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 頑張れ!女子サッカー 07/11/01 (木) <前へ次へindexへ>
昨年まで福岡に在籍した深澤。貴重な決勝ゴールを叩きだした。

 直接対決を制したのは市原・千葉。福岡は昇格争いから後退。
 

 取材・文/中倉一志
mocなでしこリーグ2007 ディビジョン2 第17節 福岡J・アンクラスvs.ジェフユナイテッド市原・千葉レディース

2007年10月21日(日)12:00キックオフ 宇美総合スポーツ公園 観衆:280人 天候:晴
試合結果/福岡J・アンクラス0−1ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(前0−1、後0−0)
得点経過/[市原・千葉]深澤(34分)


 第16節の狭山戦で敗れたために、再び2位のジェフユナイテッド市原・千葉レディースとの勝ち差が7に開いた福岡J・アンクラス。この日を含めて、残り5試合にディビジョン1昇格をかけるためには、市原・千葉との直接対決に勝利することが最低条件。いわゆる、今シーズンの行方を左右する大一番を迎えた。水曜日に、AFC U-19女子選手権中国2007から帰国した内堀律子、川村真里も合流し、3試合ぶりのベスト布陣で戦いを迎える。

 一方、「捨て試合は一切ない。我々は21試合が完全に終わるまで手を抜くことは出来ない。その結果の中でどうだったかが評価される」とは里内猛監督(市原・千葉)。3位との直接対決を制すれば、入れ替え戦の権利が与えられる2位の位置を確保することが濃厚になることは間違いないが、それでも里内監督は、あくまでも21試合の中の1試合と捉える。その積み重ねの結果が2位以内確保であり、ディビジョン1への昇格へとつながる。



後半からボランチの位置に入って流れを変えた板谷(オレンジ・20)だったが・・・。
 市原・千葉の1勝1分で迎えた3戦目の戦い。その試合の主導権を最初に握ったのは市原・千葉だった。狙いは両サイドのスペースを使うこと。福岡のワンボランチの正手亜希子の左右に出来るスペースに入り込む三上尚子が楔のボールを受けて起点を作り、この日は右サイドでプレーした清水由香がスピードを生かして縦に勝負を仕掛ける。それを支えるのは中盤の流動性。ポジションにこだわらず流れるように人とボールを動かしていく。そして最終ラインで構える柴田里美が攻守に絡んでゲームをコントロールする。

 福岡は市原・千葉の流動的な動きに惑わされて中盤でボールが捕まえられない。高いラインとコンパクトなゾーンをベースにして中盤で追い込む守備が持ち味の福岡だが、この日は、その特徴が消えてしまった。「おそらく、今シーズンで一番悪い出来だった」と河島美絵監督は顔を曇らせた。裏へのラストパス、あるいは裏への突破を防ぐことで失点は許さなかったが前に出ることは叶わず。チャンスらしいチャンスを作ることができない。

 そして試合が動いたのは34分。スローインを受けて右サイドを駆け上がった深澤里沙が上げたクロスボールが、フワフワと、そしてGKがジャンプしても届かない微妙な位置を通過して左サイドネットへと吸い込まれた。女子サッカーにおいて、GKが最も取りにくいコース。ナイスセーブを見せていた田上未希にとっては不運なゴールだった。しかし、試合の主導権を握られ続けていては、こういうゴールも生まれるものだ。



激しく競り合う河村(左)と葛間(右)。
 後半に入ると、福岡は1トップの谷原ゆかりに代えて板谷麻美を投入。板谷をワンボランチに置き、花田亜衣子をトップ、川村を右サイド、正手亜希子をトップ下の位置に置く。そして、ここから本来のアグレッシブなプレースタイルが蘇った。「相手の仕掛けが早くなって、こちらが後手、後手になりだしたところで、こちらも楔が入っても溜められないという怖い状況が出てきた。どっちに転んでもおかしくなかった」とは里内猛監督(市原・千葉)。前半とは違って、福岡が前に出る形で試合が進んでいく。

 福岡にとって悔やまれるのは、ここから先だった。「ボールを奪えそうになったときに自分がマークについている選手の前に出ろ、それで数的な優位が出来るという話をしていたが、全然、出来ていなかった」(河島監督)。奪ったボールを、いかにいい攻撃につなげるかが福岡の課題だが、この日もそれが解決しない。さらにミスも手伝って、相手を押し込んでいながら、裏を取られてピンチを招くシーンも多い。

 ディビジョン1昇格の可能性を残すためには勝つことが必要な福岡は、川村の1トップに布陣を変更し、さらには残り15分となったところで内堀を前線へ。パワープレーを仕掛けて、U-19日本女子代表の2人の個人技にかけてゴールを狙う。しかし、ボールがトップに入らず2人の個人技を活かすこともできない。ほとんどの時間帯を市原・千葉陣内で過ごし、相手を押し込み続けた福岡だったが、ゴールを奪うための、あと一歩の力強さ、あと一歩の集中力に欠けた。



U-19代表の川村(中央23)はチーム最多の6本のシュートを放つもゴールならず。
 結局、試合はこのまま終了。互いにとって今後の昇格争いを左右する大一番は、市原・千葉が制した。「結果としては1−0で勝ったが、1−1、あるいは2−1にされてもおかしくなかった。最後のところでみんな踏ん張れたので最後は体裁が整えられたが、どちらに転んでもおかしくない試合だった」とは里内監督(市原・千葉)。それでも、接戦をものにするのが強いチーム。対戦成績で2勝1分と福岡に勝ち星を許さなかったのは、わずかに見えて確実な差が存在していると言えるだろう。

 この試合の翌週には首位・マリーゼと戦った市原・千葉は、「目の前で昇格をやすやすと許してしまうことはリーグ戦のなかで喜ばしいことではない。相手の0敗というところに、まず1という数字をつけよう」(同)と臨んだが、残念ながら0−3で敗戦。目の前で昇格を許す結果になった。それでも、入れ替え戦の権利が得られる2位以内は確実に視野に捉えている。残るは3試合。後は確実に歩を進めるだけになった。

 一方のアンクラスは、翌節のルネサンス熊本戦に2−0で勝利。3試合を残して市原・千葉との勝ち点差を7として僅かな可能性を残した。市原・千葉戦後、「自分は納得していません。最後のフィニィッシュとかを、もう少し決めるようにならないと。最後まで戦います。それしかないですね」と話していた川村は、熊本戦で自らゴールネットを揺らして意地を見せた。今シーズン無敗のマリーゼとの戦いを残している福岡にとって、市原・千葉を逆転するのは非常に厳しいと言わざるを得ないが、それでも最後まであきらめずに戦うのが福岡のスタイル。そして、それを実践することがチームのさらなる成長へとつながっていく。

(福岡J・アンクラス) (ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
GK: 田上未希 GK: 伊藤美華
DF: 山本有里 内堀律子 藤陽子 鈴木千賀 DF: 河村真理子 阿部麻美 柴田里美 浅野麻衣子
MF: 正手亜希子 花田亜衣子 堤晴菜 川村真理 葛間理代(72分/後藤あずさ) MF: 清水由香 金野結子 三上尚子(74分/安田有希) 井上由惟子
FW: 谷原ゆかり(45分/板谷麻美) FW: 石田美穂子(72分/小林菜摘) 深澤里沙
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