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カオス 〜2008Kyuリーグ、1差で2枠を3強が争い最終決戦へ
7月27日 沖縄かりゆし2−1V・ファーレン長崎 試合後のこの明暗がカオスの始まりだった
文/ふかえ まさひろ
6月8日にホンダロックとの激闘を制し首位で後半戦に入ったV・ファーレン長崎。6月21日からの後半戦も、下位相手に特に試合立ち上がりは手こずりながらも勝利を重ね、首位をキープしていた。一方、2位のホンダロックもぴたりと追走。3位以下は新日鐵大分、ヴォルカ鹿児島との直接対決を制した沖縄かりゆしFCが抜け出す形となった。
そして第14節と第15節、V・ファーレン長崎とホンダロックがともに沖縄かりゆしFCに90分で勝利すれば、この2チームの地域リーグ決勝大会出場が決まるはずだった。しかし・・・・・・・・。
7月27日、長崎からすれば前半戦ホームでPK負けを喫した相手、さらには去年4月によもやの90分負けを喫し、これが昨年3位の致命傷ともなった相手だけに、今年一番の試合との覚悟を持って真夏の沖縄へ乗り込んだ。
しかし前節、三菱重工との長崎ダービーで警告を受けた川崎元気が出場停止、さらには有光が体調不良ということで前目の先発3人が変わる布陣。慣れない布陣な上に台風接近にともなう強風を前半は真っ向から受け、正午キックオフという日差しの強さ、さらには那覇市・奥武山陸上競技場の荒れ放題のピッチコンディションに、かりゆし2トップのアグレッシブな動きにもキックオフ直後から翻弄された長崎。
4分、DFのマークを振りきった斎藤のシュートは長崎GK近藤がはじくものの、こぼれ球を浅野が決めかりゆしが先制。さらには9分、ゴール近くでのスローインが強風にも乗ってファーサイドでフリーになっていた浅野がこの日2点目をダイレクトで蹴りこみ、長崎は試合開始早々に今期最多の2失点を喫してしまう。
8月3日 V・ファーレン長崎2−1ヴォルカ鹿児島 選手入場の際のコレオグラフィ。「V・Varen Nagasaki」でVVN
上記の環境下でパスサッカーを封じられた上、長崎は福嶋にボールを集めようとするものの相手に比べ動きがてんでバラバラ。35分にたまらず有光を投入すると後半開始早々の47分、大塚のクロスを叩き込んで1点差にする。
その後、長崎にも何度かチャンスはあったものの、フリーのシュートはかりゆしDFがシュートコースを切ってたりして枠に飛ばず、65分混戦からの大塚のシュートもクロスバーに嫌われ、逆に77分かりゆしのカウンターから幻のゴール(シュートがゴール奥のバーに跳ね返ったとかりゆし選手は執拗に主張したが判定はノーゴール)も。その後は2トップ以外引いて守ったかりゆしが1点差を守り抜いた。
地域決勝枠に勝ち点差1と迫り歓喜に沸く沖縄かりゆしベンチを背後に、決戦での言い訳できない完敗にうなだれる長崎の選手。監督やスタッフからも試合後、会うたびに謝られたが、その表情からは生気は失せていた。首位陥落以上にショッキングだったこの敗戦。腹をくくって東川長崎コールをした現地にいたサポーター、関係者、マスコミ含め全ての人が大いに落胆したこの結果が、カオスの始まりだった。
8月3日の第15節は、長崎国体に伴う新スタジアム建設のため残りわずかとなる諫早市の県立総合運動公園陸上競技場でヴォルカ鹿児島を迎えてのホーム最終戦。不調のCB陣には加藤を今期初先発で起用。しかし、長崎は前節のショックがまだ残っているのか、鹿児島相手にCKからのこぼれ球を決められ開始9分に失点。その後も手数はかけるもののシュートまで行けず、鹿児島の高いDFラインにオフサイドも連発する。それでも35分、右サイド抜け出した有光が中央に戻したボールを出場停止明けの川崎がミドルシュートを決め同点で折り返す。
8月10日 新日鐵大分0−6V・ファーレン長崎 攻守の中心として活躍した川崎に試合後、サポーターからスイカのプレゼント
後半立ち上がりも失うものの無い鹿児島が攻め込むがこれをしのぐと、64分、原田のFKの折り返しを福嶋が決め逆転に成功。その後は13時キックオフという猛暑の中、東川監督が試合直後のインタビューで公然と批判するほど主審の微妙かつ不明確なジャッジに双方とも苛立ちを隠せない状況ながら、鹿児島の反撃を何とかしのいで長崎が2−1で逃げ切った。
宮崎市でこの試合と同時に行われていたホンダロックvs沖縄かりゆしFCは87分にホンダロックが先制との情報。このまま勝てば再度長崎とかりゆしの勝ち点差が4になったのだが、なんとそこから沖縄かりゆしが2点を挙げての逆転勝ち。これで上位3チームが勝ち点差1にひしめくことになった。
8月10日の第16節、長崎はアウェイで4位の新日鐵大分との試合。会場の大分スポーツ公園は2006年の地域リーグ決勝大会、昨年の全国社会人とJFL昇格への道を2度にわたり断ち切られた因縁ある会場。地元大分国体を控え調子を上げてくるであろう新日鐵大分相手に苦戦するのでは、と予想していた。
確かにこの日も、開始2分にDFの裏を突かれいきなりのピンチを招いたものの、6分に中盤で長崎の選手がインターセプトすると、これを受けた川崎が中央に切り込んでシュートを決め先制。14分にも有光が決め0−2。サイド攻撃がいつも異常に冴え渡る長崎は竹村と有光の2点目で前半0−4、後半開始早々にも福嶋が倒れこみながらヘッドで決め、試合も決めた。
後半途中からは強烈なにわか雨にさらされつつ、小田もゴールして0−6。因縁の会場での試合はそれまでの上位相手の苦戦が嘘のような思わぬ大差がつき、久々の完封勝利ともなった。さらに、同時に国分市で行われていたヴォルカ鹿児島vsホンダロックは、鹿児島が後半ロスタイムに同点に追いつき、結局ホンダロックはPK戦で勝利したものの、長崎と勝ち点1の差がつく結果となった。
これでKyuリーグは残り2試合、V・ファーレン長崎が首位、勝ち点差1でホンダロックと沖縄かりゆしFCが追う展開になった。その残り2試合の組み合わせは以下の通り。
リーグ戦は残り2試合。チーム、サポーター一丸となって今年こそJFL昇格を狙う。
順位 残る対戦相手 勝点 得失点 1.V.長崎 ヴ熊本(7位) ホンダロック(2位) 42 +56 2.ホンダロック 新日鐵(4位) V.長崎(1位) 41 +47 3.かりゆしFC 海邦銀行(6位) OSUMI(10位) 41 +34
上位と下位との差が如実なKyuリーグの現状を考えると、沖縄かりゆしの2連勝は固く、長崎のヴァンクール熊本戦も普通なら勝利濃厚と思われる(勝利は固いと言わない所に信じ切れてない自分がいるのだが)。またそうなった場合、次節ホンダロックが新日鐵大分に90分負けで長崎の地域決勝行きが確定、PK戦負けでも得失点差でほぼ確定となる。そして、それ以外の場合、最終節の直接対決で雌雄を決することになる。
それまでの上位2強が沖縄かりゆしに敗れたために起きたカオス状態。結局、2強だった長崎とホンダロックのいずれかが地域決勝の出場権を逃し、全国社会人(九州からは鹿児島含めKyuリーグ上位4チームが出場)に賭けるしかない事態になる可能性が極めて強くなった。
残り2試合は天皇杯各県予選を経て9月6・7日。鹿児島市のふれあいスポーツランドでKyuリーグ名物の集中開催。つまりライバルチームの試合を直接目の当たりにすることになり、例えば6日、ホンダロックは長崎の試合を受けて新日鐵戦に望むことになる。そして7日14時からのリーグ最終戦がホンダロックvsV・ファーレン長崎。全てが終わった後に待ち受ける未来は果たして。
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