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07年シーズンの終焉、10人の札幌を攻略できず、博多の森にひと足早い、冬の訪れ
2007Jリーグ ディビジョン2 第46節 アビスパ福岡vs.コンサドーレ札幌
文/中野義幸
日差しは強いのだけれども、冬を思わせるような冷たい風が博多の森に訪れ、晩秋になってきたことを感じさせる。競技場から見える福岡空港を離発着する飛行機の向きも風向きの影響からかいつもと違いホーム側に飛び立つ飛行機が見え隠れする。
ここ数年、福岡は尻上がりに調子をあげて、2004年には入れ替え戦出場を果たし、2005年には昇格を、2006年には、この時期には鹿島、磐田を倒したことが思い出される。追いつめられてからの強さはあるチームだった。今年は、調子があがらないというか、チームとして意識が統一されていないというかよそいきのサッカーを続けているような気がしてならない。
競技場へ向かう道、サポーター有志によるフリーペーパーが配られている何か行動しなければという苛立ちは、サポーター共通の思い。京都戦では選手全員への横断幕が掲げられもして、苛立ちは祈りに近いものになっていく。鳥栖戦でのサポーターの騒動以来、サポーターもかなり大人しくなりサポートするということに徹底しているかのように見える。静かなそれでいて熱く、しかしながらバックスタンドの雰囲気は、思いの外冷静に映る。
そういう満を持した博多の森で、首位札幌を迎え撃つ!勝ち点差は、ずいぶん離れたけど、相手がどこであれ勝つしかないチームの戦い!2005年の福岡が昇格した時にも最後の壁があった。札幌も、今同じ苦難にあっている。2005年の福岡がその壁を乗り越えたのは、奇しくも博多の森の札幌戦!福岡のベストゲームと象徴される一戦であり昇格への階段を上りきった戦いであった。しかし、2007年、立場は全く逆に、真っ赤に染まるアウェーゴール裏、乱立するフラッグが寒々とした強風をもろともしない力強さが、威風堂々と感じさせてくれる。
追いつめられた福岡と最後の壁と意識して乗り込んだ札幌の戦い!そういう雰囲気のせいか、静かなキックオフと感じられたが、札幌は、冷静なバックスタンドを震撼させるように、序盤から攻勢を一気にしかける。対する福岡は、防戦からカウンターを狙うでもなく最終ラインからのパス回しを選択していく。07年スタイルにこだわる戦い方、と言えば聞こえはいいが、結果を伴わないスタイルにまたか?という思いがよぎる。
欲しいのは先制点!のはず、札幌はダヴィを出場停止で欠きながらも前へを崩さない。風下の福岡は、攻撃をしのいで相手ゴール前でボールをとられるの繰り返し。膠着かと思われた22分!クロスといえるほど角度はなく、中央よりの左サイドからゴール前に放り込まれたボールに、岡本が走り込む!見事なまでにゴールネットは綺麗に揺れた。福岡は、岡本の後ろを久永がただ走っていただけだった。ほぼフリーの状態。凍り付くバックスタンド、福岡コールもいつも以上に元気がない。
札幌の気迫が福岡を飲み込む、決してほめられないが、前半でのイエローカードは札幌が5枚、福岡は0。そして、その気迫は、前半35分に攻撃から守備へと変化していく。1点リードしているにもかかわらず、キーパーの前にこぼれたボールに石井が神山と接触、足の裏をみせてのスライディングにこの日2枚目のイエロー。退場となって札幌は窮地に立たされたかに見えた。
そして後半、立ち上がりからDFを1枚減らし、久藤を投入した福岡は一気に攻勢にでる。久藤からの配球は、かゆいところに手が届くようにスペースに落ち、久永、城後が絡んで再三チャンスを作っていく。対する札幌は、中山1人を残して壁のように守備意識を統一して守りを固める。スポンサーの不祥事もあり、本当の崖っぷちは札幌なのかもしれない。
懸命のディフェンスは、まるで残り10分のようなプレーを後半早々から始め、後半15分からは、ただ跳ね返すだけの守備にしか見えなかった。その札幌に福岡は、またしても最終ラインからのボール回しを始める。札幌FW中山がボールを追いかけると、最終ラインで逃げるように回していき、見ていると、まるで福岡が勝って時間を消費しているかのような戦い方。福岡負けてるんだよね!近くで声がする。
刻一刻と時間が流れていく中で、札幌は、着々と選手交代を重ね、後半33分、イエローを1枚もらっている中山を下げ、最終の守備に全てをかける。福岡は後半35分 長野を投入しパワープレーにでるが、足下へのボール回しに終始し、攻めあぐねている状況がありあり。長野と久藤の意思統一もかなわず、スピードスター田中佑昌は走り込むでもなく、中に切り込むでもなく、札幌の熱い壁の前でボールを回しているだけの状況が続く。ロスタイム間際に、こぼれ球が、城後の前に!振り抜いたボールはゴールを捉えられずに外側からネットを揺らすのみであった。
福岡戦を最後の壁と位置づけて乗り込んできた札幌に、福岡はどう映っているのか?真剣勝負にふさわしい戦いになったのだろうか?07年スタイルを消化しきれず意識統一もままならない福岡と、スタイルを確立し10人になっても意識統一を図り対応していく札幌との戦いは、点差以上に格差があるように思えた一戦であった。04年、05年、06年と尻上がりに調子をあげていた福岡には、想像できないこの時期でのチーム状況である。
試合終了後の選手に、鳥栖戦の事件以降大人しくなったバックスタンドは、ブーイングを浴びせるでもなく、まばらな拍手が取り囲む。まだあるぞ!のかけ声が、選手達をいっそう哀れにさせる。もう後は、昇格の望みが絶たれるのを待つだけの状態であることは、誰もがわかっていること。それでも何かを発していないと、折れそうになる気持ち。これが昇格を期待され、義務づけられたチームでなければ、こんな気持ちにならなくてよかったのかもしれない。選手以上にサポーターも声を失ったかのような時間が流れていった。
気がつくと、日は静かに傾き、冷たい冬の訪れを感じさせる風が、選手とサポーターの間に静かに流れていった。
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