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殊勲の決勝点を挙げた川崎。試合後、サポーターの前で1.2.3ダー!を決める
雨中の激戦、変化の兆し V・ファーレン長崎、首位肉薄でのシーズン折り返し
第36回九州サッカーリーグ2008 第9節 ホンダロックvs.V・ファーレン長崎

2008年6月8日(日)12:00キックオフ 国見町総合運動公園(長崎県雲仙市) 観衆:1000人 天候:雨
試合結果/ホンダロック1−2(前半1−2)V・ファーレン長崎
得点経過/[ロック]澤村(38分)、[長崎]有光(33分)、川崎(40分)


文/ふかえ まさひろ

 全18節で行われる今年のKyuリーグ(九州サッカーリーグ)は、6月7・8日に長崎県雲仙市国見町での集中開催で前半戦折り返しとなった。
 今期は(も?)第7節時点でホンダロック、V・ファーレン長崎、沖縄かりゆしFC、ヴォルカ鹿児島、新日鐵大分の上位5チームと、海邦銀行SC、ヴァンクール熊本、九州INAX、三菱重工長崎、大隈NIFSからなる下位5チームがはっきり分かれる展開に。

 V・ファーレン長崎は下位5チームにはきっちり勝ち点3を稼いだものの、第5節からの上位対決では、昨年よもやの敗北を喫した(そして致命傷になった)沖縄かりゆしFC戦でPK負けし、今年も苦杯を味あわされ、アウェイでのヴォルカ鹿児島戦は勝ったものの、特に後半は攻められる一方で内容は最悪なもの。

 そして長崎市開催だった新日鐵大分戦では、有光と福嶋の2トップが再三再四の決定機を外し続けてPK戦までもつれ込まれ、最終的には勝利を手にしたものの結果的に3試合で勝ち点6しか取れなかった。一方のホンダロックは全ての試合で90分勝ちを収めたため、第7節終了時点でホンダロックとV・ファーレンの勝ち点差は3に広がり、そして、地元国見町での集中開催を迎えた。


ハーフタイム、原田主将の元気合を入れなおす長崎イレブン
 この試合に向け、長崎は6月1日に福岡・雁ノ巣で行われたアビスパ福岡とのTMから、中盤のシステムをこれまでの原田・竹村ダブルボランチの4−4−2から、竹村を左サイドに、川崎を左サイドからトップ下に配した中盤ダイヤの4−4−2に変更。というか、これまでの選手の適性考えると、元に戻したとも取れる配置に。

 アビスパが練習生やユース含めたサテライトだったとはいえ、この試合を竹村の2ゴールなど5−1(前半4−1)の圧勝で終え、手ごたえを感じたものの、土曜日の第8節、百花台公園でのヴァンクール熊本戦(7−0)は翌日の決戦に気が行ったのか、前半は接触プレーから逃げるかのような腰の引けた展開。私のメモにも一言「ぬるい!」の文字が。監督の激も入り、後半は控え選手を続々投入してシュート18本(前半9本)を放つなど少しはアグレッシブになるものの、ゴールラッシュは相手の足が止まった86分以降と、ホンダロックの偵察隊の前で最後まで低調な試合。

 一方、その直後に車で15分ほど離れた国見町総合運動公園で始まった新日鐵大分vsホンダロックの試合。劣勢の試合ながら60分のワンチャンスを物にしたホンダロックが新日鐵の反撃をしのいで、そのまま0−1で勝利し、前半途中から駆けつけた長崎の選手や監督、サポーターに勝負強さを見せ付ける結果に。こうして勝ち点差3のまま、直接対決となった。

 そして日曜日。V・ファーレンが勝てば勝ち点で並び、2点差勝ちなら首位交代。一方、ホンダロックが勝てば長崎との勝ち点差6の独走態勢となり、長崎は3位かりゆしとの勝ち点差が1の混戦に巻き込まれることに。命運かけた大一番は、雨の中、ほぼ満員の観客を集め正午にキックオフ。


今期初先発となった小田(長崎15番)、献身的に走り回りチャンスも作った。木下(赤・ホンダロック13番)は仕事できず。
 出場停止の竹村に変わり小田が先発したV・ファーレンは、前線からプレスをかけ、立ち上がりからペースをつかんだものの、前日同様、前でタメが作れずにシュートにいけない状況。一方、ホンダロックは守備意識が非常に高く、逆にシュートは遠目からのみ。まるで前半0で後半勝負を図った去年の地域決勝・ファジアーノ岡山戦みたいな印象。

 しかし試合は前半に動く。33分、右からの隅田のクロスをホンダロックDFがクリア、これが川崎→左サイドの福嶋へと渡り、福嶋が入れたボールを中央に走りこんだ有光が倒れながら蹴りこんでV・ファーレンが先制。流れに乗ったV・ファーレンはその直後にも福嶋が連続してシュートを放ち追加点の雰囲気も。

 だが好事魔多し。38分、前田のCKに頭で合わせたのはCBの澤村。今期3点目が決まりホンダロックがあっという間に同点とする。
 しかしその2分後、原田からのパスを中央の福嶋が後ろに戻したボール、これをゴールまで約30mのところから川崎がダイレクトでシュートを打ったところ、一直線に飛びそのままゴール。ゴールそのものも勿論ながら、同点でいやな雰囲気になりかけた中、時間帯も最高の時に飛び出したまさにスーパーゴールでV・ファーレンがリードして折り返す。

 雨が降り続く後半、両チームとも連戦の疲れもあってかスリップが多くなる中、ホンダロックが攻勢に転じる。47分、50分、66分とリーグ得点王の木下が、72分、76分には水永に決定的チャンスが来たものの、今期リーグ最少失点を誇るV・ファーレンの守護神・近藤がことごとくこれを防ぐ。一方V・ファーレンも小田のクロスから何度かチャンス作るものの追加点を奪えない。試合は主導権求め中盤で激しくぶつかりあう総力戦に。

 終盤5バックにして守備を固めたV・ファーレンだったが、ベンチやスタンド含めて興奮した雰囲気に主審も興奮したか、89分隅田、91分(筆者手元時計)には立石も2枚目のイエローをもらいV・ファーレンは9人に。それでもロスタイム3分表示の4分30秒すぎ、ホンダロック最後のCKからの混戦もわずかに外れタイムアップ。雨中の決戦はV・ファーレンが制し、首位ホンダロックと勝ち点24で並んだ。


老いも若きも、V・ファ−レンにかかわる全ての人の願いはひとつ。JFL昇格へ戦いは続く。
 昨年の前期最終節は沖縄でホンダロックに一方的に破れ、3位折り返しで自力優勝が無くなったV・ファーレン。(http://www.2002world.com/f_cafe/report/2007/report197.html参照)。それだけにこの試合にかける思いは長崎にかかわる人全てが強く持っていた。

 車が無いと来場困難な国見町の山中にもかかわらず、雨の中多くの観客が詰め掛け、試合後サポーターは互いに歓喜の雄たけびを挙げながら抱き合い、去年までを知らないはずの東川監督は試合後のインタビューで涙を流した。たかが1試合、たかが1勝ではないことは誰もがわかっていた。

 思えば、V・ファーレン長崎の過去3年間は、2006年の地域決勝に然り、去年のホンダロック・NW北九州戦や全社に然り、「ここぞ」という試合で負け続けた歴史だった。今年も上位対決で勝ちきれぬ試合が続き、またかという思いは誰の胸にもあった。

 もちろん、リーグ戦は半分が終わっただけ。まだなにも掴んでいないし、何も決まっていない。この試合も決定力と近藤頼みの守備という課題が露呈したし、筆者も今年のV・ファーレン長崎で満足するのは11月30日の石垣島だけと決めている。

 しかし、この試合での勝利は今シーズンのみならず、V・ファーレンの歴史にとってもひとつのターニングポイントになるのではないか。そういう変化の兆しを感じた試合だった、・・・・・そうシーズン終わってから回想できればいいな、と試合後になってから晴れ上がった空を見つつ思った。リーグ戦は6月21・22日の沖縄集中開催から後半戦に。次のホンダロック戦は9月6・7日の鹿児島集中開催の最終戦。つまり2008Kyuリーグの大トリ。優勝、そして昇格へ、負けられない戦いは続く。


(ホンダロック) (V・ファーレン長崎)
GK: 川島正士 GK: 近藤健一
DF: 澤村憲司 谷口研二 倉石圭二 白川伸也 DF: 田上渉 伝庄優 久留貴昭 隅田航
MF: 南光太 悦田嘉彦(66分/水永翔馬) 竹井竜太(11分/山下優一郎→77分/下木屋翔) 前田悠佑 MF: 川崎元気(70分/梶原公) 小田幸司 原田武男(80分/吉本淳) 大塚和征(53分/立石飛鳥)
FW: 木下健生 原田洋志 FW: 福嶋洋(84分/加藤寿一) 有光亮太
SUB: GK山田正吾 DF永田粛 浅田祐史 MF池田竜市 SUB: GK福田涼 MF幸野屋敏行 山形恭平
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