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 頑張れ!女子サッカー 07/10/13 (土) <前へ次へindexへ>
貴重な先制点をたたき出してチームをリズムに乗せた花田愛子(オレンジ10)

 追い込みの第3クール。福岡が京都を下して好スタート。
 

 取材・文/中倉一志
mocなでしこリーグ2007 ディビジョン2 第15節 福岡J・アンクラスvs.バニーズ京都
2007年10月8日(祝・月)12:00キックオフ 東平尾公園博多の森陸上補助競技場
試合結果/福岡J・アンクラス2−1バニーズ京都(前1−0、後1−1)
得点経過/[福岡]花田(32分)、谷原(59分)、[京都]天満(88分)


 第12節を終えた段階で首位のマリーゼに勝ち点12、2位の千葉に勝ち点7の差をつけられ、来シーズンからのディビジョン1昇格の夢が潰えたかに思えた福岡J・アンクラス。しかし、サッカーは本当に分からない。第14節、千葉が下位の京都に取りこぼしたために2位との差は勝ち点4に。入れ替え戦の権利を得られる2位を再び射程圏内に捉えた。残り試合は7。下位チーム相手に確実に勝ち点を重ね、マリーゼ、千葉との直接対決にすべてをかける。

 博多の森に乗り込んできた京都は勝ち点21の6位。ホームタウンを京都に移して2年目のシーズンになるが、残念ながらディビジョン1復帰は難しい状況にある。しかし、コツコツと力を蓄えてきたチームは着実に実力を伸ばしており、第1クールは2勝5敗の成績も、第2クールは5勝2敗の成績を挙げ、ディビジョン2では2番目の成績を残した。第3クールはチームの勢いを本物の力に変えるステージ。前節の千葉戦に続き、2節連続で上位チームからの勝ち星を狙う。



終了間際に追撃弾を決めた天満舞。しかし、あと一歩が及ばなかった
 立ち上がりの主導権は福岡。トレードマークになった高いラインをハーフウェイライン近くに置き、中盤でプレスをかけてボールを奪う。試合は早くもハーフコートゲームの様相を呈している。ただし、福岡は、この日も奪った後の2列目の飛び出しが上手くいかない。いい形でボールを奪ってもチャンスを広げることが出来ず、前線の谷原ゆかりも孤立気味。右からの仕掛けは、道下愛子のカバーリングにことごとく阻まれた。福岡はシュートにたどり着けない欲求不満の時間が続く。

 京都の反撃は15分を過ぎてから。攻め続けてもゴールが奪えなければリズムが崩れるのはサッカーの常。福岡の中盤でのアプローチが遅れはじめたことでリズムが京都へと移る。京都の狙いは高いラインの裏へボールを放り込んで、今枝梢、渡辺樹里、榎木園美加を走りこませるというもの。中でも、左SB細川元代の左足から繰り出されるロングボールは脅威。低く、速く、そして前線にピンポイントで合う正確なキックは、おそらく、ディビジョン1を含めても右に出るものはいないだろう。

 しかし福岡も、このまま主導権を奪われたままではいられない。両サイドハーフの位置を入れ替えて、京都の起点になっていた細川を抑えにかかった。そして試合のリズムが落ち着き始めた35分、右から放たれたCKに花田愛子がゴール前中央で頭を合わせてゴールネットを揺らした。そして43分の葛間理代のループシュートはクロスバーに阻まれたものの、再び主導権を奪い返した。前半は1−0、福岡のリードで折り返した。



駆け付けたサポーターに挨拶する京都。サポーターの声援は、いつでも選手たちの力の源だ
 福岡は後半に入ると、京都のロングボールに合わせて最終ラインを一段低く設定。相手を誘い出しながらゲームをコントロールしにかかる。京都は50分、榎木園が決定的なシュートを放ったもの、その後はシュートを打たせてもらえない時間帯が続く。攻めているように見えて決して相手を崩せない。裏に飛び出すだけではなく、もうひとつ、ふたつ攻め手があれば違った戦いにもなったのだろうが・・・。試合の流れは福岡が確実にコントロールしていた。

 そして59分、福岡に試合を決める2点目が生まれる。GK上野友紀子殻のパスを受けた道下が大きくトラップミス。そのボールにすかさず反応したのは谷原ゆかり。ゴール前でルーズになったボールを難なくゴールへ流し込んだ。勘のいいカバーリングとポジショニングで最終ラインをコントロールしていた道下にとっては、悔やんでも悔やみきれないミスだった。しかし、これがサッカー。たった一つのミスが試合の行方を決定付けてしまうものだ。

 残り時間はおよそ30分。しかし、何度も、何度も裏への飛び出しを繰り返していた京都に体力は残っていなかった。そして、フィジカルに絶対的な自信を持つ福岡がゲームをコントロールすることは難しいことではなかった。88分、京都はカウンターから天満舞が1点を返したものの反撃もここまで。その直後に得た左サイドでのFKもゴールに結び付けられず、結局2−1のまま福岡が試合を終わらせた。



試合後に行われた恒例のプレゼント抽選会でノリノリの谷原ゆかり。この日は試合を決定づける2点目を決めた。
 結果は福岡の順当勝ち。ラインを高く保ってコンパクトなゾーンを形成し、中盤でボールを奪い取る形は、すっかり自分たちのものになったようだ。しかし、課題はそこから先だ。「ボールは奪えるけれども、2列目が上がってきたり、スペースに飛びたしたりするプレーが欲しい。ボールを奪えそうになった時の次のプレーへの準備が遅い。ポイントはスタートの2、3歩のところだと思います」とは河島美絵監督。一歩上のレベルへ進むためには乗り越えなければいけない壁だ。

 それでも、内堀律子、川村真理の2人が「AFC U-19女子選手権中国2007」に参加中のため、主力2人を欠いての戦いで勝ち点3を確実に積み重ねたことは評価に値するだろう。内堀、川村は次節の狭山戦も欠場することになるが、その次に待っている市原との戦いを大一番にするためには狭山との戦いでも勝ち点3を取ることが絶対条件。今シーズン1勝1敗と互角の相手にどんなサッカーができるのか。福岡の真価が問われる試合になる。

 そして敗れた京都。裏に飛び出すパターンに加えて、もう少し手数があればの思いもあるが、それでも、自分たちのパターンに持ち込めれば充分に戦える力はある。第2クールの成績も、市原を破った実績も決してフロックではないことを示した。第3クールも好成績を残せる可能性は高い。そして左SBの細川。経験不足からか後半は自由にプレーをさせてもらえなかったが、そのキック力は特筆すべきもの。実践の中でどこまで 成長するか楽しみにしたい。



(福岡J・アンクラス) (バニーズ京都)
GK: 田上未希 GK: 上野友紀子
DF: 山本有里 鈴木千賀 藤陽子 板谷麻美 DF: 鈴木舞子 阿漕洋子 道下愛子 細川元代
MF: 後藤あずさ(61分/下條彩) 堤晴菜 正手亜希子 葛間理代 花田亜衣子 MF: 榎木園美加 近藤朋香 成田麻希(60分/竹下由起) 天満舞
FW: 谷原ゆかり(77分/猶本光) FW: 今枝梢 渡辺樹里
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