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ボールを奪い合う長崎・林(青)と岡山・重光(エンジ)
波乱の幕開け 決勝ラウンド第1日
全国地域リーグ決勝大会 第1日目 大分スポーツ公園


文/ふかえ まさひろ

 全国地域リーグ決勝大会は12月1日から大分スポーツ公園で、勝ち残った4チームによる決勝ラウンドが始まりました。3日で3連戦を行い、優勝がJFL自動昇格、2位がJFL最下位との入れ替え戦出場権を得る大会。いきなり波乱が起こった初日の模様を。

【バラバラ長崎、起きるか岡山旋風】
全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド ファジアーノ岡山FCvsV・ファーレン長崎
2006年12月1日(金)11:00キックオフ 大分スポーツ公園サッカー・ラグビー場Aコート 観衆:200人
試合結果/ファジアーノ岡山FC3−1(前半1−1 後半2−0)V・ファーレン長崎
得点経過/[岡山]朝比奈(24分)、[長崎]小松(37分)、[岡山]藤井(47分)、ジェフェルソン(78分)


 会場は九州石油ドームの西、天然芝のピッチが数面あり、試合30分前に着いたときは、試合会場の隣のピッチでは岡山と長崎の選手がアップを、さらに隣ではシャムスカ監督の指揮の下、大分トリニータが前日練習を行っていた。

 さて試合、岡山は1次ラウンドのバンディオンセ神戸戦、長崎はルミノッソ狭山戦と同じ先発。3分に岡山の朝比奈のFKをジェフェルソンが振り向きざまのシュートで口火を切ると、6分にはコーナーキックからのこぼれ球を長崎の木村がミドルシュート、というかたちで一進一退の立ち上がり。

 しかし、岡山のスピードに長崎が対応できず、中盤でのファウルが増えてくる。「落ち着け!」というGK塚本の声が響く。先制点は24分、桑原から吉谷とわたったボール、朝比奈が放ったシュートがゴール右を揺らし、ファジアーノ岡山に入った。対する長崎も37分、大塚の右からのクロスを小松が頭であわせ、決勝大会3試合連続ゴールで追いつくものの、なにかチグハグな感じのまま1−1での折り返し。

 そして47分、朝比奈のパスを受けた藤井一昌が長崎DFを切りかわしてネット右に突き刺し、岡山が勝ち越す。この後半開始早々の勝ち越し点で落ち着きを持った岡山に対し、長崎はFWを林から白尾に代えたり、両サイドの交代で打開を図るが、ゴール近くで前を向かせてもらえず、連携もバラバラ。中盤でのパスミスを岡山にカットされてのカウンター攻撃を何度もうける。69分、大塚のクロスをフリーの小松が再びヘディングシュートという後半唯一といっていい大チャンスも、岡山GK藤井陽介が横っ飛びキャッチでゴールを許さない。

 78分には藤井一昌のCKをファーサイドにいたジェフェルソンがヘッドで叩き込み3点目。長崎は税所を前線に上げ3トップにするものの、反撃には至らずタイムアップ。終わってみれば岡山の快勝だった。



快勝でJFLに一歩近づいた岡山。旋風はこのまま続くのか。
 思えば、島原の一次ラウンドで私の後ろに岡山の選手らが大挙して座っていた。同じ会場での一次ラウンドということで、選手らが実際に見ていたのが大きかったのか。直前でなく夏からジェフェルソンを入れ連携を深めていたのが効果的だったのか、そして後半開始早々の勝ち越し点もあり、長崎のシュートを後半2本におさえ、岡山は重要な緒戦を完勝といってもいい内容でモノにした。一次ラウンドではバンディオンセ神戸、決勝ラウンドではV・ファーレン長崎と有力視されてきたチームを破ったことで、一気にJFLまでいけるのか注目。

 さて長崎、「ジェフェルソンに集中するあまりサイドのマークが甘くなった」(岩本監督)ということだったが、確かに左サイドの藤井一昌にはいいようにやられてしまった。しかし、それ以上に選手間の連携やスピードなど、岡山との差は歴然としており、直前での大量補強で危惧していたことが現実となってしまった。

 さらに、そんな選手たちに追い討ちをかけるかのように浴びせられた長崎「サポーター」の罵声(少なくともメインスタンドからは、選手らを励ましているようにはとても見えなかった)。もちろん短期決戦で初戦の敗北は痛すぎるものの、大分FCトリニティ(当時)がJFL昇格したときも初戦敗北から2連勝で昇格をしている。このことは長崎が最近発行したマガジン誌にも載っていたりする。

 しかし、この試合後の光景を見ると、ピッチ上も気持ちもバラバラに崩れる気配を感じた。さらにTDK戦は税所が出場停止。追い詰められたV・ファーレン長崎、建て直しには24時間しか残されていない。


(ファジアーノ岡山FC) (V・ファーレン長崎)
GK: 藤井陽介 GK: 塚本秀樹
DF: 伊藤琢矢 丸谷明 野本安啓 重光貴葵 DF: 立石飛鳥 加藤寿一 税所義博 久留貴昭
MF: 藤井一昌 吉谷剛(62分→川原周剛) 朝比奈祐作(84分→乙倉健二) 桑原裕義 MF: 佐野裕哉 原田武男 木村龍朗(72分→小嶺栄二) 大塚和征(84分→首藤啓祐)
FW: 松浦宏治 ジェフェルソン(89分→梁圭史(リャン・キュサ) FW: 林祐征(58分→白尾秀人) 小松塁
SUB: GK徳永武 DF田渕健 SUB: GK堤喬也 DF加藤毅

大友のゴールであげた1点を守りきったTDK。喜びを分かち合う
【必然の番狂わせ】
全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド FC岐阜vsTDK
2006年12月1日(金)13:15キックオフ 大分スポーツ公園サッカー・ラグビー
場Aコート 観衆:200人
試合結果/FC岐阜0−1(前半0−1 後半0−0)TDK
得点経過/[TDK]大友(39分)


 変わって第2試合には本大会最大の注目を集めるFC岐阜が登場。前評判どおり、10分に片桐が先制ゴールか、という大チャンスもTDKのGK小野が何とかキャッチ、17分には片桐、18分にはニューウェーブ北九州から期限付き移籍の池元がシュートを狙う。しかし次第に、中盤の守備を固め2トップ狙いを徹底するTDKの戦術にはまりだす。そして39分、右サイドからドリブルで切り込んだ大友が、角度のないところをからのシュートを叩き込み、大方の予想に反しTDKが先制する。

 後半になり岐阜の攻撃は激しくなるが、TDKはこれを冷静にかわすと、逆に波状攻撃であわや追加点か、というシーンも作る。同点にできず、あせりの色が見えてきた岐阜は、79分に森山泰行を投入し3トップに。しかしTDKはベタ引きせず、常時最前線に2人を残し、83分にはループシュートを放つなど、追加点を狙っていく。そして最後は、岐阜がラインを大幅に上げ、TDK陣内に20人がプレーする状況になったが、そのままTDKが逃げ切りに成功した。

 結果だけ見れば番狂わせになるが、TDKのチームとしての完成度や冷静さを見ると、むしろこの結果は必然とさえ言える。来年の国体と、野球部の都市対抗野球優勝に続け(試合後の小松監督も影響についてコメントしていた)という二つのモチベーションをうけ、一気に突き抜けるか。

 この結果、有力視されていた岐阜と長崎が黒星スタート。3日に直接対決が残っているため、少なくともこのどちらかがJFL昇格できないこととなった。岡山旋風が続くのか。TDKが抜けるか。岐阜が力を見せるか。長崎は立ち直れるか。試合は休むまもなくやってくる。


(FC岐阜) (TDK)
GK: 日野優 GK: 小野聡人
DF: 山田正道 小峯隆幸 平岡直起 中尾康二(79分→森山泰行) DF: 小沢征敏 加藤雅裕 高安信成 岩瀬浩介
MF: 北村隆二 吉田隆弘 高木和正(62分→長谷川悠) 小島宏美 MF: 成田卓也 横山博敏 千野俊樹 水越潤
FW: 片桐淳至 池元友樹 FW: 富樫豪 大友慧
SUB: GK曽我部巧 DF伊藤哲也 MF佐藤聡 SUB: GK鈴木和弘 MF加賀潤 小牧俊介 藤原昭 FW三浦俊輔
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