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1年後の明暗。北九州、初の地域決勝に大きく前進。長崎、絶望の3位転落。
大一番、長崎サポーターは試合数十分前から声援を送り続けたが・・・
第35回九州サッカーリーグ(Kyuリーグ)第19節 V・ファーレン長崎vs.ニューウェーブ北九州
2007年8月12日(日)16:00キックオフ 長崎市かきどまり陸上競技場 観衆:2674人 天候:晴
試合結果/長崎0−1北九州(前半0−1、後半0−0)
得点経過/[北九州]藤吉(15分)
文/ふかえ まさひろ
V・ファーレン長崎がKyuリーグ初優勝を決めたのは2006年8月5日、北九州本城の夜だった。そのときは、この優勝は通過点であり、目指すのは今年のJFL昇格、とみんな信じていた。あれから1年。逆になったのはホームとアウェイだけではなかった。順位、立場、そして結果。この1年はなんだったのか、そんなことさえ考えた夏の日の試合後。
地域リーグ決勝大会の2枠をめぐる上位3強の争いは佳境へ突入。前回書いたとおり、残りの対戦相手を考えると1試合残り試合が少ない長崎はもうひとつも落とせない。一方、安定した守備でここまで残ってきた北九州も長崎を下せば2位以内がはっきり見えてくる。念願の地域決勝、そしてJFLへの挑戦権をかけた決戦は、16時開始とはいえ灼熱の長崎かきどまりで行われた。
この日のかきどまりはピッチ上各所で芝がはげていて、転倒する選手もちらほら。そのためか、長崎は比較的早い時間から中盤を省略して2トップめがけDFの裏を狙うボールを送る。それに対し、北九州は藤吉が中央に張り、中嶋が動き回る。前線からのプレスで高い位置でボールを奪い長崎に自由にボールを持たせず、あやふやな判断をしようものなら一気に奪って攻撃を仕掛けてくる。
94分、最後のCKに長崎はGK近藤(茶色)もあがって総攻撃を図ったが実らず。 地域決勝の切符をかけた大一番に敗れ肩を落とす長崎の選手。今年もJFL行きは厳しくなった。
先制点は15分だった。左サイドでボールを受けた藤吉がゴールに向かいドリブル開始。長崎DFが付こうとするもののエリア内で一瞬躊躇したか、マークを振り払われた。そして一瞬の加速でDFを抜ききった藤吉は角度のないところからGKの左脇を掠めるシュート。次の瞬間、北九州は控え選手やスタッフも雄たけびを上げながら一斉にベンチ前に飛び出してきた。藤吉の個人技が遺憾なく発揮されたゴールで北九州が貴重な、本当に大きな先制点を挙げた。
長崎にもチャンスはあった。30分を過ぎたあたりから岩本が、小田がゴール前に迫る。しかしクロスがあがらない。あがったとしても中に合わない。36分、佐野のCKから混戦を経て、岩本が角度のない所から放ったシュートがゴールネットを揺らし、同点に追いついたと思われたが、オフサイドの判定。
後半、追い風を受けた長崎が反撃を図る。開始早々、岩本のクロスに有光が飛び込み、15分には原田がミドルシュートを狙い、その後も何度もゴール前に展開する。しかし、この日の長崎は細かいミスが多く、フィニッシュも甘かった。ふんわりファーサイドに浮いたクロスに枠外シュート、ゴール前で横パスすれどもシュートに行かない、など、以前から時折感じていた決定力以前の問題はこの日も露呈。さらには試合終盤になってもDFが出しどころを探しては北九州のプレスを受けバックパスに逃げる有様。とてもシーズン終盤のチームの姿ではなかった。
リーグ最少失点の北九州がセットプレーのときは藤吉だけ残して、残り全員エリア内に下がるなど、さらに守備を固める中、長崎は終盤には伝庄を前線にあげ、ロスタイム最後のCKではGK近藤も上がり総攻撃をかけたが、ついにゴールは奪えなかった。0−1、最少得点差の結果だったが、互いの選手、ベンチ、そしてサポーターの明暗を分けるには十分なスコアだった。
北九州はとにかく一丸となって戦っていた。試合前のみならずアップ開始前や後半開始前にも全員で円陣を組み、与那城監督は試合中にも選手に体の入れ方などを何度もレクチャー。先制した後は故意か偶然か悪い流れになるたびに選手が倒れ時間を切り(負傷交代もあったが)、長崎の選手や観客のイライラを誘うなど試合運びのしたたかさを感じた。センターラインの補強も効いていて、1年前とは完成度、安定度ともに違うチームによく作ってきた、と思う。
北九州にとって初の決勝大会が手の届くところに来たが、次節再びホンダロックを下せば、一気に初優勝も見えてくる。1位と2位だと決勝大会の組み合わせにも影響が考えられるが、残り3試合ともホーム開催。この追い風をどこまで生かせるか。これから未知のゾーンに突入していく。
一方、長崎にとっては自力2位の可能性も消滅という最悪の展開となった。この結果、リーグで2位以内に入る可能性は、9月9日に長崎が新日鐵大分に勝利した上で、ホンダロックが9月9日北九州、10月27日新日鐵大分に連敗し、10月28日の直接対決で長崎がホンダロックを下す、というのが考えられるが、可能性としては極めて、非常に低いといわざるを得ない。
また、沖縄で8月17−19日に開催される九州社会人大会で連勝し九州C代表となったうえで、10月に大分で行われる全国社会人大会で優勝し、全社枠で地域決勝に出る道もある。確かに長崎は去年の大会で優勝しているが、5連戦という過酷日程の大会な上に、全社枠を狙うところは非常に多いだけに確実なものなど何もない。
決戦をものにした北九州。選手とサポーターが喜びを分かち合う。
1年前の8月にはリーグ独走優勝、決勝大会はホームと近場という、長崎にとってこれ以上ない条件だった。それを逃した1年後の今、チームは決勝大会への道すら絶たれようとしている。
まだシーズンは続く。決勝大会への可能性も上記のとおり0じゃない。それでも、考えられずにいられない。何が両者の運命を分けたのか、何が悪かったのか。
胸スポンサーの銀行はまもなく買収され、今後のスポンサードは不透明。さらにホーム最終戦、しかも決戦だったにもかかわらず、去年より大幅に減った観客数とメディア露出。高校野球の長崎代表校の試合時間と重なったことだけが理由とは思えない。本城の歓喜から1年。長崎にとって、非常に重い結果と現実が突きつけられた。
| (V・ファーレン長崎) | (ニューウェーブ北九州) | |||||||
| GK: | 近藤健一 | GK: | 水原大樹 | |||||
| DF: | 加藤寿一 伝庄優 立石飛鳥(74分→小田幸司) 田上渉 | DF: | 市村瞬 ドグラス・ピレス・デ・ソウザ 永野諒 吉野慎治(59分→河村旬記) | |||||
| MF: | 石川高大 原田武男(77分→梶原 公) 佐野裕哉 小田幸司(67分→竹村栄哉) | MF: | 桑原裕義 日高智樹(80分→古賀宗樹) 小野信義 森本惟人 | |||||
| FW: | 有光亮太(67分→福嶋洋) 岩本昌樹(82分→ブルーノ カルバリョ) | FW: | 藤吉信次(90分→宮川大輔) 中嶋雄大(89分→楠亮平) | |||||
| SUB: | GK丹野研太 DF久留貴昭 首藤啓祐 | SUB: | GK船津佑也 DF森田真司 南祐介 | |||||
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