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 頑張れ!女子サッカー 07/03/05 (月) <前へ次へindexへ>

 プレイバック 2003女子ワールドカップ・アメリカ大会 大陸間プレーオフ 〜(前編)
 あの状況でアウェーの第1戦を2対2で凌げたことが大きかった
 
 取材協力/吉田弘U-16日本女子代表監督(なでしこジャパン前ヘッドコーチ)
 取材・文/西森彰
 2003年6月、日本女子代表は女子ワールドカップ4大会連続出場を賭けて、アジア女子サッカー選手権に臨んだ。当時の日本の力を考えると、もちろん、北朝鮮や中国には一目を置かざるを得なかった。それでも切符は3枚。年頭にアメリカ女子代表とアウェーで戦ってドロー。3月には選手権の開催国、タイに乗り込んでフレンドリーマッチもこなし、インフラの問題や、ピッチの感触なども下調べはできていたはずだった。

 満を持して大会に臨んだ日本は、格下の相手を圧倒して勝ちあがっていく。ところが準決勝で北朝鮮に0対3と敗れると3枚目の切符がかかった3位決定戦でも、内容的には韓国を圧倒しながら、唯一喫した痛恨の失点によって敗退、2週間後に行われる大陸間プレーオフへ回された。

 上田栄治・現女子委員長が監督として指揮を執っていた当時の日本女子代表チームで、ヘッドコーチを務めていたのが、今、U-16日本女子代表を率いてマレーシア入りをしている吉田弘監督だった。吉田監督もタイでワールドカップ出場が決まると思っていた。アジアの2強、北朝鮮と中国には勝てないまでも、韓国には勝算が十分立っていたからだ。

「おっしゃるとおりです。本当は、タイでW杯の出場権をとっておかなければいけなかったんですね。それが韓国に負けてプレーオフ回りになった。今回も全く同じケースですよね。本来は、オーストラリアに勝って出場権をとっていなくちゃいけなかった。そこで負けて、またメキシコとのプレーオフなんですから」

 今、当時のアジア選手権の先発メンバーを照らし合わせると、チャイニーズタイペイ戦と北朝鮮戦が8名、北朝鮮戦と韓国戦で9名の名前が重なっている。ひとつのゲームに的を絞りきれなかったあたりも、ワールドカップ出場権に絞って準決勝を戦うのではなく、その先の決勝戦を見据えた選手起用で、オーストラリア戦を落とした今回のチームと酷似している。



 もちろん、相違点もある。大きく異なっていたのがプレーオフまでの間隔だ。オーストラリアで失望を味わった今回のチームは、1年近くのインターバルで自信を取り戻し、完全に仕切り直しができた。しかし、4年前の上田ジャパンは、韓国戦の敗北から2週間後、大きなダメージを負ったまま、すぐに敵地・メキシコでの第1戦を行わなければいけなかったのである。

 もちろん、相手チームのスカウティングなどしている時間はない。限られた手段の中でできうる限りの情報を手に入れて戦うこのチームには珍しく、敵の姿が見えなかった。数少ない情報源は、アメリカの女子サッカーリーグ・WUSAでプレーしていた澤穂希だった。

「澤はアメリカでプレーしていたので、何人かはメキシコの選手たちを知っていました。だからその選手たちについては『ドミンゲスは結構やるよ。こんなプレーが得意だよ』というふうに教えてくれました。でも、その他の選手はぜんぜん知らなかった」

 第1戦を迎えるまでは、半分以上が出たところ勝負だった。



 ホームとアウェーの順序も逆だった。あの時は今回とは逆に第1戦がアウェーで、第2戦がホーム。吉田監督は第1戦、第2戦の順序が入れ替わった今回のほうが、戦い方が難しいと考える。

「今回は第2戦の試合会場が、メキシコシティよりもまだ高いところにあるトルーカ。もちろん、3月10日の第1戦に3対0で勝っちゃえばいいんだけれども、1対0とか0対0というスコアでアウェーに行くことになると難しいと思います。そして、チームも、そんなプレッシャーも感じているはずです」

「すると、日本にとっては第2戦をホームで戦えたということが大きかったんでしょうか?」

 吉田監督は私の質問に「結果としてそう言えるんですけれども」と前置きをして「日本でのゲームが第2戦だったことよりも、あの状況でアウェーの第1戦を2対2で凌げたことが大きかったんです」。

(以下続く)

<参考>
第14回アジア女子選手権 日本女子代表戦績&出場選手

2003年6月9日 日本15−0フィリピン
GK: 山郷のぞみ
DF: 磯ア浩美、大部由美、宮ア有香
MF: 川上直子、小林弥生(宮間あや)、宮本ともみ、山本絵美、澤穂希(酒井與惠)
FW: 大谷未央、荒川恵理子(丸山桂里奈)

2003年6月11日 日本7−0グアム
GK: 山郷のぞみ
DF: 山岸靖代、大部由美、矢野喬子
MF: 中地舞、酒井與惠、小林弥生(宮本ともみ)、宮間あや、澤穂希(川上直子)
FW: 大野忍(荒川恵理子)、丸山桂里奈

2003年6月13日 日本7−0ミャンマー
GK: 山郷のぞみ
DF: 磯ア浩美、大部由美(山岸靖代)、宮ア有香
MF: 川上直子、小林弥生、宮本ともみ、山本絵美、澤穂希
FW: 大谷未央(酒井與惠)、荒川恵理子(丸山桂里奈)

2003年6月15日 日本5−0チャイニーズ・タイペイ
GK: 山郷のぞみ
DF: 山岸靖代、大部由美、矢野喬子
MF: 中地舞、川上直子(山本絵美)、酒井與惠、小林弥生、澤穂希
FW: 大谷未央(丸山桂里奈)、荒川恵理子(宮本ともみ)

2003年6月19日 日本0−3北朝鮮
GK: 山郷のぞみ
DF: 磯ア浩美、大部由美、山岸靖代
MF: 中地舞(荒川恵理子)、酒井與惠(宮間あや)、宮本ともみ、山本絵美(丸山桂里奈)、澤穂希、小林弥生
FW: 大谷未央

2003年6月21日 日本0−1韓国
GK: 山郷のぞみ
DF: 磯ア浩美、大部由美、山岸靖代
MF: 川上直子(大野忍)、小林弥生、宮本ともみ、山本絵美、澤穂希、
FW: 大谷未央、荒川恵理子(丸山桂里奈)
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