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| 頑張れ!女子サッカー 07/06/13 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
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関西の高校女子8強が競う。 第16回関西高校女子サッカー選手権 準々決勝 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ |
「トーナメントはベスト8が一番面白い」とはしばしば聞かれる言葉だが、まさにその通りの8強激突だった。ほぼ順当に勝ち上がってきた8校に大きな力の差は無く、公式記録が2枚に渡ってしまうような大量得点の試合はこのステージでは観ずに済む。そして、6連覇中の日ノ本学園(以下、日ノ本)を阻止する可能性を秘めたチームは、これまでの大会より多い。人工芝のピッチ、多くの観客と雰囲気にも恵まれた4試合だった。
【第1試合 日ノ本学園vs.大商学園】
この試合が準々決勝の中でも大一番には違いなかった。ノーシードの中で最も強い大商学園(以下、大商)が組み込まれたのが日ノ本のヤマ。試合前から互いを意識し合っている様子がコーチのコメントなどから垣間見えた。
試合開始から、いきなりフルスロットルでぶつかり合った。両チームともプレスの位置が高く相手に自由を与えない。なかなかボールの落ち着かない時間が続く。双方技量に優れた選手が揃っているため、どこかで落ち着かせる選手がいるか探してみたが、誰も余裕は無かった。普段なら出来るルックアップやルックアラウンドしてからのパス供給もままならず。これが互いを意識し合うがための重圧なのだろう。
試合は強いDFを揃える日ノ本がじわじわと前進。30分(35分ハーフ)にFW小栗が先制点を沈めると、1分後にも小栗が右サイドをドリブルで崩して追加点。少しずつだが、速さとタフネスを兼備した日ノ本の走力が上回り始めた。後半も42分にFW田上が加点して3−0。日ノ本はフラットな4−3−3で上手くスペースを消しにかかった。大商は反撃のためにリスク承知で3−4−3にシフト。その効果はあったが、ゴールは遠かった。大一番で女王が貫禄を見せた。
(日ノ本学園メンバー) 鈴村、菊地、嶋田、山縣、横川、今西、今中、藤田、大野、田上、小栗、雪定、坂田、堀井、柴本、桜井 (大商学園メンバー) 南波、福岡、小野、松永、溝口、藤本、服部、北浦、谷口、齋藤、岡島、鈴木、宮村、高橋、網城 ※選手交代がリエントリー制で複雑なため登録メンバーを記載。
【第2試合 聖母学院vs.八幡商業】
この日の4試合で、筆者が唯一事前に試合をチェックしたことの無いチーム同士の対決。その意味では展開が読めなかったが、両監督ともに拮抗していると話されていた通りの展開となった。
個人技、特に蹴るという基本動作については八幡商業(以下、八幡)が上回っていた。試合も八幡がアーリークロスを聖母学院(以下、聖母)のエリア内に送り込むシーンが多い立ち上がり。八幡はMF池田と野村が卓越した技量で中盤に君臨。この2枚の横並びが試合の優位を決定付けた。しかし、それが簡単に試合の結果には繋がらなかった。聖母は明確にリトリートして対応したが、それに対して八幡は守備ブロックを後ろに置き過ぎていた。結局聖母ゴール前では、八幡攻撃陣も多勢に無勢。前半をスコアレスで折り返す。
後半も八幡がサイドから丁寧に組み立てるが、徐々に聖母のカウンターが鋭くなり、その回数も増して来た。カウンターを一手に担うのが、ワントップに配された野村だったが、数人のマークを苦にせず、じわりと八幡に脅威を与える。八幡の右からのクロス連発に対して、聖母のCB森脇が悉く立ちはだかる。試合を支配しているのは八幡だが、ゴールの匂いは均等に漂っていた。遂には延長戦(10分ハーフ)に入り、そこでやっと決着を見た。八幡のナンバー10池田が、クロスをダイレクトボレー。綺麗にミートされたシュートに聖母はノーチャンスだった。試合は1−0で終了。気持ちの入った、観ていて清清しい一戦だった。
(聖母学院メンバー) 宮坂、並川、吉田、伊藤、表山、野村、清水、梅田、大西、森脇、古川、平山 (八幡商業メンバー) 徳安、田中、志村、尾上、菅崎、井上、池田、野村、岡、森、周防、河嶋、森野、節木、山添、奥野
【第3試合 大阪桐蔭vs.奈良育英】
大阪府の覇者・大阪桐蔭(以下、桐蔭)の有利は動かないものの、地域との連係でチーム力を増している奈良育英(以下、育英)も侮れない試合。ちなみにこの両校、男子が現在開催中のプリンスリーグで激突しており、1−1のドローとなっている。
試合は、序盤から桐蔭がラッシュ。立て続けに育英ゴールを陥れた。3分にMF六車が難しいボレーで先制点をもたらすと、9分には六車のアシストからFW柴田。早々に2−0と流れを大きく桐蔭が引き寄せた。この試合、桐蔭と育英の両チーム共にピッチをワイドに使うスタイルのため、各選手の連動性も良かった。まさにボールが走る試合だった。
ただ、追い付きたい育英としては、桐蔭のボールにプレスを掛ける位置が定まらないままに時間が経過してゆく事にもなった。それでもビルドアップから楔を打ち込む所でミスの出る桐蔭に対して育英はタフに反撃を試みるが、フィニッシュまでには至らず。桐蔭はFW佐藤が高い技術で追加点を奪うと、最後はオウンゴールも誘発して4−0。粘る育英を退けた。
(大阪桐蔭メンバー) 倉田、田中(由)、佐々木、山田、兼松、古木、六車、齋藤、寺本、佐藤、柴田、安食、坂口、新町、田中(美)、西井 (奈良育英メンバー) 岡井、福岡、辻、村松(彩)、吉原、井村、村松(萌)佐藤、横山、春名、石川、松下、菊一、榎本、浅井、新田
【第4試合 啓明学院vs.三田祥雲館】
この大会の最多優勝記録8回を誇る啓明学院(以下、啓明)と、春の兵庫県大会で啓明を下している三田祥雲館(以下、祥雲館)の兵庫勢対決。ボールをキープする啓明と堅守速攻の祥雲館の構図は、この試合も変わらなかった。
啓明は春の雪辱の気持ちを前面に出して、シュートを連発する。しかしミドルレンジのシュートに対しては、祥雲館のDF・GKが身を挺して防ぎネットを揺さぶらせない。祥雲館は得たボールを簡単に啓明のDFの裏へ放り込みカウンターに活路を見出す。啓明も必死のクリアが続く。互いの手の内を知る者同士。何をされたら嫌かが判っており、両チームからある種の"やり辛さ"が伝わってくる展開。
スコアレスで迎えた後半、啓明はMF井上をFWに配置して得点を狙う意思をはっきりと示す。ものの見事に46分、中田がミドルを決めて啓明が先制。ここで啓明はキープレーヤーの井上を中盤に下げる。ディフェンシヴにシステムを変えたが、今度は54分に祥雲館のカウンターが決まりイーブン。采配通りに試合の流れが移ろうこととなった。そのまま延長に入ってからも、井上のポジションチェンジにより中田のミドルが決まり啓明先手、祥雲館はカウンターから古川が沈めて同点と、全く似通った展開が繰り返された。ただ、最後に一手多く打ったのが啓明。中田のハットトリックが終了間際に決まり3−2でリベンジを果たした。
(啓明学院メンバー) 山角、谷、宮村、吉野、伊原、中野、井上、大武、長谷川、中田、進藤、山口 (三田祥雲館メンバー) 植村、佐圓、明石、松山、今安、能勢、渡邉、伊東、狭間、古川、山本、赤井、岩崎、湊、三宅、石橋
この結果、4強は全てシード校。去年と全く同じ顔ぶれになった。ただし、この4強の力関係は去年とは違っている。全国への切符2枚がどのチームに渡るのか。そして来年、関西の勢力分布が大きく変わるターニングポイントに、この大会はなるだろう。
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