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| 頑張れ!女子サッカー 06/09/12 (火) | <前へ|次へ|indexへ> |
| 残留へ向けて、直接対決が始まった。 |
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INAC、L1初勝利。残留争いは史上空前の混戦へ。 mocなでしこリーグ・ディビジョン1 第9節 INACレオネッサvs.東京電力女子サッカー部マリーゼ 取材・文/西森彰 |
2006年9月10日(日)11:30キックオフ 加古川市陸上競技場 観衆:343人 天候:晴
試合結果/INACレオネッサ4−2東京電力女子サッカー部マリーゼ(前2−1、後2−1)
試合経過/[INAC]ゴンサルベス(22分)、米津(35分)、[TEPCO]丸山(44分、46分)、[INAC]渡邉(57分、61分)
INACレオネッサが2点を先行すれば、東京電力女子サッカー部マリーゼ(以下TEPCO)はエース・丸山桂里奈の2ゴールで追いつく。すると、今度はINACの渡邉千尋も負けじと連続ゴールで、スタンドの赤い集団へガッツポーズ。壮絶な打ち合いでスコアは4対2となっていた。
72分、TEPCOは左からのコーナーキックを得る。丸山の2ゴールを産んでいたのはいずれもセットプレーから。反撃には絶好の機会だった。そして、実際に混戦からこぼれたボールは、INACのゴール右隅に転がり込んだかに見えた。しかし、主審、副審の判定は揃って「ゴールキック」。TEPCOの木村孝洋監督が、試合終了後にも抗議したミスジャッジが、ゲームに幕を降ろした。
INACの勝ち点2は、前節、日テレ・ベレーザから奪ったものと、1stレグでTEPCOから奪ったものだ。ホームで痛い引き分けを喫し、残留争いでも勝ち点4差と迫られたTEPCOが気合を入れて加古川陸上競技場に乗り込んできたのは当然だろう。その決意のまま、序盤にペースを掴んでいたのはTEPCOだった。
ゴンサルベスが、カウンターから先制点を挙げる。 宮崎(白・13)も、原、藤村との対決に挑んだが…。 最後まで声援を送り続けたTEPCOのファンだったが・・・。
ところが、ボランチで先発した北郷裕子が故障。10分過ぎに早くもピッチを去る。木村監督は、急遽、本間真喜子を右サイドハーフに入れて、その位置にいた五十嵐章恵を中央で河田優と並べる。布陣変更でペースを奪われるまでには至らなかったが、自分たちが攻めている時間帯に水を差されたことは確かだ。上辻佑実と丸山の2トップがゴールに迫り、交代出場の本間は1対1の好機を得たが、いずれも得点には至らなかった。
対するINACの田渕径二監督は、勝ち点で追う立場にありながら、選手たちに「まずは受け」を指示した。「向こうもウチとのゲームは、厳しい覚悟で臨んでくるはず。最初の20分間は絶対にリスクを犯さないように」。そして、ゲームプラン通り20分を無失点で耐えきると、22分、相手のCKからスピードに乗ったカウンターを開始する。米津美和の長いドリブルから、最後はゴンサルベスがネットを揺らした。
先手を取り、勢いづいたINACは、35分、米津とゴンサルベスが2回に渡るワン・ツーでTEPCOの最終ラインを突き抜けて、2点目を奪う。絵に描いたような理想的展開。L1初勝利が少しずつ近づいてくる。
眼下の敵にあっさり敗退するわけにはいかない。TEPCOもここから粘り腰を見せる。まずは、前半のロスタイム。上辻の左CKに宮崎がヘディングシュート。相手DFのクリアを再び宮崎、これが弾き返されたところに最後は丸山。ハーフタイムを前に1点差に詰め寄る。さらに、後半の立ち上がり早々、再びCKからニアサイドにいた丸山が押し込んだ。
「データからも、前半終了間際の5分、そして後半最初の15分に失点が多いことが、傾向として出ていたので気をつけてはいたんですが…。ポンポンと2点を取ったことで、選手たちに少し隙が出てしまっていました」(田渕径二監督・INAC)。こうして、一度は、振り出しに戻った。
勝負を握るのは次の1点。これを手にしたのはINACだった。57分、ゴンサルベスのCKに、ほぼフリーの渡邉が頭をあわせる。「時間的にも良かったし、コーナーから2本やられた後に、コーナーから勝ち越しゴールを取れた。チームのモチベーションもそれで高くなりましたね」と田渕監督も振り返る、これ以上ない形での勝ち越しゴール。
1点リードの66分、負傷を抱えていた高田玲子が、根本美沙貴と交代で退いたが「背番号1をつけているように、同じ実力を持っているGKだから、信頼していました」(原歩)。この直後に渡邉が加点、2点のリードをもらった根本は、無難にプレーをこなしていく。
その後は選手交代に伴うポジションチェンジに活路を探るTEPCOの反撃にさらされたが、冒頭記したミスジャッジや、本間のシュートを弾き返してくれたポスト、上辻のシュートを阻んだゴールバーなど、ピッチ上にあるいろんな神様を味方につけて、その追撃を封じた。4対2。INACレオネッサ、開幕から9試合目にして、嬉しいL1初勝利である。
長いリーグ戦の中には、多くの運不運がある。今日は、TEPCOに不運が巡ってきてしまった。それでも2点差でのゴール取り消しくらい、まだまだ傷は浅いほうだ。長いリーグ戦のどこかで、サッカーの神様がツキを返してくれると信じて、早く気持ちを次へと切り換えたほうが良いだろう。
今シーズンは、木村監督が世代交代に取り組みながら、多くの新戦力を開幕直後から辛抱強く使っている。若手選手は結果を出すことでその信頼に応えて欲しい。早坂優の戦線離脱は痛いが、丸山に得点感覚が戻ってきたのは朗報だ。次節、ホームゲームの伊賀FCくノ一戦は、絶対に落とせない。
そしてINAC。日テレ戦で3得点、この日も4得点。昨季のL2で平均5点弱を奪った攻撃サッカーが復活した。1stレグとの違いは単純で、シュートが枠にいくようになったこと。メンタル面から言えば、L1の戦いに慣れて、周りが見えるようになった。そしてテクニカル面から言えば、夏合宿の走りこみで足腰が鍛えられ、終盤でも浮かないシュートを撃てるようになった。その結果、シュートの精度が向上し、得点力がアップしたのだ。
降り始めた豪雨も、初勝利の興奮は冷まさない。
「予想通り、苦しい試合でしたけれども、本当に勝てて良かったです。(2失点は)私たちの課題である部分。しかし、そこでズルズルといかずに、勝ちへつなげられたというのは成長したところかなと感じます。しっかりと威力のあるシュートが、きっちりと良いコースに撃てるようになったのは、評価して良いと思います。今日の勝利をまた次につなげたいです」(原)
今節を終えて、L1下位チームの勝ち点は、スペランツァF.C.高槻が7、TEPCO、伊賀が6、そしてINACが5。残留を巡る、空前の大混戦はまだまだ続いていく。
| (INACレオネッサ) | (東京電力女子サッカー部マリーゼ) | |||||||
| GK: | 高田鈴子(63分/根本美沙貴) | GK: | 増田亜矢子 | |||||
| DF: | 角田英子、藤村智美、李珍和、菅亜矢子 | DF: | 宮崎有香、大部由美、宇野涼子、中村真実 | |||||
| MF: | 小林未央、澤井理恵、原歩、米津美和(81分/平野回梨佳) | MF: | 北郷裕子(14分/本間真喜子)、河田優(81分/鈴木玲美)、五十嵐章恵(66分/佐藤春詠)、鮫島彩 | |||||
| FW: | ゴンサルベス、渡邉千尋(89分/モラエス) | FW: | 丸山桂里奈、上辻佑実 | |||||
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