| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |
| 頑張れ!女子サッカー 07/08/16 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
![]() |
||
| 紺色・大阪市レディースVS白・大商学園 |
![]() |
クラブのプライド、高校の勢い 第11回全日本女子ユース大阪予選 取材・文/ハヤシ ヒロヒサ |
男子サッカーのユース年代では、既にクラブ(特にJ下部組織)が高体連加盟校をレベルでは上回っている。その状態は今後さらに進むだろう。しかし、女子の場合は、逆の流れが生まれつつある。これまで日本の女子サッカーを支えてきたのは主に地域クラブの選手。高校、大学で頑張っているチームもあったが、それは数える程。しかし近年女子サッカーに力を入れる高校が増えて来た。急増しているとまでは言えないが、少しずつだが根を張りつつある。その理由には、少子化に伴い、高校としての「看板」を作る狙いもある。そういった事情はあるにせよ、女子の選手には喜ばしい潮流だろう。
さて、全日本女子ユース関西予選進出のたった1枠を目指す大阪予選では、クラブの強豪と高校の新興勢力が鎬を削る展開となった。
【大商学園高校vs.大阪市レディースFC】
この2年で台頭して来た大商学園(以下、大商)だが、まだ全国の舞台へは姿を現せていない。乗り越えるべき壁の1つがクラブ勢である。一方、迎え撃つ格好になる大阪市レディースFC(以下、大阪L)はスタメンの内5人が中学生。女子のクラブチームらしい構成である。
炎天下の試合が予測されていたが、幸いにも曇天の下キックオフ。開始早々から、互いに主導権を争う流れ。中盤での潰し合い、ぶつかり合いが続く。膠着していると言うよりは、意地の張り合い。誰の目にもほとんど力の差が無いことは明白だ。
そんな中、アーリークロスの多用でリズムを掴んだのは大商。左右からFWへ向けて鋭いクロスが供給される。しかし、大阪Lの守りは堅牢。個々の技術がしっかりしており、浮き球でも、グラウンダーでも、的確に弾き返す。GK河野もキャッチングやプレーの予測など安定感が高くミスをしない。大商のクロスが、大阪Lのゴール前で混戦を生み出すまでには至らなかった。中学生が多いため、大阪Lはフィジカルで苦労するかにも思えたが、むしろ、競り合いでは上回る健闘。ただ、スタミナ面では厳しかったか、徐々に安定感が欠けてくる。
大商はその間隙を突き攻め込むが、FW齋藤のシュートがポストに弾かれるなど決定機を活かせず。前半はスコアレスのまま終了。
後半開始と同時に雲が晴れ、夏場のギラギラした太陽が照りつける。35分ハーフで給水タイムありとは言え、走り勝ったチームがそのままゲームも制する展開もあり得た。それを意識したわけではないだろうが、後半の大商は大阪LのDFライン裏を徹底的に狙う。しかし、大阪Lが勇気を持って高いラインを保持、次々とオフサイドの網にかける。
コンパクトさを得た大阪Lは自慢のショートパスも繋がり始め、反攻。エースの藤原がトップ下でテクニックを発揮し、パスにシュートと大商を脅かし始める。そして53分、その藤原の鮮やかなスルーパスからMF中島がGK藤山と1対1。上手くループシュートで抜いて大阪Lが先制した。
何とか追い付きたい大商は、アーリークロスと裏へのスルーパスを粘り強く継続。59分、ついにそのうちの1本が通る。MF小野のアーリークロスに齋藤がヘッドで合わせて同点に持ち込んだ。
ここからは意地と意地のぶつかり合い。しかし、どちらもビッグチャンスを得ることが出来ずに試合終了。レギュレーションでPK戦となった。キッカーの技術に大差は無かったが、GKは大阪Lが上回った。大商のキックを2本ストップ。PK4−3で大阪Lが試合を制した。ただ、クラブvs.高校の第1ラウンドとしてはドローと見るべき試合。この日の第2試合に、筆者が注目する点の決着はずれ込んだ。
| (大商学園高校) | (大阪市レディースFC) | |||||||
| GK: | 藤山 | GK: | 河野 | |||||
| DF: | 松永、藤本→高橋、網城、谷口 | DF: | 森岡、金光、東田、松尾→山口 | |||||
| MF: | 溝口、岡島、小野、服部→宮村 | MF: | 藤原、三木、金沢→工藤、中島 | |||||
| FW: | 齋藤→今西、北浦 | FW: | 正野、千葉 | |||||
【FCヴィトーリアvs.大阪桐蔭高校】
緑色・大阪桐蔭VS白・ヴィトーリアFC
勝手に「クラブvs.高校、第2ラウンド」と名付けさせてもらったこの試合。昨年のこのトーナメントの覇者FCヴィトーリア(以下、ヴィトーリア)と、今夏の全国高校選手権でも大健闘した大阪桐蔭(以下、桐蔭)がぶつかった。
試合は、開始早々から両サイドのゴール前をボールが往復する展開に。ヴィトーリアはサイド攻撃に活路を見出し、桐蔭はスルーパスでDFラインと駆け引き。今年度これまで両チームが見せてきたカラーそのままで、相手に合わせるリアクションをしなかった。だからこその攻め合いである。
ただ、真っ向から当たるとヴィトーリアの力が上回っていた。実際この試合を観戦に来ていた元女子日本代表で現女子ナショナルトレセンコーチの高倉麻子氏も、試合開始すぐの時点で「1枚か2枚ヴィトーリアが上」との印象を受けられていた。中学生4人が混ざるものの、力強さでは上手のヴィトーリア。12分の先制点もCKからボランチ(登録はDF)の乃一が高さで制した。
それでも、ボール扱いのキックの強さで勝るヴィトーリアに対し、桐蔭は組織的に対抗。粘り強くボールを拾い、ヴィトーリアゴール前に迫り続ける。しかし、ヴィトーリアDFの個の力が桐蔭を封じ込めた。そして前半終了間際、ヴィトーリアの中学生MF尾山沙里がGKをかわして追加点を入れた。2−0で後半へ。
ヴィトーリアは乃一、高橋、川内らで固める守備陣が、技術だけでなくフィジカルも優れており、桐蔭に対して大きな壁として立ちはだかった。ただし、ポジショニングなどには少々の難があった。そこを桐蔭が見事に突く。42分、DFラインでの混戦からエースFW柴田が抜け出し、GK川原の位置をしっかり見極めてループシュートを決めて1−2と反撃の狼煙をあげる。
ここから桐蔭が押せ押せ。柴田を中心にヴィトーリアのゴールに迫りビッグチャンスを連続で掴む。しかし、踏ん張ったのがヴィトーリアGK川原。まさにスーパーなセーブを連発し同点にはさせなかった。ここで点を取れなかったことで、試合の流れは五分五分に。バテもあったか、カウンターの応酬になる。こうなると個人で勝るヴィトーリアに分がある。試合を決めてしまう決定機を立て続けに迎えた。ただ、最後のところで決めきれず。命拾いした桐蔭だが、反撃の余力はなし。2−1でヴィトーリアが地力の差を示した。しかし、この差は1年で逆転する範囲でもある。
| (FCヴィトーリア) | (大阪桐蔭高校) | |||||||
| GK: | 川原 | GK: | 倉田 | |||||
| DF: | 乃一、高橋、坂口→池田、浦谷 | DF: | 山田、佐々木、田中(由)、吉田 | |||||
| MF: | 川内、坂井、尾山(沙里)→高井、高野 | MF: | 佐藤、齋藤→古木、坂口→田中(姿)、寺本→村川 | |||||
| FW: | 尾山(沙希)、中島 | FW: | 新町、柴田 | |||||
クラブvs.高校の勢力図を眺めるために取材したこの2試合。僅かにクラブが上回ったが、高校勢もまだ1,2年生主体。3学年揃う来年が見モノ。両者が切磋琢磨すればレベルは向上する。また、高倉氏が視察に来られて、高い評価をした選手も数名おり、大阪の女子サッカーの今後には明るい兆しが広がっている。
| <前へ|次へ|indexへ> |
| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |