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| 頑張れ!女子サッカー 07/10/17 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
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| 流れの中から、セットプレーからと北海道を責め立てる埼玉 |
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埼玉が北海道を一蹴。準決勝へ進む。 第62回国民体育大会 女子準々決勝 北海道vs.埼玉県 取材・文/中倉一志 |
2007年10月2日(月)11:00キックオフ 仁賀保運動公園多目的広場 観衆:600人 天候:晴
試合結果/北海道2−10埼玉県(前1−4、後1−6)
得点経過/[埼玉]佐藤(2分)、若林(22分)、佐藤(25分、31分)、[北海道]小松(34分)、[埼玉]窪田(42分)、北本(44分)、田代(57分、59分)、[北海道]近藤(63分)、[埼玉]堀田(65分)、窪田(69分)
「なでしこリーグの選手が国体に出るのはどうなんでしょうか。試合を見ていると10−0とか大量得点の試合が目立ちますけれども、要するに勝つチームがあらかじめ決まっているということでしょう。国体の意義からすれば、出場するべきではないと思うんですけれど」。仁賀保運動公園多目的広場へ向かうシャトルバスの中で、同じく国体を取材にやってきたメディアの方から話しかけられた。
スポーツの国際化が進み、日本でのスポーツ環境が変化していくのに伴い、日本体育協会は2003年に「国体改革2003」を発表したが、その中で、国体を「ジュニアからトップアスリートを含む幅広い競技者層を対象に競技者の発掘・育成の場として、充実・活性化の促進」と位置付けたことを言っているようだった。戦う前から大差がつくことが分かっているような対戦では育成の場にならないし、争う必要がないほどの実力者が競技者の発掘を目的としている大会に出ることはないだろうということなのだろう。
しかし、その一方で「国体改革2003」は、スポーツの国際大会に備えるためにトップアスリートが国体に参加しづらくなっていることを解決しなければならない課題として挙げ、国体を国内最高の大会に再構築することもうたっている。そういう意味では、なでしこリーグの選手が出場することは歓迎されるべきこととも言える。また、女子サッカーを見たことがある方ならお分かりだろうが、どれだけ力の差があっても、彼女たちは手を抜かないし、諦めもしない。大会そのものが少ない女子サッカーにあって、どんな相手であろうと真剣勝負を繰り広げられる場所は、発掘・育成にとって欠かせない場所だ。
そして、女子サッカーに魅かれる多くの方たちが同様に口にするのが、彼女たちの一生懸命さ。その姿はスポーツの本来のあり方を我々に問いかけるものであり、それがある限り、互いの実力差も、スコアの差も気にはならない。大量得点差=消化試合という概念は女子サッカーにはふさわしくない。そして、この日行われた第1試合は、まさにそういう試合になった。
窪田飛鳥(赤・左)に、しつこく喰らいつく波佐谷唯 貴重なゴールを挙げた小松良子(中央11)
なでしこリーグ所属チームがない北海道は、地元クラブチームと高校生からの純然たる選抜チーム。そして埼玉は、なでしこジャパンのメンバー4人が欠けているとはいえ、浦和レッズレディース主体のチーム。なでしこリーグで優勝争いをするチームの層は厚く、なでしこジャパンの4名を欠いているとはいえ、変わりに出場する選手の実力も非常に高い。キックオフの笛が鳴ってすぐ、互いの力関係に歴然たる差があることが分かる。
北海道はダブルボランチの近藤由美と阿部礼が高い位置からプレスをかけ、バイタルエリアに入ってくる埼玉のFWをCBが潰しに行く作戦。引けばやられるのは分かっている。それならば高い位置からアグレッシブに仕掛けようということなのだろう。しかし埼玉はびくともしない。北海道のボランチとCBのプレスを易々とかいくぐってバイタルエリアに侵入。北海道が内側に絞ればサイドへ展開してスペースを使う。力を全く抜かない埼玉が、これでもかとばかりに北海道を押し込んでいく。
試合は開始直後の2分に埼玉が先制。その後北海道が粘り強く守る時間を経て、22分、25分、31分と着々と追加点を挙げていく。一切、手を抜かない埼玉の攻撃に北海道はたじたじ。いつ集中力が切れてもおかしくない展開だ。しかし34分、北海道は一瞬のチャンスをゴールに結びつけた。阿部礼、福井しほりとつないで、さらに福井から小松良子へラストパス。小松の振り抜いた右足がゴールを捉えた。押し込まれても、触れ回されても、ゴールに向かって走り続けた結果のゴールだった。
後半に入ると埼玉は4人をまとめて交代。優勝するためには4日で4試合というハードスケジュールをこなさなければならず、フィジカル面を考慮しての交代だった。しかし、時間つぶしなどする気は毛頭ない。再び北海道に襲いかかってゴールを重ねる。42分、44分、57分、59分。情け容赦ない攻撃に、走り回っていた北海道も、さすがに運動量が落ち、集中力を欠くプレーが見え始める。
だが、北海道は死んではいなかった。埼玉ゴール前左側で、埼玉のクリアミスを拾った近藤由美が素早くボールをコントロールして右足を一閃。ミドルレンジから放ったシュートがゴールネットを揺らした。それでも勝負はすでに付いている。ここから先は、ゲームをコントロールして終わらせるという選択も埼玉にはあったはずだ。しかし、攻め続けることを埼玉はやめない。そして65分、69分にも追加点。最終スコアを10-2として埼玉がベスト4進出を決めた。
女子サッカーの試合を見ていると、そこまでフルパワーで戦う必要はないのではないかと思うこともある。どのチームも立ち上がりからフルパワーで戦い、最後まで、その勢いのままに走り続ける。この傾向は実力が高いか、低いかに変わりはないようだ。力を入れる時間帯と、抜く時間帯があってもいいのではないかと思うことがないわけではないが、とにかく走り続ける姿勢は、スポーツの原点のようなものを思い出させてくれる。この日の北海道も、埼玉も、それを教えてくれた。
どんなときにも手を抜かない。それが彼女たちの魅力だ
スコアだけを見れば、北海道は課題ばかりが残ったということになるのだろう。見方によっては、ここまで差がつけば課題どころか、それ以前の問題という声も聞こえてくるかもしれない。しかし、なでしこリーグに所属していないチームが、なでしこリーグのチームと公式戦を戦えるのは、年に1回あるかないか。日本のトップレベルの実力を肌で感じたことは決して無駄にはならないはずだ。そして、強豪相手に最後までゴールに対する欲求を表現し続けた末にゴールを奪った小松と近藤の両ベテランの姿勢は、チームの若い選手に何かを与えたに違いない。
| (北海道) | (埼玉県) | |||||||
| GK: | 小林富樹子(62分/花房敬恵) | GK: | 大谷明香(68分/池田咲紀子) | |||||
| DF: | 波佐谷唯 岩谷恵里 堀佳奈子 小野田莉子 | DF: | 木原梢 森本麻衣子 笠井香織(HT/田代久美子) 西口柄早(HT/堀田えり子) | |||||
| MF: | 山口葵(18分/森美里→60分/澤田一恵) 近藤由美 阿部礼 堀麻真以子 | MF: | 保坂のどか(HT/高橋彩子) 庭田亜樹子 佐藤舞 岩倉三恵 | |||||
| FW: | 小松良子 福井しほり | FW: | 窪田飛鳥 若林エリ(HT/北本綾子) | |||||
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