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| 頑張れ!女子サッカー 07/10/30 (火) | <前へ|次へ|indexへ> |
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円熟のドイツ、発展途上のブラジルを降し、史上初の大会連覇。 その4 取材・文/西森彰 |
準決勝まで無失点と、守備の堅さをイメージさせる今大会のドイツだが、最初からうまくいっていた訳ではなかった。
「大会が始まるまでは、これだけディフェンスが機能するとは思っていませんでした。21人のひとりひとりが最良の守備を考え、それがチーム力を向上させました」(シルヴィア・ナイド監督)
どの試合後の記者会見でも、ナイド監督が口にしたのは「選手たちがよく走った」というフレーズ。各員が義務を果たすことを評価し、選手たちもそれによって守備の意欲を高めていった。
中盤の底でドイツの守備を支え続けたシモーネ・ラウデールに「クリーンシートへ一番貢献したのはあなただと思います」と言うと「よく走った結果だと思います。私だけじゃありません。無失点を続けられたのは、私たちのチーム全員がよく走り、そしてよく守ったからだと思います」。決勝戦でも62分までは、チーム全員の力でブラジルの攻撃を封じ込んできた。
しかし、その瞬間が訪れる。最終ラインの後ろに入れたフォルミガのロビングに、前線のクリスチャーネが反応。ゴール正面から突進する。右から寄せたブレゾニクが左足を伸ばす。そしてボールを奪ったかに見えたが、その瞬間に笛が吹かれた。ボールを奪いに行った左足は、その直前にクリスチャーネの足に接触し、これを転倒させていた。場所は完全にペナルティエリアの中。
「『それを流しちゃうの?』っていうところもあるし、『え、それをとっちゃうの?』っていうところで笛を吹くこともある。そしていろいろ(騒動に)巻き込まれそうになるんですけれども、そこも上手く切り抜けられる」(吉澤久恵国際女子副審)
ここまでダイブ気味のプレーを流し続けてきたオーストラリアの主審は、自信を持ってペナルティスポットを指差し、ブレゾニクにイエローカードを示した。レフェリーにアピールしようと集まるドイツの選手たち。そして歓喜の表情と共に、倒れたクリスチャーネの元に駆け寄るブラジルの選手たち。ピッチ上は一瞬、混乱した。
ブラジルのマルチンス監督は、ここで抜け目なく、選手交代を行う。ボランチのエステルを下げてロサーナを投入。やや疲れが見える左SHのマイコンとポジションを入れ替え、サイドに起点を作る狙いだ。もちろん、一連の騒動の中での交代は相手にとってわかりにくく、さらにPKで追いつかれたショックが、マークのズレを生むことも想定していたはずだ。
しかし…。
クリスチャーネが倒されてから、混乱が収まるまで2分あまりの時間がかかった。ゴールラインから9.15m離れたポイントにボールをセットしたのは、もちろんマルタだった。開戦後、嫌というほど立ちはだかってきた邪魔なDFもいない。ゴールを守るのはナディーネ・アンゲラーただひとり。マルタにとっても、ブラジルチームにとっても、待ちに待った場面がやって来たのである。
助走に入り、効き足である左足のインサイドで、確実に枠を狙った。ややコースが甘くなった。スピードも足りなかった。そしてボールの向かう方向には、アンゲラーが飛んでいた。これまで常にチームを救ってきたストライカーのキックは、チームメートに助けられてきたGKに阻まれた。
「蹴られてから飛んだのではとても間に合わないので、蹴る前にどちらに飛ぶか決めていた。『右だ!』と」
大一番で、アンゲラーの第6感は冴えまくった。マルタのPKを止めた3分後、ダニエラが蹴ったゴール左隅への完璧なFKも、まるでそこにボールが来るのを知っていたかのようにセーブしてしまう。
僅かな時間で2回の決定機を逸したブラジルのショックは大きかった。数人の選手たちが集中力を欠き始めた。そしてビッグセーブを連発したGKの雄たけびは、ドイツの士気を高めた。事実上、勝負はここで決着した。
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