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| 頑張れ!女子サッカー 07/05/09 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
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| 岡山湯郷イレブン |
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足りないピースは勝者のメンタリティ。 mocなでしこリーグ2007 ディビジョン1 第1節 岡山湯郷Bellevs.INACレオネッサ 取材・文/西森彰 |
2007年4月29日(日)13:00キックオフ 美作ラグビー・サッカー場 観衆:2,109人 天候:晴
試合結果/岡山湯郷Belle0−1INACレオネッサ(前0−1、後0−0)
得点経過/[INAC]米津(24分)
前日に開幕したmocなでしこリーグ2007。ディビジョン1の第1節4試合の中で、最も激戦が予想されていたのが、この美作ラグビー・サッカー場のゲームである。
昨年度4位の岡山湯郷Belleは、昨シーズンをほとんど11人の固定メンバーで戦い抜いたが、今年はDFの藤井奈々、佐藤シェンネンのふたりが退団し、田中静佳も負傷で戦線離脱。4月まで守護神・福元美穂と、宮間あやのふたりを代表に取られていたため、新チームとしての練習時間が少なかった。
システムについても試行錯誤していた。当初は中野真奈美、松田望が加入して厚みを増した中盤に多くの選手を配する3−5−2の形でトレーニングを積んでいた。しかし、開幕戦の相手、INACが3トップで来ると想定されていたこと、そして3−5−2、4−4−2のメリット、デメリットを代表組の合流後、チーム全体で話し合った結果、開幕戦については4−4−2で戦うことが決まった。
INACイレブン
「昨年までと同じ形だから、そんなに混乱はなかった。最終ラインについて言えばふたり抜けたけれど、左に入った杉山(紫乃)も練習ではやっていたし、センターバックの保手濱もINACでは同じポジションをやっていたし」(城地泰子・岡山湯郷)
それまで3バックの練習に費やした時間を悔いても仕方ない。選手はシステム変更に、柔軟に対応しようとした。
一方、前年度5位のINACレオネッサは、大量失点を喫したディフェンス面で、大幅な補強を行った。原歩、藤村智美が伊賀FCくノ一時代に同僚だった山岸靖代、那須麻衣子、そして日テレ・ベレーザでなかなか出場機会が与えられなかった田村奈津枝。3人の新戦力が開幕戦のピッチに入っていた。
前年はリーグ戦で2敗、全日本女子サッカー選手権でもPK戦で敗れている。練習試合では勝っても、公式戦では一度も勝てていない岡山湯郷という壁。選手たちも「新しいメンバーが入って、ガラリと変わったところを見せたいという気持ちが強かった」(原)。自信の源になっていたのが、シーズン前に行った数回に渡る長期トレーニング。韓国代表の2名以外に代表選手がいないこのチームは、全体練習に多くの時間を割くことができた。
田中が不在で前線にターゲットのいない岡山湯郷は、中田麻衣子と加戸由佳の2トップを積極的に走らせる。攻撃の中心となる宮間は、味方の選手をフォローにいくよりも、少し離れたところにスペースを見出し、ボールを受けると決定機を演出した。元日の全日本女子サッカー選手権決勝で、TASAKIペルーレFCの包囲網に絡め取られた経験からか、この日の宮間はスペースで受けることを選択した。
攻める岡山湯郷、守るINAC、必死の攻防。
「彼女にだけマークをつけるというプランはなかったんですけれども、ちょっと前半は、やらせ過ぎた部分がありましたね。いつもだったらボールに絡みに来る部分で、ちょっと離れてみたり、上手くやられた部分もありました」(原)
これに対して、INACも新加入の山岸が右サイドを再三駆け上がり、その攻撃に厚みを増す。また前線の3トップは、ピッチをワイドに使って仕掛けていく。そして24分、相手のバックパスを狙った米津が、福元の鼻先でボールを攫ってシュート。さすがの代表正GKもこの場面にはノーチャンスだった。互いにチャンスを掴む鍔迫り合いの中で、INACが先制点を奪った。
自分たちのミスで先制を許した岡山湯郷の選手たちは失点直後、すぐに気持ちを入れ替えた。そして同点を目指してINAC陣内に攻め込んでいく。しかし、どうしても最後の部分で呼吸があわなかったり、逸機が続く。序盤と同じように攻め合いを続ければ、INACに追加点が入りそうな雰囲気だったが、時間を追うにつれて重心が後ろへ移ってしまった。
「やっぱり、去年のことがあるので、どうしても守りにいく気持ちが強くなってしまった」(原)
「あまり先制することが多くないチームなんで、ちょっと守りにいってしまいましたそのあたりが課題ですね」(藤村)
このあたりが、まだまだ勝ち癖を付け切っていない部分だろうか。岡山湯郷の前線が走り込みを繰り返すことで、最終ラインを守る4人の足も痙攣を来たした。それでも藤村、イ・ジンファの両CBが相手の攻撃を弾き返し、高田鈴子もファインセーブを連発する。ロスタイムのコーナーキックでは、GKの福元を上げるなど最後まで勝利への執念を見せた岡山湯郷を、INACが振り切って勝利。大きな勝ち点3を挙げた。
敗れた岡山湯郷・本田美登里監督は「1点を取られたのは仕方ない。1失点は計算のうちだし、問題はそれなりにチャンスを作りながら無得点に終わったこと」と、INACの11本を上回る13本のシュートを放ちながら零封された攻撃陣に嘆息した。とは言え、チーム作りの期間を考え合わせると、この時期にこの相手では不利は明白。第2節の大原学園JaSRA戦で勝ち点3を取って立て直しのきっかけは掴めただろう。既存のベースと新戦力の融合も、シーズンスタートとしては、それなりのレベルにあった。
最後は福元(中央・黄)までゴール前に上がったが・・・
むしろ残念だったのは勝者の側。INACの選手たちの低姿勢振りだ。オフにしっかりとトレーニングができたこのチームにとって、シーズン開幕後すぐに代表組を抱える昨年の上位4チームと戦えることは、大きなアドバンテージのはずである。スタートダッシュが利かないライバルたちから、4試合で勝ち点を9くらい取れれば、リーグ優勝も夢ではないと思っていた。実際、週刊誌のリーグプレビューでも一発候補として名前を挙げていた。
だが、選手たちにそこまで強くなっている自覚はなさそうだ。「この後も強いチームが続くので、何とか勝ち点1ずつでも拾って」と原が言えば、藤村も「(勝ち点3を目指さなければいけないのでは?)だんだん、そういうチームになってきたのかな?」。このゲームの後半にも見られた自分たちの強さに対して全幅の信頼を置けていないことが、ベテランたちからも見られる。
もちろん、サッカーは精神論だけでカタがつくものではない。それでも、その後の2試合で1点差負けというスコアを眺めると「必勝の心構えで戦っていれば…」という思いを拭い去れないのだ。
| (岡山湯郷Belle) | (INACレオネッサ) | |||||||
| GK: | 福元美穂 | GK: | 高田鈴子 | |||||
| DF: | 安田邦子、城地泰子、保手濱理恵、杉山紫乃 | DF: | 山岸靖代、藤村智美、イ・ジンファ、田村奈津枝 | |||||
| MF: | 松田望、田畑沙由理、中野真奈美、宮間あや | MF: | 那須麻衣子、澤井理恵、原歩 | |||||
| FW: | 加戸由佳、中田麻衣子(77分/赤井歩) | FW: | デルマ・ゴンサルベス、渡邉千尋(83分/チョン・ミジョン)、米津美和(68分/ 平野回梨佳) | |||||
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