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 頑張れ!女子サッカー 06/09/19 (火) <前へ次へindexへ>

 打倒・日テレの旗手はどっちだ?!TASAKI、逆転優勝に望みを繋ぐ
 

 取材・文/砂畑 恵
mocなでしこリーグ ディビジョン1 第10節 浦和レッドダイヤモンズレディースvsTASAKIペルーレFC
2006年9月16日(土) 13:00キックオフ 駒場スタジアム
観衆: 天候:
試合結果/浦和レッドダイヤモンズレディース0ー1TASAKIペルーレFC(前0ー0、後0ー1)
試合経過/[TASAKI]大石(46分)


 後半が始まってわずか1分、ニアに飛び込んだ大石沙弥香が甲斐潤子の速いクロスに頭を合わせる。漫画であれば間違いなくコマにズドンという擬音が挿入されていたはず。それほど絵になる見事なゴール。前半は2トップを組む大谷未央と比べると陰が薄く感じた大石ではあったが、この値千金弾でチームを優勝争いに踏み止まらせた。

 プレーオフ制度を取り入れているなでしこリーグだが、野球のパリーグとは違ってリーグの勝ち点にプレーオフでの勝ち点が上積みされる方式。第9節を終えた段階でTASAKIは勝ち点23で並ぶ首位・日テレ、2位の浦和からは勝ち点6の遅れを取っており、「今日負けたらほとんど終わり」(仲井昇監督)という状況。それは選手も重々承知していた。とりわけ試合前に「右サイドの甲斐から大石で点を取る」と監督から直々の申し合わせを受けた甲斐、そしてここ3試合を先発で起用されてきた大石は奮い立つ気持ちもあったはずだ。期待に応えた2人のことにインタビューが及ぶと仲井監督は穏やかな笑顔になった。



 TASAKIにとり、この試合は「こぼれ球をどうやって拾うかがポイント」(仲井監督)。それからGK山郷のぞみによる素早いフィードから始まる浦和の速攻には殊に警戒していた。

 ところで4バックを採用するTASAKIではあるが、センターバックの磯ア浩美・下小鶴綾と安定した守備のベースがあるため、甲斐と佐野弘子はお互いがバランスを取りながら、どちらか一方がボランチの位置まで上がって、やや絞ったポジション取りをする。それに伴ってディフェンスラインは右に左にとつるべのようにスライド。ともすれば3バック、トリプルボランチに見えないでもない。

 それだけ流動性が高く、同時にリスクも増えるわけだが、その陣形を取るからには益多く、かつ出来うる限り危険を回避するためにチーム全体でメリハリの効いた攻守の切り替えが不可欠。つまり攻撃面ではサイドバックを含める厚みを持った中盤が思い切りよく押し上げて、ポスト役となる大谷をいかに早くサポートするかであり、守備では味方と相手の状態を機敏に察知して相手に先んじ動くこと。ひいてはそれがこぼれ球を拾うことに通じ、相手の速攻から身を守ることになる手立てとなる。

 そいうことではTASAKIは前半、立ち上がり30秒にあった安藤梢のシュートに始まり、37分、43分と北本綾子にも危ういシュートを浴びるなど浦和に計8本のシュートを打たれた。ところが後半の被シュートは3本。時間を追うごとに積極的なプッシュアップとポジションの別なく集中力を切らさぬ選手の早い帰陣で相手を圧した格好となった。



 さてそんなTASAKIに思うに任せない試合を強いられた浦和。永井良和監督は開口一番、「セカンドボールを(相手に)拾われ、ウチは拾えなかった」と話す。そのことについて安藤も「自分が前で潰れた時とかに拾ってまたチャンスというのが少なかった」とこぼした。

 それでも前半は攻撃が滞っている印象はない。安藤を軸にした攻めもそこそこに出来ていたし、柳田美幸の前の選手を追い越す動き、先にも書いているが北本の鋭いシュートもあった。また初先発となった窪田飛鳥が溌剌としたプレーで相手ゴールを脅かした場面も。むしろ得点の匂いはTASAKIよりも香っていたと思う。しかしそのチャンスで放ったシュートは折悪しくGK佐々木香織の正面。それでも田代久美子が要所を締めるDF陣は安定しており、0ー0で迎えたハーフタイムは「自分達の狙い通り」であったと安藤は話す。

 それが「さあこれから」と後半に気持ちを高めてピッチ登場して間もなくの失点。これで浦和はリズムに乗り損ねる。浦和ベンチが65分に若林エリを送り出した際は、岩倉三恵のタイミングのよい攻撃参加もあって調子を回復するかに見えたが、78分にDFの枚数を減らし笠井香織を投入し、3ー5ー2の布陣に変わると途端に失速。北本、笠井、そしてトップ下に移った安藤からなる攻撃陣の役割についてチームの意思の統一が感じられなかったことが原因だ。安藤も「パワープレーにいったのだが自分のポジションも曖昧でチームとしても上手くいってはいなかった」と振り返る。サイドを使えず、闇雲に中央に放り込むだけの攻撃では一層TASAKIを楽にし、自らの首を絞める結果となってしまった。



 佳境に差し掛かったなでしこリーグ。今節、首位を走る日テレは岡山湯郷に勝利した。次節、中一日おいて浦和はその日テレとの直接対決。追走する側は今日の敗戦に落ち込んでいる暇はない。もちろん勝ち点を20に伸ばしたTASAKIにしてもここで気持ちの箍が外れては今日の勝利は泡となる。ともかく残り4節。プレーオフが優勝争いとなるか、単なる順位決定戦になるかはリードする日テレを猛追する旗手の出現に掛かっている。


(浦和レッズレディース) (TASAKIペルーレFC)
GK: 山郷のぞみ GK: 佐々木香織
DF: 田代久美子 山本有里(53分/木原梢) 森本麻衣子(78分/笠井香織) DF: 甲斐潤子 磯ア浩美 佐野弘子 下小鶴綾
MF: 岩倉三恵 高橋彩子 安藤梢 柳田美幸 窪田飛鳥 MF: 白鳥綾 山本絵美 新甫まどか 中岡麻衣子
FW: 北本綾子 松田典子(65分/若林エリ) FW: 大谷未央 大石沙弥香(61分/鈴木智子、72分/坂口夢穂)
SUB: 小金丸幸恵 笠島由恵 SUB: 河上恵実子 清原万里江 田頭陽子
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