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天皇杯へ、早くも開戦
第57回 京都学生サッカー選手権大会


取材・文 ハヤシ ヒロヒサ

 2008年元日に決勝が開催される天皇杯に向けて、2006年度に試合が開催されている。気の早い話というよりも、底辺の広い大会、それが天皇杯なのだと思い知る。

 3月22日に足を運んだ「第57回 京都学生サッカー選手権大会」も、天皇杯京都代表へ道が繋がっている大会である。この日はまだ準々決勝ということで、名門と呼ばれる大学から、新進気鋭の大学までを取材・観戦することが出来た。

[京都産業大学−京都教育大学]

 関西学生春季リーグでは、1部に属する京産大と2部Aである京教大。どうしても力量の差はあるだろうとは予測された。実際、ウォームアップの段階から、体格の違いは明らかで、キックの弾道も違う。京産大圧倒的有利は、筆者以外の観戦者の共通認識であったことは間違いない。

 キックオフから序盤、京産大の猛攻がいきなり始まる。予想以上のワンサイドの予感も漂った。しかし、京教大が最後の場面で体を張り、シュートが枠に飛ばない。京産大の2トップ日下と澤井がFWを本職としていない選手であり、しかもスペースを突くタイプのため強引にシュートをねじ込む場面も無かった。徐々に、京教大が試合を均衡した状態に持ち込む。京産大のベンチからは、元日本代表GKでもある本並氏の厳しい声が飛ぶ。それが試合の展開を物語っていた。

 局面では必ず京産大が勝つ。しかし京教大は引いて守る選択をしなかった。徹底的にチェックにいく。競り負けるのだが、京産大に“ロングゲイン”を容易にはさせなかった。ただ京教大の攻めに関しては、京産大の屈強なDF渡辺が壁として立ちはだかり実らない。すると前半34分、京産大FW日下が左からのクロスを鮮やかにボレーで決めて、やっと膠着状態を打破した。立て続けに、前半終了間際、CKから京産大のDF門のヘッドが突き刺さり2−0。ハーフタイムを前にやっと形勢に傾きが見られた。

 ハーフタイムでは、京教大は選手同士での修正ミーティング。士気は落ちていない。

 後半も激しいプレスをかける京教大。スコアはまったく動かない。しかし、京教大のあまりの激しさにカードが出始めて、遂にはCBに退場者が出た。試合は決したかと思えたが、縺れた糸は解けず、決定的な場面が訪れない。

 そしてロスタイム。スコアを動かしたのは、京教大だった。カウンターから、交代出場の国方がゲット。その直後に試合は終了したが、2−1という事前にも、試合中にも予想出来なかった結果になった。京産大の選手によれば、これから自分たちの理想形を求める過程。生みの苦しみだったのだろう。


(京産大メンバー) (京教大メンバー)
GK: 吉田 GK: 小畑
DF: 馬場、東岡、渡辺、門→村中 DF: 松田、青江、大田、北條
MF: 櫛田、金本→山口、吉川→塚原、足立→稲本 MF: 阿倍、山下、上田、宮地
FW: 澤井→小笠原、日下 FW: 坂口、堀川→国方

[同志社大−京都大]

 こちらは、ともに関西学生春季リーグ2部同士の戦い(同志社がA、京大はBブロック)。京大の試合は、これが初観戦であり、チームとしてのスタイルも分からず、事前に展開は読めなかった。

 ピッチに立った22人の選手を見比べると、サイズに差は無かった。しかし、圧倒的なほどにテクニックで同志社が上回っていた。戦術どうこうではなく、まさに個の力。ただ、去年のロングボール主体で結果も内容も付いて来なかった同志社とは別のチームになっていた。

 陳腐な表現だが、とにかく「面白い」。サッカーのピッチでフットサルを繰り広げているかのように、足裏やヒールなどを多彩に駆使したショートパスを繋ぐ。そこに、ドリブルやミドルのサイドチェンジが加味されるため、観ている人たちから「おおっ」という唸り声。この試合に関して、得点経過は記さない。スコアが6−0だったことだけを報告する。大学生の試合にしては非常に珍しいが、内容を楽しむ90分だった。

 全国に知れ渡っている楠神のドリブルはこの試合でも威力を発揮。木上、松田の2トップやMF菅沼なども豊かなイマジネーションとセンスのある足技を披露。そこにボランチ大森の低弾道のサイドチェンジが、一種の“確かさ”を加えた。相手のレベルが向上する次戦以降、同様のサッカーで魅了出来るか、そして勝てるか。注目点を残してくれた。


(同志社大メンバー) (京都大メンバー)
GK: 川原 GK: 粟根
DF: 立花、宇城→横光、永戸、井上→林 DF: 井上、西沢、山田→平
MF: 大森→渡辺、神田→北森、菅沼→大塚、楠神 MF: 小原→徳田、原、村上、池田、嘉悦
FW: 松田、木上 FW: 藤原、横田
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