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長崎はこの日、従来からいたメンバーを多く先発に起用した。
7分、ニューウェーブ北九州からレンタルの池元が先制点を決め、雄たけびを上げながら選手が駆け寄る
0勝3敗 勝ち点1 最下位 スペシャルチーム長崎の崩壊
全国地域リーグ決勝大会 決勝ラウンド 第3日 V・ファーレン長崎vsFC岐阜

2006年12月3日(日)13:30キックオフ 大分スポーツ公園サッカー・ラグビー場Aコート 観衆:300人
試合結果/V・ファーレン長崎1−2(前半1−1 後半0−1)FC岐阜
得点経過/[岐阜]池元(7分・89分)、[長崎]白尾(33分)


文/ふかえ まさひろ

 第1試合でTDKがPK勝ちで優勝したので、残るはJFL入れ替え戦出場権の2位争い。この時点での条件は、岐阜は90分負けしなければ2位、長崎は3点差か4−2での勝利、それ以外なら岡山が2位、という状況。予定より少し遅れて13時30分キックオフ。

 試合は開始早々に動く。7分、片桐のパスを左サイドに開いて受けた池元が、飛び出したGK塚本をかわし無人のゴールへシュート。DFが追ったものも間に合わず、なにが何でも欲しかった先制点を岐阜に許してしまう。この失点で落ち着きを失った長崎。早くも足が止まりだす。一方、同点でも2位確保の岐阜は余裕を持って長崎陣内でパスをまわし、攻撃はロングボールから高木、片桐、池元の3人、というパターンを徹底。

 33分、石川の右からのクロスを、DFを振り切った白尾が流し込み長崎が同点にするが、岐阜は後半立ち上がりからは小峯を中央にポジションチェンジしてさらに守備を固める。


 後半、あと3点必要な長崎だったが、68分、左サイド木村からのクロスにフリーとなった白尾がヘディングシュートを放つも、GK正面に飛ぶ。これが長崎の後半唯一のシュートだった。

 長崎の焦りに対し、堅い守備で試合を進める岐阜。ハンドを取らなかったり、ラインを割ったボールがどっちボールか指示を出さなかったりする主審のジャッジもあり、長崎サポーターのイライラも募っていた。そして後半ロスタイム、最後の瞬間はやってきた。長崎陣内で長崎の選手が前のめりに倒れ動かない状況に。試合を止めろとアピールする長崎の選手、ベンチ、サポーター。でも主審はプレーを止めない。止めろ!の声が響く中、高木から池元とボールが渡り、中央に切り込んだ池元の放ったシュートはゴール左隅に。

長崎の林と岐阜の中尾、Jを知る選手同士のマッチアップ
初戦敗北から連勝で2位確保、岐阜は選手もサポーターも万歳
 致命的な勝ち越し点。激高した佐野につきつけられたレッドカード。主審への怒りが爆発しピッチになだれ込もうとする長崎サポ、それを止めるサポ。試合終了の笛は喧騒にまぎれ、目の前にあったのは、何かが崩壊した姿だった。

 この結果2位となったFC岐阜、入替戦ではホンダロックに2戦合計8−1と圧勝しJFL昇格。Jへの階段を大きく登った。


 長崎にとってはじめての決勝大会は、こうして最悪の後味を残して終わった。表彰式も終わり、他の3チームが会場を去ったあと、夕暮れの会場外に設置された長崎の会見場に出てきた岩本監督、原田、佐野両選手の目は赤かった。

 初戦(1−3岡山)が大きかったと語った岩本監督。「自分たちのサッカーが100%出来なかった。勝負の厳しさを教えられた。この大会を目標に掲げたサッカーをスタートから(やる)、県民の皆さんには申し訳ない」。また「いろんな分野においてタフにならないといけない。」とも語っていた。3日連戦で行われるこの大会、身体的タフさはもちろん、初戦敗退とかいった想定外の事態が起こった場合の精神的タフさが、長崎と岐阜の運命を分けたと思えてくる。

 さらに、別に長崎の試合だけじゃないが、TDK戦でのPK2回蹴りなおし(後日VTRで見たが、特に2回目はあまりにも厳しすぎる感じはした)など主審のジャッジ、2連戦なのにアップする場所がないという試合環境(金曜は隣のピッチでアップしていたが、日曜は少年サッカー大会で使えなかった)など、特にJ1から来た人は環境のギャップに戸惑った感はする。そういったものに対するタフさも欠けていたのだろうか。

 今大会にあたって、長崎は大量8選手を補強し臨んだ。しかしその結果は、局面では個の能力で勝ったシーンもあったが、TDKなど他のチームと比べチームの完成度という点では明らかに劣っていた。大量補強は不安から試験直前に新たな参考書に手を出したい受験生みたいな心境だったのか。Kyuリーグを闘ったメンバーでの敗北なら、全国と比してKyuリーグのレベルがそうだった、と納得できるかもしれなかったが、いわば昇格へのスペシャルチームを作った上でのこの結果、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とは、本当によく言ったものである。個人的には悔しさというより、悲しさと虚しさだけが残った。


よもやの最下位、長崎は泣き崩れる選手も多数。
この大会に期するものがあった佐野裕哉、会見では消え入りそうな声。来年、その姿は見られるのか。
 まだ来期の体制は見えてこない。補強した8選手+小林コーチは既にチームを離れた。一方、昇格できなかったら引退との話もあり、試合後残留を願うサポーターの声にも振り向かなかった佐野裕哉は、その後の地元FM出演の際に前向きと取れる発言をしていた。

 長崎にとっては自業自得なのだが、ホンダロック降格にともない、2007年のKyuリーグは2枠をかけさらに激しい戦いになる。

 でも、これで終わるのなら、長崎県のパワーは所詮こんなものだろう。岩本監督は試合後、「もう一回」という言葉を何度も繰り返していた。1からか、ゼロからか、マイナスからかはわからないが、また1年かけてチームつくりしよう。もう一回この舞台に帰ってくるため、そして、その上に行くために。


(V・ファーレン長崎)
GK:塚本秀樹
DF:立石飛鳥 加藤寿一 税所義博(66分→小松塁) 久留貴昭
MF:佐野裕哉 原田武男 石川高大 木村龍朗 
FW:岩本昌樹(74分→大塚和征) 白尾秀人(85分→林祐征) 
SUB:GK堤喬也 DF加藤毅

(FC岐阜)
GK:日野優
DF:山田正道 小峯隆幸 伊藤哲也(HT→中尾康二) 平岡直起 菊池亮(89
分→佐藤聡)
MF:吉田隆弘 高木和正 小島宏美
FW:片桐淳至 池元友樹
SUB:GK曽我部巧 MF田中大輔 FW長谷川悠







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