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| 頑張れ!女子サッカー 06/11/25 (土) | <前へ|次へ|indexへ> |
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同じ相手には負けられない。日本がオーストラリアを下す 取材・文/中倉一志 |
第15回アジア競技大会(2006/ドーハ)壮行試合 日本女子代表vs.オーストラリア女子代表
2006年11月19日(日)13:02キックオフ フクダ電子アリーナ 観衆:4093人 天候:晴
試合結果/日本女子代表1−0オーストラリア女子代表(前0−0、後1−0)
得点経過/[日本]大野(51分)
「同じ相手に2度は負けられない。自分たちのスタイル、自分たちの良さを発揮できるような試合をしよう」。オーストラリアとの壮行試合を前に、大橋浩司監督(日本女子代表)は話した。それはボールをつなぎ、スペースを使い、スピードを生かしたサッカー。監督就任以来、しつこいほどに徹底してきた個人技術、個人戦術を発揮してパワーでまさるオーストラリアに雪辱を図る。新たなアジアのライバルとして、これからも戦い続ける相手に連敗は許されない。
そして、日本にとってはアジア大会壮行試合というよりは、来年に行われるW杯プレーオフをにらんだ大事な試合でもある。事前キャンプに2年ぶりの代表復帰した宮本ともみが召集されたのもそのためだ。フォーメーションはいつもの4−4−2。最後の砦を守るのは福元美穂。最終ラインは右から安藤梢、磯ア浩美、下小鶴綾、矢野喬子が並び、ボランチは酒井與惠と宮本ともみがコンビを組む。2列目中央には澤穂希。1トップの永里優季をフォローする形で、柳田美幸と大野忍が1.5列目に控える。
「澤選手は日本で一番危険な選手。基本的には彼女を中心にチームが動いていると言えるので、澤選手のプレーを止めれば守ることができる」(トーマス・サーマンニー監督)。オーストラリアは昨年7月のAFC女子アジアカップ準決勝同様に、ローレン・コルソープが澤穂希を徹底マーク。まるで影のようにどこまでも付いてきた。しかし、これは日本にとってはあらかじめ予想されていたこと。その逆手を取って、澤がトップ下の位置からコルソープを引っ張り出すことでバイタルエリアにスペースを作り、そこへ大野忍、柳田美幸が入り込んだ。
ここを起点にして日本は立ち上がりからリズムを刻む。ショートパスをつないで相手のマークを引き付け、そこから両サイドにできるスペースへ大きく展開。あるいはラインの裏へ飛び出してチャンスを築く。中盤の底でボールを受ける宮本はブランクを全く感じさせないプレー振り。試合の流れに緩急を与え、ボールを効果的に左右に配り、日本の攻撃を支える。人もボールも動き、しっかりとつないでサイドから崩すサッカー。日本は狙い通りの展開で主導権を握る。
それでも、平均身長で6.4センチ、平均体重で6.2キロも日本を上回るオーストラリアのパワーは脅威。前を向かせてプレーをさせると一瞬にして危険な香りが漂う。攻撃の起点は右サイド。サラ・ウォルシュがスピードとパワー溢れる突破を見せて深い位置まで侵入し、中央では長身のケートリン・ムノースが待ち構える。全体を見れば日本の狙い通りに進んでいるとはいえ、プレスが緩み、マークがずれるとたちまちゴール前へと運ばれる。決定機の数は日本と変わらず。一瞬の隙は命取りになりかねない。
後半に入ると、オーストラリアはサラ・ウォルシュを前線の位置に上げ、ローレン・コルソープを澤のマークから開放して布陣を4−4−2から4−3−3に変更。トーマス・サーマンニ監督から「勝ちを意識してプレーをしよう。なるべく攻撃的にプレーすることを心がけよう」と指示を受けて立ち上がりから前に出る。その積極的な姿勢を示すように、48分、そして50分と立て続けにシュートを放つ。
しかし、先制点は日本に生まれる。時間は51分。スローインを受けた酒井與惠が右サイドへ流れてきた永里優季へ。そして、絶妙なクロスボールがゴール正面、やや左側に入ってきた大野の足元へとつながる。「永里からのボールが良かった。自分の中では得点を決めたかった」(大野)。慌てて体を寄せてくる相手DFを鋭く切り返してシュートコースを確保。そして落ち着いて右足を振りいた。「借りを返したいと思っていた」という気持ちを形にしたゴールだった。
ここからは日本は危なげなく試合を進めていく。「前半、なかなか有効打にはならなかったが、ボールも相手も動かせた。その辺のジャブが、後半、相手にとって効いてきていたんじゃないか」(大橋監督)。寒さと疲労が影響したのか、オーストラリアに前半ほどのパワーが感じられない。日本はしっかりと守ってカウンターを仕掛ける定石どおりの試合運び。残り15分を切ってからは完全にゲームをコントロールした。
「手を挙げようと思ったら触られちゃって(笑)」。80分に宮本が放った強烈なミドルシュートはGKエマ・ワーカーズのスーパーセーブに阻まれ2点目は奪えなかったが、日本は危なげなくオーストラリアを下した。
ほぼ狙い通りの試合運びで勝利を手にした日本。細かなところに目をやれば課題は幾つか挙げられるが、それは、まとまった強化期間が中々取れない代表チームの悩みと言えるかもしれない。そんな日本にとっては、レギュラーシーズンを終え、アジア大会終了まで代表の活動に専念できるいまは貴重な時間だ。「今回は非常にチャンスだと思っている。アジア大会が終わるのは約1ヶ月先。その中で攻守ともに細部まで、選手の個人戦術やこのスキルも含めてレベルアップしていきたい」(大橋監督)。第1回大会以来続いている、W杯への出場権獲得が当面の目標になる。
ところで、「緊張もなくやれた。ピッチに入ったときに『日本』というコールを聞いて鳥肌が立ちましたけれど、勝ったし、楽しくサッカーがやれた」とは約2年ぶりの代表復帰を果たした宮本。彼女の持つ力はプレーを続けていく中でさらに発揮されていくだろうが、ゲームの流れを掴み、落ち着いてボールを捌く姿は日本のプレーに落ち着きと安定感をもたらし、その存在の大きさを改めて示したと言える。本人にとっても、そして日本女子代表にとっても初めてとなる育児をしながらの代表選手としての活動は、まだまだ手探り状態にあるが、彼女の思いを支えられるような環境作りが進められることを願いたい。
●トーマス・サーマンニ監督(オーストラリア女子代表)記者会見 ●大橋浩司監督(日本女子代表)記者会見
| (日本女子代表) | (オーストラリア女子代表) | |||||||
| GK: | 福元美穂 | GK: | メリサ・バービエリ(HT/エマ・ワーカーズ) | |||||
| DF: | 安藤梢 磯ア浩美 下小鶴綾 矢野喬子 | DF: | ライアン・デービス(76分/キム・キャロル) ケイト・マクシー シェリル・サリズベリ ヘザー・ガリオック | |||||
| MF: | 酒井與惠 宮本ともみ 柳田美幸(60分/宮間あや) 澤穂希 大野忍(82分/丸山桂里奈) | MF: | サラ・ウォルシュ(84分/カーラ・ロイター) コレット・マッカラム(76分/アンバー・ニールソン) ローレン・コルソープ ジョアンヌ・ピーターズ | |||||
| FW: | 永里優季(65分/荒川恵理子) | FW: | ケートリン・ムノース ジョアンヌ・バーガス(65分/サーシャ・マクドネル) | |||||
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