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| ポイントは相手に飲まれないこと。それを表現するように浦和は激しくプレスをかける。 |
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浦和、またもや緑の壁に阻まれる。 取材・文/西森彰 |
第29回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝 浦和レッドダイヤモンズレディースvs.日テレ・ベレーザ
2007年12月27日(金)11:00キックオフ 西が丘サッカー場 観衆:655人 天候:曇
試合結果/浦和レッドダイヤモンズレディース0−3日テレ・ベレーザ(前0−1、後0−2)
得点経過/[日テレ]大野(44分)、澤(62分)、四方(89分)
Jヴィレッジスタジアムで行われた準々決勝、大原学園JaSRAの献身的な守備に手を焼きながらも、順当に勝ち上がった浦和レッズレディース。永井良和監督は「次のベレーザ戦は、毎回言っていますけれども、とにかく選手たちが萎縮しないこと。飲まれないこと。それができるかどうかです」と準決勝のポイントを語った。先手をとって追いつかれたものの、いつになく勝利の可能性を高く感じさせたリーグ戦の最終節、その再現を狙いたかった。
この日の浦和は、先発メンバーこそリーグ終盤と同じ11人が並んだが、フォーメーションに多少工夫を凝らしてきた。中盤がいつものダイヤモンドではなく、3ラインの4-4-2。最近はトップ下を務めていた庭田亜樹子のポジションを下げて、高橋彩子とダブルボランチを組ませる。8人で守って、攻撃はスピードとテクニックを兼備する安藤梢、北本綾子の2トップに託す。永井監督は「残り20分くらいまではベタ引きでとにかく失点しないことを第一に考えた」。
今大会、抜群の切れを見せた大野忍(9)。先制点は、やはり彼女から生まれた。
対する、日テレ・ベレーザは、最終節同様に浦和が前から激しいプレスをかけてくると読んでいた。しかし、相手は堅い守備ブロックを形成し、そこに入ってくるまではなかなか食いつきに来ない。そして、一旦、その守備ブロックに迷い込むと、使うべきスペースが見出せない。
オープンゲームで気分良くプレーしたアルビレックス新潟レディース戦のイメージも残っていたのかも知れない。16分、小林弥生のサイドチェンジから伊藤香菜子とつなぎ、最後は大野忍。25分にも相手コーナーキックからのカウンターで大野がシュートを放ったが、チャンスらしいチャンスはこの2本くらい。
逆に、浦和も31分、相手GKのキックミスから生じた混戦で高橋がシュート、その4分後にも木原梢、北本、安藤とチャンスを作る。いずれも得点にはいたらなかったが、戦前のゲームプランどおりに試合を運べていた。このまま行けば…。
その期待を破ったのは、やっぱり、日テレの9番・大野忍だった。前半も残り僅かの44分、ボールホルダーの矢野喬子の死角から襲い、ボールを奪って独走。そのままゴールを陥れる。一瞬の隙を突いた大野のゴールで、前半は日テレ1点のリードで折り返した。
このまま1点のビハインドを背負ったまま、ゲームプランを墨守するか。それとも、早めにこれを追いかけるか。浦和サイドにはふたつの選択肢があった。そして永井監督の下した決断は後者だった。
とどめのゴールはやはりこの人・澤(写真中央10)。本人にとっても、本大会で最も印象に残るゴールとなった。
「先制されて1点を取りに行くしかなくなった。決して木原が悪かったわけではないけれども、より攻撃的に行くために保坂を入れた」と永井監督。後半開始から木原梢を保坂のどかに代え、中盤をフラットラインからダイヤモンドに戻す。そして立ち上がりのピンチを凌ぐと攻勢に出る。
50分、安藤の突破からゴール前への速いボールに、庭田は僅かに触れず。51分、高橋のクロスから北本のヘディングシュートは日テレGK小野寺志保のセーブに遭う。そして52分、連続して得たセットプレーで柳田美幸のキックから、ゴール前のせめぎ合いに持ち込むが、ここも最後まで押し込めず。どうしてもゴールネットを揺らすことができない。浦和サイドから見れば、この時間帯が最後のチャンスだった。
相手がまえがかりになってくれたことで、日テレには十分なスペースが生まれた。今の大野や永里優季は、数的不利を問題にしない。日テレのFW2枚に対して、浦和のDF3枚という状況が、流れの中で何度も生まれてくるが、それは全てチャンスにつながってくる。
そして62分、右サイドを突破した近賀ゆかりのクロスがファーに流れたところを、大野が拾ってドリブルへ。DFがシュートを意識したところ、中央へパスを戻す。そこに飛び込んできた澤穂希がボレー。後日、今大会を振り返って一番印象に残っているプレーとして、澤本人が挙げたのがこのシーン。ここで「元日・国立」への道は開かれた。
この日も1得点1アシストを決めた大野は「ワールドカップで何にもできない自分の力不足を感じました。そして世界で戦うということを見据えたら、国内レベルで立ち止まっていられない」と、リーグ戦終盤から毎回のように口にしている。途中出場となった荒川恵理子も「ワンプレーだけでなく、次のプレーにも続ける連続した動きを求めた」指揮官の意図を汲み、終盤に一方的な日テレペースを作り出した。
緑の壁を崩せなかった浦和。来シーズンに雪辱を期す。
松田岳夫監督は「まだまだ」という言葉を繰り返したが、FWのデキについて尋ねると「その点は良かった」と及第点を与えた。そして「前回大会では準決勝で負けて、決勝まで行けなかった。リーグを取ったとはいえ、この大会ではチャレンジャー。選手たちにもそう言い聞かせています」。モンスターチームに慢心はない。
(浦和レッドダイヤモンズレディース)
GK: 山郷のぞみ
DF: 土橋優貴、森本麻衣子、矢野喬子、岩倉三恵
MF: 木原梢(H.T/保坂のどか)、高橋彩子、庭田亜樹子(77分/松田典子)、柳田美幸
FW: 北本綾子、安藤梢
(日テレ・ベレーザ)
GK: 小野寺志保
DF: 近賀ゆかり、岩清水梓、中地舞、豊田奈夕葉
MF: 小林弥生、酒井與惠、伊藤香菜子、澤穂希
FW: 大野忍、永里優季(64分/荒川恵理子)
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