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 頑張れ!女子サッカー 07/08/26 (日) <前へ次へindexへ>
アンクラスの狙いは1−0の勝利だったが・・・

 アンクラス、力及ばず。マリーゼが5−0で順当勝ち
 

 取材・文/中倉一志
2007mocなでしこリーグ ディビジョン2 第12節 福岡J・アンクラスvs.東京電力女子サッカー部マリーゼ
2007年8月18日(土)12:00キックオフ 東平尾公園博多の森球技場 観衆:503人
試合結果/福岡J・アンクラス0−5東京電力女子サッカー部マリーゼ(前0−4、後0−1)
得点経過/[マリーゼ]本間(4分)、丸山(22分)、鮫島(29分)、丸山(32分)、神原(63分)


 九州特有の強い日差しが博多の森球技場に降り注ぐ。そんな中、なでしこリーグ参戦2年目を迎える福岡J・アンクラスが東京電力女子サッカー部マリーゼを迎える。マリーゼは1年でのディビジョン1復帰を目指す強豪チーム。ここまで12試合を戦って10勝2分と負けておらず、得点43、失点2と抜群の安定感と攻撃力を兼ね備え首位を独走している。抜群の特典能力を持つ本間真喜子、丸山桂里奈の2トップと、それを操る鮫島彩で構成する攻撃陣は破壊力満点。アンクラスにとっては、非常に難しい相手と言える。

 迎え撃つアンクラスは7勝2分3敗の3位。首位のマリーゼに9、1試合多く消化している2位の市原には7の勝ち点差をつけられており、L1昇格を果たすためには、もう1敗もできない状況に追い込まれている。しかし、マリーゼとの第1クールの対戦では、今シーズンの強みである中盤の守備が機能。完全アウェーの中で戦いながら0−0の引き分けに持ち込んだ。前回の戦い方をベースにして強豪相手に勝ち点3を奪うことを目指す。



ゲームをリードする先制点を決めた本間真喜子(白)
 立ち上がり、リズムを刻んで前に出るのはアンクラス。高い位置でボールを奪い、サイドから積極的に仕掛けてゴールを目指す。猛暑の中の戦いも福岡にとっては好都合。観客からも期待を込めた声援が送られる。しかし4分、この日初めて訪れた得点のチャンスをマリーゼが活かした。左サイドへ回り込んだボランチの松野みどりのクロスボールは平凡なものだったが、これをカットしようとした内堀律子が後逸。そしてボールが本間の足もとに収まる。躊躇なく振り抜かれる左足。次の瞬間、ゴールネットが大きく揺れた。

「今日の狙いは1−0の勝利」(河島美絵監督・アンクラス)。しかし、それも予想もしないミスと、それを確実に得点に結びつけるマリーゼの前に、いとも簡単に崩れた。時間はまだたっぷりと残されている。反撃の機会はいくらでも作れた時間帯だったが、アンクラスイレブンの意気消沈振りは手にとって分かるほど。逆に言えば、それだけマリーゼに隙がないということ。相手の実力を知るからこそ、1点の重みが大きくのしかかったのかも知れない。

 そして、ここからはマリーゼのペース。前に出られなくなったアンクラスを睨みながら最終ラインでボールをまわし、中盤にギャップができたところにスルーパスを通して2トップが走りこむ。そして22分。鮫島からパスを受けた丸山がDFに疲れながらもゴリゴリと中央を突破して追加点を挙げると、29分には丸山からのパスを受けて鮫島が決める。さらに32分、右サイドをオーバーラップした中村真実からのクロスを丸山が頭で決めて4−0。前回の試合を払拭する内容で前半を終えた。



パワーあれる突破を随所に見せた丸山桂里奈(白)
 アンクラスにしてみれば、せめて最少失点で凌ぎたかったところだが、あっけなく取られた1点目と、マークについていたにも拘わらず、丸山の強引なまでの縦の突破でやられた2点目は、地力の違いをまざまざと見せ付けられたもの。その後、ズルズルと失点を重ねたのは諦めにも似た気持ちが心の中にわいてしまったのかも知れない。4点はあまりにも大きすぎるビハインド。しかし、諦めることは許されない。アンクラスは3バックにして一縷の望みを託す。

 しかし、流れは変わらず。前半と同様に、マリーゼはゆったりと最終ラインでボールを回してはギャップを見つけて中へ。そして鮫島が軽快なボールタッチからスルーパスを狙う。何とか食いついていくアンクラスは追加点こそ許さないが、前に出る力は生まれない。そして次のゴールもマリーゼに生まれた。63分、松野のパスを受けて裏へ抜け出した神原史が飛び出すGKの目の前でボールを触ってゴールの中へ。5−0。マリーゼの容赦ない攻撃の前にアンクラスは抵抗することもできなかった。

 しかし、さすがに暑かったのだろう。あるいは勝利を確信して気持ちが緩んだのかも知れない。5点目を奪った直後から、マリーゼのパス回しにミスが目立ち始める。そして、ようやくアンクラスが前に出る時間帯がやってくる。しかし、鉄壁の守備を誇るマリーゼは最後のところは突破を許さず。アンクラスが放った際どいシュートはわずかにポストからそれた。終盤には内堀律子を前線に上げてパワープレーを仕掛けたアンクラスだったが、それも実らず。試合は5−0のままマリーゼが勝利を手に入れた。



後半に入ってから攻め込んだアンクラスだが力及ばず
「引いて守ってカウンターという形ではなく、前から仕掛けて、たくさん点を取ることが狙いだった」とは中村(マリーゼ)。終盤は攻撃が単調になってカウンターを喰らう場面もあったが、狙い通りの改心の試合といっていいだろう。これで2位の千葉との差は8試合を残して勝ち点5。マリーゼはL1復帰に向けて着々とあゆみを進めている。「次節(8/26)の高槻には第1クールは1−0で勝っているが、もっと点を取って勝ちたい」(同)。L1復帰を目指すマリーゼに隙はなさそうだ。

 一方、L1昇格へのわずかな望みをかけて戦ったアンクラスは、この日の敗戦で昇格争いから大きく後退。いつになく厳しい表情を見せる河島監督の姿が、それを物語る。しかし、可能性がある限り最後まで諦めずに戦うのがアンクラスのスタイル。「いま止めてしまったら次に何もつながらない。1年間が終わるまで、L1を目指して最後まで戦っていきたい」(正手亜希子)。重い敗戦を糧にして、再び戦いの道を進む。








(福岡J・アンクラス) (東京電力女子サッカー部マリーゼ)
GK: 田上未希 GK: 増田亜矢子
DF: 鈴木千賀(41分/谷原ゆかり) 藤陽子 内堀律子 板谷麻美 DF: 中村真実 宮崎有香 北郷裕子 池田瑞穂(61分/早坂優)
MF: 川村真理 堤晴菜 山本有里 正手亜希子(70分/阿比留麻由) 葛間理代 MF: 松野みどり 鮫島彩 上辻佑実(HT/神原史) 五十嵐章恵
FW: 花田亜衣子 FW: 本間真喜子 丸山桂里奈(78分/森田牧子)
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