| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |
| 頑張れ!女子サッカー 07/10/24 (水) | <前へ|次へ|indexへ> |
![]() |
||
| 上海の海側には、未来都市風の高層建築物が立ち並んでいる。 |
![]() |
円熟のドイツ、発展途上のブラジルを降し、史上初の大会連覇。 〜その3〜 取材・文/西森彰 |
ドイツの守備をブラジルがこじ開けようとする。その流れで、前半の45分間は推移した。ボールポゼッションでも、チャンスの回数でもブラジルが上回っていた。
特に決定的だったのは24分のシーン。浮き球をドイツDFが頭でクリアしたところを、ダニエラが左足で叩く。完全にミートしたボレーシュートは、左のゴールポストを直撃。こぼれ球を拾ったクリスチャーネが右から入れると、ファーサイドで再びフリーになったダニエラのところへ。だが、このヘディングシュートも枠を外れる。
ブラジルは43分にも、マルタの右CKから2次攻撃でドイツゴールに迫った。そして一連の流れで左に流れていた右サイドハーフのエライーネが、ドイツDF2枚を交わして中央へ切り込む。完全にゴールへの視界は開けていたが、その瞬間、シュートをためらってしまった。プレッシャーがかかったのか、あまりにもきれいにシュートコースがあったことに驚いてしまったのか。いずれにしろ、その躊躇は高価についた。
「我々は前半から、クリエイティブにより多くのチャンスを作った。ただ、最後の部分で上手くいかなかった…」
ブラジル代表のジョルジェ・ルイス・バルセロス・マルチンス監督は、イニシアチブを握っていた前半に得点できなかったことを悔やんだ。いくつもチャンスはあった。しかし、そこにマルタとクリスチャーネのふたりはいなかった。世界で最も危険な2トップを封じることに徹したドイツの深謀遠慮が、ここでモノを言ったのである。
そして、ハーフタイムを挟んだ後半、いよいよドイツが前に力をかけてきた。試合の序盤でブラジルがやっていたように、FWが相手ボールをしつこく追い回し始めた。そして、後方の選手たちはきっちりとコンパクトな守備ブロックを維持し、ボールを奪う。このシフトチェンジにブラジルはやや面食らった。両チームが織り成してきた戦いに、微妙な歪みが生じた。
カナリアたちは、ドイツ製の籠に押し込められた(写真は出荷される鳩)。
そして52分、そのフォアチェックから、試合を左右するゴールが生まれる。苦し紛れのパスをリンゴアがカットすると、右にはたき、これをシュテーゲマンが縦に入れる。エンドライン手前で受け手になったのはサンドラ・シュミシェク。ブラジルのDFもついてくる中、右足で懸命にトラップ。球速を殺すと、そのままもう一度右足を軸にクルリと回転して、左足で中央に折り返す。
ゴール正面はエアポケットになったかのように、誰もいなかった。前回得点女王のビルギット・プリンツ以外は。日本戦、ノルウェー戦(記録上はオウンゴール)と勝利をもたらす決定的なファーストゴールを挙げてきたエースは、プレッシャーがないかのように右足を振り抜き、ブラジルゴールを陥れた。
ブラジルのマルチンス監督は「最後の部分で上手くいかなかった我々に対し、ドイツは最初のチャンスをモノにした」と嘆き、ナイド監督は「ビルギット・プリンツは偉大な選手。ひとりでゲームを決めることができる」とエースを讃えた。最も重要なゴール、先制点は、ドイツのエースが奪ったのである。
1点を奪った後も、ドイツは、マルタとクリスチャーネにほとんど仕事をさせなかった。「ゴール付近ではマルタに仕事をさせない。彼女をサイドに追いやる」。ナイド監督のタクティクスを、ドイツはチーム全体でほとんどパーフェクトに遂行した。だが、ことサッカーにおいてはどれだけきっちりと守備をしても、90分間に数回はヒヤリとする場面がある。このゲームでも62分、その場面が訪れた。
| <前へ|次へ|indexへ> |
| |top|news|column|history|special|f-cafe|about 2002w|BBS|mail to|link| |