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 頑張れ!女子サッカー 06/09/22 (金) <前へ次へindexへ>
花束を手にして、ファンにメッセージを送る荒川。

 ここ一番で魅せつけた女王の底力。日テレ、首位攻防戦で圧勝
 

 取材・文/西森彰
mocなでしこリーグ・ディビジョン1 第11節 日テレ・ベレーザvs.浦和レッドダイヤモンズレディース
2006年9月18日(月・祝)14:30キックオフ 駒沢オリンピック公園総合運動場 観衆:約1,000人 天候:曇
試合結果/浦和レッドダイヤモンズレディース0−3日テレ・ベレーザ(前0−2、後0−1)
試合経過/[日テレ]岩清水(19分)、大野(21分、75分)


 INACレオネッサに追いつかれての引き分けで、2ndレグの幕を開けた日テレ・ベレーザ。その後の2試合では着実に白星を積んで、勝ち点26の首位をキープしている。2日前に今シーズン初黒星を喫した浦和レッドダイヤモンズレディースが、この日の相手。台風による雨の影響が心配された駒沢オリンピック公園総合運動場だが、キックオフを前にあがってくれた。

 駒場で戦った第4節のゲームでは、キックオフから気迫で上回った浦和レッドダイヤモンズレディースが、日テレ・ベレーザを飲み込み、堂々の戦いを演じた。「ウチのスタート自体としては、あの時と比べても悪くはなかった」。浦和の永井良和監督は、そう言って一呼吸置いた。そして「今回は、向こうの気迫が凄かった。あの時とは逆に、ウチの選手が完全に飲まれた」。



突進する北本。この日は日テレのCBに苦戦を強いられた。
日テレは、大野が頭であわせてダメ押しの3点目。
 中1日の変則スケジュールを、日テレの松田岳夫監督は「2ゲームを1ゲームとしていた」と捉えた。「3人候補がいる」CBの2ポストは、須藤安紀子、四方菜穂、岩清水梓の3人でローテーションしているが「高さ、そして裏を取るのが上手い浦和の攻撃陣を考えて須藤の高さ、そして岩清水のスピードで対応しようとした」。このふたりが期待に応えた。

 そして、ボール奪取能力の高い川上直子を酒井與惠と並べる。セカンドボールを根こそぎ奪うことで、中盤を制圧できるからだ。もちろん、タフなゲームが予想されるこの日も、そのパターンで臨む。2日前のゲームは30分程しかプレーしていない川上は余力十分、中盤でこぼれを拾い、シンプルに攻撃の選手へ届ける。

 駒場のゲームで苦戦に陥った原因は、浦和の攻撃に耐え切れず、ディフェンスが悲鳴を上げてズルズル下がり、主戦場を自陣内にされたこと。この日は、ボランチがイーブンボールをことごとく拾い、CBが北本綾子、安藤梢の2トップを封殺する。「前でボールが収まらないから、後ろの選手がフォローに行く時間も生まれない」(永井監督)。この時点でゲームの大勢は決していた。

 攻撃面でも狙っていたプレーが得点につながった。男子に比べてキック力の点で劣る女子サッカーでは、選手がボールサイドに偏るため、サイドチェンジが効く。「浦和だけでなく、逆サイドにボールを運べばウオッチャーになるチームが多い。できるかどうかは別にして、いつも狙っている」(松田監督)。岩清水の1点目、そしてダメを押した大野忍の3点目は、いずれもニアを囮に使って、ファーのスペースに潜り込んで奪ったものだった。



 日テレはここ数シーズン、優勝争いを演じている相手に、直接対決では負けていない。この日も、大一番にかけての準備を抜かりなく行い、そして100%実行した。これまで松田監督に「練習でやっていることを試合の中で表現し切れていない」「今の彼女たちは、自分たちのプレーを見失っている」と厳しいコメントを出されていたが、この日のようにやる時はやる。

 浦和の攻撃をことごとく弾き返した須藤、そして先制ゴールの2分後、逆回転をかけた優しいスルーパスで、大野の追加点を演出した伊藤香菜子。中断期間を挟んで戻ってきた選手たちが、一戦ごとにパフォーマンスを上げてきている。この強行軍の中でスタメンをローテーションできる。その分厚い選手層は終盤のプレーオフに向けて大きな武器だ。

 もちろん、下位チームが必死の抵抗を見せる今期のなでしこリーグでは、日テレにも取りこぼしの可能性はある。だが、追うチームも残り試合全てに白星を並べるのは簡単に思えないし、プレーオフのように気合を入れて臨むゲームでは、却って力差が発揮されるはず。それらを総合して考えると、現在の勝ち点6は数字以上に大きな差だ。リーグ戦にも秋風が感じられるようになってきた。



浦和は、高橋彩子のFKに活路を探ったが・・・。
大声援の後押しもむなしく、浦和は完封負け。
 終盤、1トップ、2シャドーで戦局挽回を狙った永井監督だったが、日テレの前に90分間、沈黙を強いられた。「前節、負けているので、『今日、引き分けで良し』という考え方はできなかった。正面からガチンコでぶつかっていったんですけれども、正直、力の差がありましたね」と永井監督。

「同じ中1日。向こうも条件は一緒ですから」と言い訳にするのを避けたが、対戦スケジュールにも大きな差があったと思う。確実にプレーオフの上位リーグに残るため、2日後のスペランツァF.C.高槻戦を睨んだ岡山湯郷Belleと戦った日テレに比べ、浦和の対戦相手は優勝に向かって後がなくなった手負いのTASAKIだった。パスサッカーの岡山湯郷とフィジカルに特長のあるTASAKI。どちらのイレブンにより大きな疲労が残っていたか。これも長いリーグ戦の巡り合わせのひとつだが。

 上でも書いたように、客観的に見ると勝ち点6は決定的な差に思える。それでも永井監督は言う。「勝ち点6ということは、2試合あればひっくり返る可能性はあるわけですよ。サッカーはそういうスポーツなんです。(あと2回残っているTASAKIと日テレの試合は)もちろんTASAKIに勝ってもらいたい。完全に優勝の目がなくなるまでは諦めませんよ」。

 永井監督は、目の前にある2位キープではなく、優勝への僅かな可能性を探っている。


(日テレ・ベレーザ)
GK: 小野寺志保
DF: 中地舞、須藤安紀子、豊田奈夕葉、岩清水梓
MF: 川上直子、酒井與惠、伊藤香菜子(64分/荒川恵理子)、澤穂希
FW: 大野忍、永里優季(83分/近賀ゆかり)

(浦和レッドダイヤモンズレディース)
GK: 山郷のぞみ
DF: 木原梢、田代久美子、森本麻衣子、岩倉三恵
MF: 窪田飛鳥(71分/保坂のどか)、高橋彩子、柳田美幸、松田典子(H.T/若林エリ)
FW: 北本綾子(83分/法師人美佳)、安藤梢








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