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| 頑張れ!女子サッカー 07/08/06 (月) | <前へ|次へ|indexへ> |
| 右サイドで突破を仕掛ける川村(福岡)。値千金の決勝ゴールを決めた |
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生き残りをかけた1戦は福岡J・アンクラスが制す 取材・文/中倉一志 |
mocなでしこリーグ2007 ディビジョン2 第13節 福岡J・アンクラスvs.スペランツァFC高槻
2007年7月29日(日)12:00キックオフ 東平尾公園は方の森球技場 観衆:580人 天候:晴
試合結果/福岡J・アンクラス1−0スペランツァFC高槻(前1−0、後0−0)
得点経過/[福岡]川村(41分)
なでしこリーグ、ディビジョン1への昇格をかけた争いも佳境を迎えている。7/28現在で首位を行くのは11試合を消化して勝ち点29の東京電力女子サッカー部マリーゼ。勝ち点差2で追うのは12試合を消化しているジェフユナイテッド市原・千葉レディース。この上位2強を、12試合消化して勝ち点21のスペランツァ F.C.高槻と、11試合消化して勝ち点20の福岡J・アンクラスが追いかける。そして迎えた13節、博多の森球技場でアンクラスと高槻が生き残りをかけてぶつかり合った。
アンクラスの布陣は4−3−3。中盤の底の山本有里が精力的に動いて相手の攻撃の芽をつぶし、そこからサイドへ展開してターゲットの花田愛子に合わせる。そして高槻の布陣は4−4−2。人とボールを動かしながら高い位置でタメを作り、2列目の選手が飛び出していくのが狙いだ。残り試合が9〜10試合となった段階で、2強にこれ以上離されることは昇格レースからの脱落を意味する。どちらも負けられない戦い。強い日差しを浴びる中、試合開始を告げるホイッスルが鳴った。
最初の決定機を作ったのは高槻。6分、ペナルティエリア内にこぼれたボールに伊丹絵美が至近距離から右足を振り抜く。さらにGkがはじいたボールを拾って波状攻撃を仕掛け、最後は久山暖香のヘディングシュートがポストをかすめた。そしてアンクラスの得点機は8分。右サイドでボールを受けた川村真理が縦に持ち込んで1トップの花田へ。その落としたボールを堤晴菜が左へ展開して、葛間理代が左サイドから飛び込む。狙い通りの展開だ。
中盤の底で相手の攻撃の目を摘む山本(福岡・中央5)。この日も随所に光るプレーを見せた
しかし、互いの勝ちたいという気持ちが表れた立ち上がりも、その後は膠着状態が続く。アンクラスは山本が中盤でボールを奪って左右へ配るのだが、暑さの中で運動量が上がらずチャンスが広がらない。そして高槻は粘り強く守りながらマイボールを縦に放り込み、こぼれ球を狙って押し上げようとするが、前に出る力に欠けた。そんな戦いは、時間が経過するにつれアンクラスが支配力を高めていくが、それも決定機を作るまでには至らない。
得点の匂いのないまま進んでいく試合。ところが、なんの前触れもなく試合が動いた。時間は41分。流れの中で左サイドへポジションを移していた川村がボールを受けて前を向くと、まるでエアポケットができたかのように自由なスペースが与えられた。迷わず右足を振り抜く川村。ゴールまで25メートル強はあろうかという地点から放たれたシュートは、きれいな弾道を描いてゴールネットへと吸い込まれた。値千金の先制ゴール。アンクラスが1点をリードして後半へ折り返した。
1点を追う高槻は後半から中江真紀に代えて金房夏希を投入。そして、これがゲームの流れを変えることになる。金房が楔のボールを受けて高い位置でボールを落ち着かせることで時間を作れるようになった高槻は、人とボールを動かしながら中盤を作り、そこからアンクラスの最終ラインの裏のスペースを狙う。これで攻守が入れ替わった。アンクラスは守備に走り回り、時折カウンターを繰り出すものの、ゲームの大半はアンクラス陣内で進んでいく。
後半から出場した金房夏希(高槻・左18)。前線でボールを引き出して攻撃のリズムを作ったが・・・
しかし、じっとしていても汗が流れてくる気温が影響したのだろう、互いに懸命に体を動かそうとするのだが、最後のところで動ききれない。攻守は所を変え高槻が主導権を握っているが、得点機会という意味では、前半同様に試合は膠着したまま時間だけが進んでいく。それでも得点差は1点。集中力が欠け、あるいはミスが出れば形成はワンプレーで変わる。負ければ昇格争いから大きく後退する1戦。緊迫した状態は続く。
そして最大の山場が訪れたのは後半のロスタイム。逃げきり体制に入っていたアンクラスがペナルティエリア内で痛恨のファール。ホイッスルが大きく響き、高槻にPKが与えられた。ペナルティスポットにボールをセットするのは櫻井真理子。そして右足を振り抜く。次の瞬間、GK田上が左へ飛んでボールをはじき返した。キッカーは責められない。猛暑の中を90分間走り抜いた試合。誰もが力を使い果たしていた。
これで順位を3位に挙げたアンクラス。しかし、「次のマリーゼ戦が本当に大事。負けたら終わり。勝ち点で千葉に届かない」と河島美絵監督は表情を緩めない。この試合では暑さのために体が動かずに攻撃が停滞したが、左右のMFがスペースを消し、中盤の底にいる山本有里が潰し役になる守備は十分に機能。奪ったボールを両サイドへ展開し、そこから1トップの花田へ当ててタメを作るスタイルが発揮されれば勝機はある。決戦は8月18日、12:00に博多の森球技場でキックオフの笛が鳴る。
福岡のワントップ・花田愛子(左10)。暑さでチームの運動量があがらず孤立。ゴールはならなかった。
一方、敗れた高槻は昇格争いから大きく後退した。「ゾーン、ゾーンではいい場面はあったがトータルのグラウンド全体で見たら連動できなかった」とは細田真砂智監督(高槻)。そしてこう続けた。「1年で復帰という目標は変わらない。そのためにはボールをもっと動かしてタメを作って、2列目からとびだしていく時間を作って、攻撃の緩急をつけられるようにしなければいけない」。苦しい立場に追い込まれたが何も決まったわけではない。ディビジョン1復帰へのチャレンジは、まだ終わらない。
(福岡J・アンクラス)
GK 田上未希
DF 鈴木千賀 藤陽子 内堀律子 板谷麻美
MF 山本有里 川村真理 堤晴菜 正手亜希子(59分/谷原ゆかり) 葛間理代
FW 花田亜衣子
GK 海堀あゆみ
DF 高見恵子 有間由貴子 奥田亜希子 小野村亜矢
MF 久山暖香(75分/櫻田有幾子) 中鍋美里 伊丹絵美 相澤舞衣
FW 中江真紀(HT/金房夏希) 櫻井真理子
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