しい状況下で連ねてきた連続出場の灯火を守ろう。必ずや本大会の切符を手土産にして、日本へ帰って来い!
| (日本女子代表) | (オーストラリア女子代表) | |||||||
| GK: | 福元美穂 | GK: | バービエリ | |||||
| DF: | 安藤梢、磯崎浩美、下小鶴綾、矢野喬子 | DF: | デービス、スラティア(60分/マクシェイ)、サリスバリー、ガリオック | |||||
| MF: | 宮間あや(H.T/阪口夢穂)、中岡麻衣子(H.T/酒井與惠)、柳田美幸、澤穂希 | MF: | マッカラム(83分/ファーガソン)、アラギチ、シェパード、ピーターズ | |||||
| FW: | 大野忍(75分/大谷未央)、永里優季 | FW: | ウォルシュ(75分/ディバンナ)、ムノース | |||||
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