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カターレ富山、自力でJリーグ昇格圏内を決める
2008JFL 後期第16節 MIOびわこ草津vs.カターレ富山

2008年11月23日(日)13:00キックオフ 湖南市市民グラウンド陸上競技場 観衆:2102人 天候:晴れ
試合結果/MIOびわこ草津1−2カターレ富山(前0−0、後1−2) 
得点経過/[カターレ富山]濱野(59分)、長谷川(75分)、[MIOびわこ草津]高橋(87分)


文/ISO

 今シーズンのJFLは近年になく、Jリーグ昇格争いが激しい。Jリーグ昇格条件のひとつにJFLでの成績が4位以内という条件があり、早々にHonda.FCが1枠を占め、残り3枠を数チームで争う状況が続いた。
後期中盤まで優勝争いをしていた栃木SC、横河武蔵野FCが終盤失速し、さらに中位にいたチームが猛追をみせ、混戦に拍車をかけた。栃木SCは後期第15節に4位以内を決めたが、横河武蔵野FCは脱落し、2節を残して残り2枠をJリーグ準加盟のカターレ富山、ファジアーノ岡山、ガイナーレ鳥取の3チームで争う状況となった。

 Jリーグ準加盟のカターレ富山(以降、カターレと呼ぶ)は、勝ち点3をとれば昇格条件の4位以内が決まる。ここ3試合で2勝1分と好調を維持しており、この試合で昇格圏内を決めたいところであろう。一方、ホームのMIOびわこ草津(以降、MIOと呼ぶ)はJリーグ準加盟ではないが、将来のJリーグ入りを目指しているチームであり、そう易々と相手チームにJリーグ入りをプレゼントする訳にもいかないであろう。今シーズンはJFL初参戦ということもあり下位に低迷しているが、ここ3試合で2勝1分と、こちらも好調を維持しており、意地をみせたいところである。



 MIOは基本布陣4−4−2。FWアランを中心に,両サイドのMF大江,MF壽を起点に攻撃が展開する。攻守のバランスをどれだけとれるかが鍵になる。
 カターレは基本布陣4−4−2。人もボールも動くスタイルで、状況に応じポジションチェンジが頻繁に行われる。その中核をなすのがMF朝日。豊富な運動量と積極的なチェイシング&ドリブルでアクセントをつける。また、最近では、スピードのあるFW石田に代わり、ポストプレーを得意とするFW永冨が入り、FW長谷川とツインタワーを組んで、前線で起点を作る。さらに、両サイドバックの攻撃参加が持ち味で、積極的に攻撃に絡む。

 前半、立ち上がりから両チームとも積極的に攻める。
 カターレ3分、右サイドからのパスを中央で朝日が受け、素早くシュート。しかし、DFの裏にいた永冨がこれを止めてしまい、自身がシュートを放ち、ゴールに入れるがオフサイド。
 カターレ5分、右サイドで長谷川がボールを受け、中央へ流れながらパスコースを探すが見つからず、MIO守備陣もチェイシングをしなかったため、自身でジュートを撃つが、当たりそこなって、力無いシュートとなりGK田中剛が難なくキャッチする。

 MIO7分、右サイドで大江がDFに1対1を仕掛け、倒されそうになりながらも踏ん張りクロスをあげる。これをゴール前でアランが受けるが、やや後側にボールが入ったため、ボールコントロールに手間取り、3人に囲まれボールを奪われる。

 立ち上がりこそオープンな展開であったが、徐々に中盤での激しい攻防が展開され、囲い込みの速いカターレがやや優位に試合を進める。

 カターレ14分、中央から左サイドへ展開し、DF中田がゴール前へ低いクロスを入れる。ニアで長谷川がスルーし、中央にいた永冨が受けるが、DFが詰めていたため、後ろへ戻したところ、MF渡辺がミドルシュートを撃つ。

 カターレ17分、中央で長谷川のポストプレーから、MF上園が遠目からシュートを撃つがGKキャッチ。カターレは遠目からでも積極的にシュートを狙ってくる。この時間帯はカターレが良い形で攻めるが、人数をかけたMIOの守備陣をこじ開けるまでには至らない。

 MIOも徐々に1対1を制するようになり、守備から攻撃へシフトチェンジし、カターレ守備陣に圧力をかける。

 MIO21分、左サイドから中央へのパスをカターレDFが先に触り、自陣へ戻りながらキープしようとしたところ、味方にボールが当たり、こぼれ球がアランの前に転がり、そのままアランが至近距離からのシュートを撃つが、GK,DFが必死にブロックする。

 MIO23分、右サイドから大江がクロスを上げ、ファーサイドでFW安部がDF2人に挟まれながらピンポイントで頭で合わせるが外れる。
 MIO28分、中央やや右側からの30mFKを壽が直接狙うが、ゴール右に外す。この時間帯は、MIOが調子良く攻めるが、なかなか綺麗な形でシュートへ持ちこめない。
 MIO35分、GKからのロングボールが中央やや左にいたアランに通り、2対3の状況で、中央にいた安部とのパス交換から再度アランに戻すボールをカターレのDF堤がカットしようとしたところ、ボールが安部の方向に流れ、安部が足を出したところに当たり、ゴール方向へゆるやかに流れる。GK中川は反応できず見送るしかなかったが、わずかにゴール右へ外れる。

 これでカターレは吹っ切れたのか、前へ前への姿勢を強くする。
 カターレ40分、左サイドからのFKをゴール前へフィードし、混戦の中から長谷川,永冨,朝日がシュートを撃つが、MIO守備陣が身体を張って防ぐ。前半は、両チームとも良い時間帯があったが、チャンスを生かせず無得点のまま終了。



 後半、立ち上がりから前半以上に激しい攻防が展開される。MIOのMF高橋,カターレのMF長山,朝日らが、ガツガツ身体をぶつけてボールを奪う様子に象徴されるよう、両チームとも意地のぶつかり合いが随所にみられる。

 カターレ5分、右サイドからのFKを上園がファーのDF濱野へフィード。先にMIOのDFが触るがゴール前に流れ混戦になる。永冨のシュートはDFがブロックし、そのこぼれ球を長山がシュートを撃つも、永冨に当たってしまう。

 MIO11分、左CKを壽がゴール前へフィード、DFがクリアするも、再度、壽が拾い、1対1からクロスを上げる。これをファーサイドに走りこんでいた大江がスライディングで合わせるが、惜しくも外れる。

 カターレ13分、右サイドで永冨のポストプレーから朝日の攻め上がりに合わせ、DFを押さえながらタイミング良く外側へパス。朝日はスピードを緩めることなくドリブルで内側へ持ちこみシュート。田中剛が横っ跳びのパンチングで防ぐ。

 カターレ14分、この右CKを上園がファーサイドへフィード。DFのマークをかわし、濱野がヘディングシュートでゴールネットを揺らす。カターレ、待望の先取点。濱野自身、今シーズンはなかなかセットプレーからの得点が無かったが、この大事な試合で決めることにより、チームにも勢いがつく。

 この得点で試合は動き出す。MIOががむしゃらに得点を獲りにくるのに合わせたかのように、カターレの運動量が落ち始める。前半からのハイペースが続くわけはないが、ここでのペースダウンは、試合の流れを変えてしまう。

 MIO19分、自陣からのロングボールをアランが受け、素早く右へパスし、フリーになっていた安部がドリブルで持ち上がるが、後方から追いかけてきた濱野にクロスをブロックされチャンスを逃す。
 MIO20分、中央やや左側でDF細貝がフリーになり、ボールが流れてきたところ、シュートを撃つがふかしてしまう。

 カターレ22分、MIOの細貝のドリブルでの攻め上がりを西野が1対1で止め、そのまま右サイドをカウンターで攻め上がり、DF2人の間を通すスルーパスを出す。これに朝日が走り込み、シュート。ボールは田中剛の脇をすり抜けたが、おしくもゴール右へ外れる。

 MIO25分、左サイドから中央へ展開し、中央のポストプレーから一旦戻して、大江が狙いすましたミドルシュートを放つが、中川が左側に横っ跳びではじき出す。
 MIO26分、FW安部,MF大江に代えて、FW村瀬,MF西畑を投入する。これに合わせるかのように、カターレ26分、FW永冨に代えてスピードのあるFW石田を投入する。MIOは選手交代でフレッシュな選手を生かし攻勢をかける。

 しかし、この選手交代が吉と出たのはカターレの方であった。
 カターレ30分、右サイドのFKから上園がファーサイドへフィード。またも濱野がフリーでヘディングシュートを撃つが、おしくも外れる。MIO守備陣は、セットプレー守備時の濱野へのマークが甘いようだ。

 カターレ同じく30分、FKからDFとGKの間へ浮いたボールを入れ、長谷川がそのボールに合わせ、足を上げて触ろうとする。田中剛も素早く反応し、ペナルティーエリアを飛び出して、身体ごとブロックにくるが、先に長谷川がボールに触り、ボールはゆっくりとゴールに転がり込む。直後、長谷川の足が田中剛の腹に入り、両者が激突する。田中剛はしばらく動けなかったが、立ち上がり、ファールを認められないと激高し、ゴールポストを蹴り上げて、怒りをあらわにする。最近のJFLではこのような態度を見せると、警告又は退場となるのだが、この試合ではカードは出なかった。不思議なジャッジである。

 MIO34分、MF若林に代えて、DF浦島を投入し、高橋に高めのポジションをとらせ、攻めの厚みを増す。MIOはもう攻めるしかない。

 カターレ35分、右サイドをカウンターから長谷川,朝日と繋ぎ、1対1から朝日がシュートを狙う。カターレは時間を使いながらカウンターを狙う。さらに、石田のスピードを生かし、MIOのDFの攻撃参加を防ぐ。

 MIO41分、右サイドのFKを高橋が直接狙うが、中川が左へ横っ跳びではじき出す。
 MIO42分、この左CKを壽が中央へフィード。DFがクリアするも、こぼれ球を中央で高橋が拾い、30mのミドルシュートをゴール左上へ突き刺す。これで1点差に詰め寄り、がぜんMIOの意気が上がる。

 一方のカターレは、余裕は無くなったが、むしろ緊張感が戻り、冷静にプレーをする。
 カターレ42分、運動量の落ちたMF上園に代えてMFカンを投入し、逃げ切りをはかる。
 カターレ44分、右サイドのDFの裏へのボールに田中剛がペナルティエリアを飛び出し、クリアするも中途半端なボールが中央へ流れ、石田がこれを拾い、ループシュートを狙う。力みすぎたのかボールは高くゴールの上へ外れる。

 MIO45分、カターレゴール前でボールをカットし、アランに繋げる。アランのシュートはゴール左へ外れる。カターレは時間を使うのと同時に中盤の活性化のため、MF渡辺に代えてMF影山を投入。ロスタイム4分を過ぎたところで、タイムアップ。



 MIOびわこ草津にとってはホーム最終戦で勝てなかったことは悔しいと思うが、最後に決めたスーパーゴールに象徴されるよう、潜在能力は高いと思う。来期の奮起に期待する。

 そして、カターレ富山は、この勝利でJリーグ昇格条件の4位以内を決めた。富山の人達の期待の高さは相当なもので、ホームゲームの観客動員は平均4000人以上であり、この日も、観客の半数以上を占める応援団が集まり、カターレをサポートした。チームには、さまざまなプレッシャーや雑音があったと思うが、それらを乗り越え、期待に答えた選手,監督,チーム関係者の皆さんに拍手を贈りたい。

 最後に、帰りの道すがら、紅葉の山肌に鮮やかな虹が浮かび上がっていた。今日の結果を象徴するような清々しい情景であった。カターレ富山のさらなる活躍に期待する。


(MIOびわこ草津) (カターレ富山)
GK: 田中剛 GK: 中川
DF: 大瀧,石澤,金,細貝 DF: 西野,濱野,堤,中田
MF: 大江(西畑71分),高橋,若林(浦島79分),壽 MF: 朝日,渡辺(景山91分),長山,上園(カン87分)
FW: アラン,安部(村瀬71分) FW: 永冨(石田71分),長谷川
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