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| 頑張れ!女子サッカー 07/12/27 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
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| 雨中の決戦。吉備国大の見当が光った。 |
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飛車角落ちもTASAKIの順当勝ち。そして光った吉備国大の健闘。 取材・文/中倉一志 |
第29回全日本女子サッカー選手権大会 3回戦 TASAKIペルーレFCvs.吉備国際大学
2007年12月22日(土)13:30キックオフ 広島県営広島スタジアム 観衆:243人 天候:雨
試合結果/TASAKIペルーレFC1−0吉備国際大学(前0−0、後1−0)
得点経過/[TASAKI]山本(70分)
広島スタジアムで行われた3回戦第2試合は、なでしこリーグ2位のTASAKIに、吉備国際大学がチャレンジする一戦。冷たい雨が降り続ける中での試合になったが、それに反して、ピッチの上でプレーする選手たちからは熱気が感じられる一戦になった。臆することなく自分たちの力をぶつけた吉備国際大学(以下、吉備国大)。そのチャレンジを受け止めて80分間を手を抜かずに戦ったTASAKI。結果はTASAKIの順当勝ちと言えるものだったが、最後まで観客の目を引きつけたのは、互いの真摯な姿勢があったからに他ならない。
とりわけ、吉備国大のチャレンジ精神は強く印象に残った。どんな相手との敗戦も悔しくないはずはないが、それでもグッドルーザーという言葉がよく似合うチームだった。「うちはもう大健闘ですね。TASAKIに対してカウンターとセットプレーを徹底して練習してきて、それを生かすための守備ということでやってきましたが、数回でしたけれどもチャンスを作れましたし、充分選手はやれたと思います」。敗戦にもかかわらず太田真司監督(吉備国際大学)が満足気な表情を見せたのは、実力差を超えて何かを得た感触を感じたからだろう。
鈴木智子を怪我で欠き、コンディションが万全ではない大谷未央をベンチスタートさせたTASAKIの布陣は、山本絵美をトップ下に起用した4−5−1。1トップの位置には大石沙弥香を置いた。対する吉備国大の布陣は4−3−3。中盤は高橋悠を底に置いて、その両側に小坂玲那、杉本真理が構え、前線は中央の高い位置に構える中出ひかりを中島亜弥香、宮迫ふみかの2人がウイングのような形でフォローする。
高い位置から激しくコンタクトする吉備国大・中田ひかり(白・10)
攻守にわたってアグレッシブにボールを追うのは吉備国大。とにかく、よく走り、よく動き、よくボールを追う。ボール支配率で劣るのはやむを得ないところだが、局面では激しく体を寄せてTASAKIにチャンスを与えない。そして高い位置から守備を仕掛ける姿勢を崩さない。目を引くのは整理された最終ライン。国体で岡山代表としてプレーした西田朋美を中心に、きれいに上下動を繰り返すフラット4は鍛え抜かれていることが窺える。
一方のTASAKIは特別なことは仕掛けない。それでも吉備国大を着実に押し込んでハーフコートゲームのように試合を進めるのは実力の証だろう。第1試合から降り続く雨の影響でピッチコンディションは良いとは言えないが、ミスを最小限に抑えてパスをつないで組み立てる。相手に付け入る隙を与えないのは、さすがは、なでしこリーグの実力チーム。鈴木の不在でトップにボールが収まらないという課題を持ちつつも、試合の主導権は渡さない。
後半、先に仕掛けたのは風上に立つ吉備国大。果敢にゴールを狙う姿勢を見せる。しかし、TASAKIもおいそれとは吉備国大の攻撃を許さない。吉備国大が出ようとするところへ厳しくプレスをかけて決して前へ行かせない。そして、今度は前に出るTASAKI。だが吉備国大の運動量も、集中力もいささかも欠けることはなく、際どいシーンでは体を張ってシュートを打たせない。雨の中、しかも1点を争う緊張した展開は、ひとつのミスや集中力の欠如が勝敗を分けるものだが、互いからはそんな気配は少しも感じられなかった。
TASAKIKの先制ゴール。吉備国大はわずかな隙を突かれた。
しかし、無得点の時間帯が長く続くのはTASAKIにとって歓迎できる状況ではないことは確か。アグレッシブな姿勢を崩さない吉備国大に冷静に対応しているものの、やはり攻めあぐねている感はぬぐえなかった。前線にボールが収まらず、どうしても攻撃の迫力に欠ける。どこで突き放すのか。それがTASAKIにとっての勝負のポイントだった。そして、ようやくゴールを挙げたのは70分。左サイドのスローインからのボールをつないで阪口夢穂へ。吉備国大にできた一瞬の隙を逃さずに放った阪口のシュートは左ポストを叩いたが、その跳ね返りを山本が確実に押し込んだ。
これで勝負あったかに思われたが、吉備国大は諦めない。残り5分となったところで最終ラインを3枚にして西田を前線に上げる。そして78分、左サイドを突破した青島雅がGKとDFラインの間を通す絶妙なクロスボールを送る。そこへ飛び込んで来たのは西田。合わせさえすれば1点という場面で、スライディングをしながら懸命に右足を投げ出したが、ボールは無情にもその足のわずかに先を通過した。結局、試合はこのままタイムアップを迎えることになった。
TASAKIは攻めあぐねを感じさせた部分もあったが、鈴木、大谷を先発から欠いた状態ではいたしかたないところ。最少得点差とはいえ、全体を通して危なげなく勝利を手にしたのはさすがだった。しかし、それ以上に敗れた吉備国大の健闘が光ったのも確か。何より、最後まで自分たちのサッカーを見失わず、狙い通りに前に出続けるという姿勢を貫き通したことに意義があった。その姿勢がもたらした好ゲーム。吉備国大の選手たちは大きな自信を手に入れたことだろう。
岡山代表として国体にも出場した西田朋美(白・4)。最終ラインを統率して守備を支えた。
その吉備国大は、全日本選手権を終えてすぐに全日本大学女子サッカー選手権に挑む。きゃぷたんを務める西田は、「目標はベスト4以上」と国体の時に語っていたが、4つの予選リーグの首位チームだけが決勝トーナメントに進むレギュレーションでは、同じグループに所属する大学女子サッカー界の女王日体大を倒さなければならない。「そこを倒せば日本一が取れると思っているので、そこに向けていい調整をしたいと思います。手応えは十分あります」(太田監督)。全日本選手権で得た自信が新たな力になるか。吉備国大の挑戦は続く。
| (TASAKIペルーレFC) | (吉備国際大学) | |||||||
| GK: | 佐々木香織 | GK: | 菅原未紗 | |||||
| DF: | 甲斐潤子 磯ア浩美 下小鶴綾 佐野弘子 | DF: | 山口絢子 西田朋美 磯金みどり 三根麻衣子 | |||||
| MF: | 阪口夢穂 白鳥綾 中岡麻衣子(77分/河上恵美子) 清原万里江(53分/田中明日菜) 山本絵美 | MF: | 小坂玲那(73分/高橋奈那) 高橋悠 杉本真理 | |||||
| FW: | 大石沙弥香(68分/坂井優紀) | FW: | 中島亜弥香 中出ひかり 宮迫ふみか(75分/青島雅) | |||||
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