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熱い夜の激闘の果て
2007Jリーグ ディビジョン2 第21節 ベカルタ仙台vs.アビスパ福岡


文/中野義幸

 もう負けられない福岡と2位につけているものの強さに確信のもてない仙台!両チームの戦いは、梅雨入り前の6月だというのに25度を超える気温の仙台で行われた。福岡をアウェーの地で見ることができるとは、感謝感激!あらためて関係各位に感謝!

 キックオフ30分前、平日開催のためか、地下鉄の終点から向かう道筋には、通勤客の中にオレンジカラーが目立ち、目指すユアテックスタジアムが、ビルの間にこじんまりと見えてくる。こんなにアクセスがいいスタジアムも珍しい。と思いながら噂のベガッタ君の石像と記念撮影!今日は大人しくしててねと。。。観光気分のおのぼりさんっぽく、う〜ん、なんか今までのアウェーにはない熱気を感じてしまう。メインのアウェー側なのに、ホーム一色!

 試合は、お互い攻撃的サッカーを目指しているだけあって、中盤が激しくつぶしあう展開!第1クールで、ロペスにしてやられた福岡は、しっかりロペスをマークして攻撃の芽をつんでいく。福岡は失点が続く試合が多かったせいか、DFラインはきれいに統率され、中盤をしっかり固めている。そこを仙台は嫌ってか、サイドへ展開し、チャンスを作っていく。何度か危ない場面は作られるが、GK神山のセーブが最後に踏みとどまる展開。う〜ん、今日はいい感じ!

 このまま前半無得点で折り返すのかという前半ロスタイムで、福岡がコーナーキックを得る。福岡としては、このチャンスを前半最後のプレーにして、終わりたいというのがありあり、ゆっくりボールをセットし、何度も確認を行っている。そこで、前半終了の笛〜、蹴る前に終了となり、選手達がレフリーに詰め寄っていく。勝てないチームのフラストレーション、久藤を中心とした選手達の気迫の空回りが、こういう形で出てくるのは非常に寂しかった。


 気をとりなおして、後半!
 前半同様な展開がつづいていたが、後半5分過ぎに仙台サポーターの山が動きはじめた!右に左に地鳴りのように、「レッツゴーせ〜んだ〜い」の歌とともに...野球では、熱狂的なホークスの応援で地鳴りがすると相手に言わせていたような声援をまさか仙台で体験するとは思いもしなかった。

 思い出されるのが2005年12月J2最終戦の博多の森での福岡vs仙台。引き分けに終わった仙台は、最終戦で3位から4位になり、入替戦の出場ができなかった。因縁があるなと頭をよぎった時、ロペスが、す〜と、もちあがって右に出したパスが福岡DFの足にあたり、ボールが跳ねた先に、仙台右SBの菅井が走り込んでいた!見事なボレーが決まる!まわりが、一気に立ち上がる中で座ったままという感覚は、まさにアウェーならではの経験!しかし、福岡ファンは少ない(涙)

 まだまだ、想定内!
 福岡もやや中盤を省略気味に両サイドの久永、田中からFWにボールを入れ始める!が、今度は仙台GK小針のファインセーブが連発!これがホームゲームだ!といわんばかりに〜。福岡も勝利への執念は、試合終盤にさしかかる中で、倒れていく選手を抱きかかえて立ち上がらせる福岡DFの宮本の姿が勝利への執念をみせる。そしてロスタイムのFWリンコンのシュートもGK小針に阻まれ、試合終了!


 負けたけど両者ともに自分たちの形を追求したいいゲーム!でも、やはり負けは負け、この敗戦を必要以上に捉えすぎずに次節につなげられるかが、福岡の課題!

 仙台は、ホームの力をまざまざと見せつけての勝利!選手達は、場内をほぼ一周して、ファンに挨拶をしていき、ヒーローインタビュー後もスタジアムを後にするファンは少ない。この熱気は、悔しいけど福岡には無い!仙台サポーターの声援は、じっくり雰囲気をつくりあげていき、ここぞという時のとっておきのフレーズがゴールを演出する北国特有の我慢づよい声援の様な気がしてならない。

 一方、福岡は九州気質というかラテン系というか、熱いが冷めやすい気質の声援は、どちらかというと、勝利への直接的、直情的な声援が主体のように感じる。仙台と福岡、東北と九州という地域色が、しっかりとファンや声援、雰囲気に根付いているのだと感じた試合でもあった。今夜は仙台に拍手を贈ろう、でも福岡も決して悪いゲームじゃない、そういい聞かせて。


 帰りのタクシーで、運転手が、「今日は誰が決めたんですか?」との問いかけ。「菅井ですよ!」と答えると、「直樹ですね。そうですか〜」。何気ない会話の中でしっかり根付いているベガルダの息吹が聞こえている気がした。タクシーを降りる際にも「今夜は、まーくんも完封したし仙台にはいい夜ですよ!」と、プロスポーツが地域に与える影響を感じて、不思議と負けの悔しさよりも、アビスパがあり、ベカルダがあることのありがたみを感じた一夜だった。

 しかし、感傷もここまで、次節は布部も出場停止明けで帰ってくる。宮本亨の出場停止は、新婚にはちょうどいい!仙台に2敗のままでは終われない。第3クールの博多の森で、さらに成長した両チームの戦いを見てみたい!そして来年は、J1で両チームがきっと必ず対戦するためにも・・・。
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