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| 頑張れ!女子サッカー 07/01/21 (日) | <前へ|次へ|indexへ> |
| 準決勝の第2試合は夏の選手権ファイナルの再戦。 |
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夏の借りは冬に返す。常盤木学園も藤枝順心をPKで破る。 取材・文/西森彰 |
第10回全日本女子ユースサッカー選手権準決勝 常盤木学園高校vs.藤枝順心高校
2007年1月7日(日)13:20キックオフ 桃太郎スタジアム 観衆:200人 天候:晴
試合結果/常盤木学園高校1−1藤枝順心高校(前1−0、後0−1、延前0−0、延後0−0、PK8−7)
得点経過/[常盤木学園]後藤(26分)、[藤枝順心]中塚(84分)
神村学園高校が日テレ・メニーナを退けた後に行われた準決勝第2試合も因縁まつわる組み合わせになった。夏の高校女子サッカー選手権決勝の再戦である。その時はジュビロスタジアムで行われたその時の試合では、藤枝順心高校が見事に地元優勝を飾り、常盤木学園高校は4年連続の銀メダルに泣いた。このゲームに勝てば、藤枝順心は今期二冠への王手がかかるし、タイトルよりも内容に拘る常盤木学園にしても、そろそろトロフィーを手にして良いところ。
試合前からアクシデントがあったのは、常盤木学園である。いつもはトップを張っている與山このみが「腹が痛いっていうから寝かせてきた」(阿部由晴監督・常盤木学園)。しかし、日頃から「日本代表に何人引き抜かれようが、残った子たちで十分サッカーはできる」と豪語している阿部監督。夏までは左ウイングを務めることの多かった後藤三知をトップに起用し、3−2−2−3気味の布陣で臨む。
裏に飛び出した佐伯(紫)のシュートは、僅かに枠の外へ。
一方の藤枝順心は夏の3−5−2から、常盤木学園のサイド攻撃に備えたのか、右サイドバックの杉本恵里が最終ラインまで下がって受ける中盤をボックスにした4−4−2気味に迎え撃った。こちらのキープレーヤーは何と言っても10番をつけた佐伯彩だ。パス、ドリブル、シュート。どれを取ってもそのサッカーセンスを感じさせる。
試合は前半から常盤木学園ペースになった。もともと「キックオフから主導権をとって、試合終了まで握り続ける」という、言わばサッカーの理想を追い求めて戦っているチーム。中央の後藤と左右の森本華江、堀良江が紫の網を食い破るように前進していく。22分には、DFラインから丁寧にビルドアップしながら前へつなぎ、ゴール前に来るとショートパスをポンポンとリズム良く交換、堀がボレーで狙う。これは藤枝順心GK・柴田彩佳の好守に阻まれたが、両チームを通じて最初の決定機だった。
先制点はその3分後。相手ゴール前での混戦から山田頒子が粘って、後藤の足元に落とす。これを後藤がきっちり右足で押し込んだ。夏の選手権では、主導権を握っていた時間帯にゴールが遠く、先手を取られて敗れ去っていた常盤木学園。後藤のゴールでホッとしたことだろう。その後もウイングを活かした戦いで、左右からクロスを上げて、藤枝順心を苦しめる。
後半に入り、同点を目指す藤枝順心は52分、佐伯がオフサイドギリギリでラインの裏に走りこみ、そのまま抜け出すが、諦めずに追いかけたDFと前に迫るGKのプレッシャーからか、シュートが枠を外してしまう。大きなチャンスを逸した藤枝順心に対し、常盤木学園は何時になくきっちりとボールを回す、心憎いゲーム運びでそのまま逃げ切るかに思われた。
1チャンスをモノにして藤枝順心が追いつく。
ところが、79分、ほとんど1チャンスのような形で藤枝順心が同点に追いつく。システム変更で3−5−2の右ウイングバックになっていた杉本のクロスが、常盤木学園ゴール前での混戦を生み出し、2分前に投入されていた中塚理加がゴールを奪ったのだ。絵に描いたような同点劇だったが、これも夏の女王の意地だろう。
しかし、ゲームを九分どおり支配しながらやられる、いつもの負けパターンに入った常盤木学園も、そのまま寄り切られることなく、延長戦で体勢を立て直す。「夏にやった時には先に2点を取られて焦ってしまった部分もあって、1点しか返せなかった。焦ることなく、自分たちのサッカーをしようと言っていました」(後藤)。2試合目もPK戦にもつれ込んだ。両軍15人連続で成功の後、後蹴りの藤枝順心・寺田玲子が右隅を狙って蹴ったボールを、常盤木学園GK・松山愛がセーブして決着。夏の決勝では痛いキャッチミスで涙していた松山が今度は笑う側に、藤枝順心が泣く側に立った。
「ウチはシルバーメダリストだから」。翌日行われる決勝戦への抱負や勝算についてコメントを求める報道陣を煙に巻く阿部監督の姿を見て、思わずニヤついてしまった。結果と同じくらい、いやそれ以上に内容を重視する阿部監督にとって、どのゲームであろうが同じだろう。相手がアメリカやドイツ、北朝鮮であっても勝てるような良いサッカーを日頃から目指し、その日出場できるメンバーがその普段どおりのサッカーをやる。それだけだ。
キャプテンの田中は超攻撃的システムをコントロールした。
そもそもこの大会を死に物狂いで勝ちに来ているなら、6日間で5試合というハードな日程の中、唯一空いている休養日に、岡山市内から往復4時間をかけて湯郷温泉で働いているOGの中田麻衣子の元へ、選手たちをマイクロバスで連れて行くようなことはしない。それも目先の勝利よりも、彼女たちがサッカーを続ける上で自分にあった環境を見つけられることを優先したため。サッカー施設や街の風景や職場のひとつを見学し、先輩から話を聞く。翌日の準決勝の勝算は数パーセント落ちるかも知れないけれども、同時に得がたい職場候補体験見学になったはずだ。
まあ、真面目な顔をして、阿部監督に聞いたところで「いや、そこの温泉に入ると美人になるっていうから連れて行っただけ」なんて、思い切りすかされてしまいそうだから、わざわざ確認はしなかったけれども。
| (常盤木学園) | (藤枝順心) | |||||||
| GK: | 松山愛 | GK: | 柴田彩佳 | |||||
| DF: | 櫻本尚子、藤田裕美子、瀧澤優子 | DF: | 杉本恵理、寺田玲子、米津瞳、佐藤麻由 | |||||
| MF: | 田子亜貴、田中明日菜、山田頒子(77分/菅藤彩子)、熊谷紗希 | MF: | 杉山祐香、長澤まどか(77分/中塚理加)、北原佳奈、佐伯彩 | |||||
| FW: | 堀良江、後藤三知、森本華江(102分/小原由梨愛) | FW: | 三宮詩貴、松嶋優花 | |||||
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