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| 頑張れ!女子サッカー 06/10/26 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
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| 今シーズン、伊賀には宮本(緑10)が帰ってきた。 |
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INAC、最下位脱出。伊賀は残留へ足踏み。 取材・文/西森彰 |
mocなでしこリーグ ディビジョン1プレーオフ1日目 伊賀FCくノ一vs.INACレオネッサ
2006年10月22日(日)14:00キックオフ 上野運動公園競技場 観衆:270人 天候:曇
試合結果/伊賀FCくノ一1−2INACレオネッサ(前1−2、後0−0)
試合経過/[INAC]原(10分)、ゴンサルベス(22分)、[伊賀]鈴木(33分)
「第1試合の結果は、どのように捉えましたか?」
「残留ということだけを考えれば、降格圏内にいるチームの勝ち点が伸びないほうが良いですよね。だから、高槻が勝つというのが一番良い結果だったと思います。ただ、ウチもひとつ勝てば残留が決まりますし、そもそも前節、レギュラーリーグ最後の高槻戦から4つ、全部勝とうと思っていましたから」
報道陣から勝ち点状況に関する質問へ、伊賀FCくノ一の谷由美監督はすらすらと答えた。ダブルヘッダーの第1試合を戦い終えたスペランツァF.C.高槻と東京電力女子サッカー部マリーゼ、そしてこの日対戦するINACレオネッサと戦う下位リーグ。落ちるひとつと、入れ替え戦に回るひとつ。この座りたくない椅子の押し付けあいが、下位リーグ最大の焦点であることを十分に承知していた。
もちろん、1試合ごとに動く残留条件、変化するシチュエーションは当該各チームの選手、スタッフとも頭に入れている。第1試合を引き分けた高槻の木村孝洋監督は「次節がどうなっても、数字上は最終戦まで残留の可能性が残る」ことを把握していたし、INACレオネッサの田渕径二監督も、この日のゲームに勝利すれば第1試合の結果に関わらず、最下位を脱出することを脳裏に刻んでいた。
勝ちに行かなければいけないのか。それとも、負けないサッカーをすれば良いのか。つい数年前まで、トップチーム同士の戦いでもハーフコートゲームになるほどチーム格差があった女子サッカーは、いまや細かい戦略を持って戦わなければいけない競技に進化していたのである。
ホーム最終戦で勝って残留を報告したい伊賀が、まずINACゴールに迫った。INACは昨年まで伊賀に所属していた藤村智美が、韓国代表・李珍和とのコンビで、最終ラインに防護壁を築き、突破を許さない。最初の10分間は、伊賀の攻撃陣がINACの敷いた防御陣地に突撃しては、跳ね返される繰り返しだった。
残留へあと1勝。伊賀はホームで決めたかった。 INAC、ディビジョン1昇格後、初の最下位脱出。
戦況が一変したのは、10分。後方からの速いフィードがワンクッションを挟んで、伊賀の最終ラインと並んでいた原に渡った。一発でDFを振り切った原歩は、そのままドリブルで伊賀のゴールを目指す。そして、ゴールに戻る伊賀GK・小林舞子の体勢が不十分なのを見て、多少、距離は残っていたが迷わずシュートを打ってゴール。「あれだけ速く、正確な攻撃をした相手を褒めるしかありません」と伊賀の谷監督が脱帽した速攻で、INACは勢いに乗った。
それまで自陣に押し込まれ、持ち味を発揮できなかったINACの4−3−3が機能し始める。「米津(美和)がいないので、どうしても中盤の構成力が落ちてしまう。ウチにはFWタイプの選手が多いんで、それを生かすためにシステムを変えてみました」と田渕監督。高さがそれほどない伊賀の最終ライン中央にモラエスをぶつけ、両サイドからは平野回梨佳とゴンサルベスが攻め上がる。そしてトップ下に入った原が、前線の3人を操って、昨年までの同僚たちに立ち向かう。
13分に右SBの角田英子、19分にはゴンサルベスが強烈なミドルシュートを放つ。「シュートが違うな」とは、第1試合の記事をまとめていたTEPCOの番記者たちが交わしていた感想。確かにINACの選手たちのシュートは、中断期間以後、威力、正確性ともにアップしている。流れ完全に引き寄せたINACは、22分にも平野を使ったゴンサルベスが最終ラインの裏に抜け、2点目を流し込んだ。
「気持ちで受身に立ってしまった」(谷監督)伊賀は、2点のビハインドを背負う苦しい展開。30分過ぎまでは、INACの一方的な攻勢に晒された。しかし、さすがにのじぎく国体のチャンピオンにして、前年度3位。村上真理のミドルシュートでコーナーキックを奪って一息つくと、二アサイドで動いた鈴木麻友の足元に、堤早希がピンポイントのパスをあわせて1点を返す。
後半も、立ち上がりの苦しい時間帯を凌ぐと、55分過ぎからは、ほとんどINAC陣内でゲームを支配する。小野鈴香がヘディングシュートを放ち、四宮由美子がドリブルで果敢に挑む。65分には波状攻撃から、宮本ともみの放ったシュートがゴールバーを直撃。75分にも途中出場の水本喜美が、藤村のマークを振り切って、小野にパスを送るがゴールならず。86分、混戦の中で生まれた水本のシュートも、INACのゴールネットを揺らすことはできなかった。結局、試合はこのまま終了。
試合終了後に顔をあわせたINACの岩田謁子・広報は「ディビジョン1に上がってから、ウチが最下位を脱出したのは、今日が初めてなんですよね」とニッコリ。控え選手たちとその喜びを分かち合っていた。田渕監督も「今日は何としても勝ちたかった。米津がいなかったので苦しかったんですが、勝ち点3をとることができて良かったと思います」とホッとした表情を浮かべる。
下位リーグ最上位の伊賀に勝ち、残る2試合は高槻とTEPCO。今後の目標は7位を確実にキープすること。7位チームはディビジョン2の2位チームと入れ替え戦を戦うことになるが、そこに出てくるのはアルビレックス新潟レディースか、大原学園JaSRAの可能性が高い。前年度の対戦成績は新潟に2勝1敗、大原学園に3戦全勝。ディビジョン1で揉まれた経験も加味すれば、一発勝負でもかなりの勝算を見込める。もちろん、右肩上がりの現状を考えれば、その前に残留を決めていても何の不思議もない。
ホーム最終戦の挨拶で「残留」の報告はできず。
敗れた伊賀はホームで残留を決められず、この後はTEPCO、高槻とのアウェーゲームが続く。「選手たちも口には出しませんが、あと1勝で残留ということは分かっているようです。(『それがプレッシャーになったり、過緊張につながったということは?』)いえ、それはないと思います。むしろ『自分が決めてやるんだ』という気持ちが強すぎて、クロスボールに対して、味方同士で競るような肩に力が入ったプレーは、いくつか見られましたが」と谷監督。
TASAKIペルーレFCの不参加もあって、毎春、地元で行われているプレシーズントーナメントで久しぶりに優勝。そして、夏の国体でも優勝と、カップ戦に強さを見せている。その一方でリーグは低迷。「どこも一番力を入れているのはリーグ戦です。まあ、カップ戦とリーグ戦の成績が結びつかないのは、短期集中の大会と、1週間というインターバルのあるリーグ戦の違いかもしれません」(谷監督)。
ポテンシャルは間違いなくある。その全てを出し切って残留への一勝を掴み取りたい。「松尾さんにも良い報告をしたいですね」と谷監督。昨年の10月7日(金)に71歳でこの世を去った松尾喬・三重県サッカー協会会長(当時)も、イライラしながら、吉報を待っているはずだ。
| (伊賀FCくノ一) | (INACレオネッサ) | |||||||
| GK: | 小林舞子 | GK: | 高田鈴子 | |||||
| DF: | 山岸靖代、馬場典子、那須麻衣子、村上真理 | DF: | 角田英子、藤村智美、李珍和、菅亜矢子 | |||||
| MF: | 宮本ともみ、鈴木麻友、堤早希、井坂美都 | MF: | 澤井理恵、小林未央、原歩 | |||||
| FW: | 小野鈴香、四宮由美子(66分/水本喜美) | FW: | ゴンサルベス、モラエス、平野回梨佳(70分/保手濱理恵) | |||||
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