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 webnews 06/03/31 (金) <前へ次へindexへ>
「今日こそは…」。カラーボードで2色に染め抜いた広島だったが…。
広島、G大阪の攻撃力に屈し、泥沼のホーム3連敗。
2006Jリーグ ディビジョン1 第5節 サンフレッチェ広島vs.ガンバ大阪

2006年3月25日(土)15:04キックオフ 広島ビッグアーチ 観衆:13,067人 天候:晴
試合結果/サンフレッチェ広島1−3ガンバ大阪(前0−1、後1−2)
得点経過/[G大阪]遠藤(43分)、マグノ・アウベス(49分、61分)、[広島]佐藤寿(83分)


取材・文/西森彰

 広島ビッグアーチに乗り込んできた昨年のリーグ王者・ガンバ大阪。大分トリニータに破れる嫌な流れを、アジア・チャンピオンズ・リーグの大勝で打ち消した。ここまでリーグ戦3試合で1勝1敗1分けは、ディフェンディングチャンピオンとしてはやや不本意な成績だ。

 迎え撃つサンフレッチェ広島は、さらに深刻な状況にある。ここまで2分け2敗、白星なし。鹿島アントラーズ、浦和レッドダイヤモンズと優勝候補を当てられていることもあるが、2敗はいずれもホームゲーム。ファンにとっては精神的にもキツイ。数字上で見る限り、不振の原因は11失点と壊滅的なディフェンス。4試合で7得点と攻撃陣はそれなりの数字を残しているのだが、これではなかなか勝利に結びつかない。



ビッグアーチに乗り込んだディフェンディングチャンピオン・ガンバ大阪。
 この日のマッチデープログラムに載っていたガンバ大阪の予想フォーメーションは、リーグ戦前節までの4バックだった。だが、西野朗監督は宮本恒靖を中心に据えた3バックの布陣を採用した。水曜日に行われたアジア・チャンピオンズ・リーグの好内容もあったのだろう。家長昭博が左、加地亮が右、中央には7、17、27と7絡みのトライアングルが2人の外国人FWをフォローする。

 一方、サンフレッチェ広島も予想フォーメーションに記された前節までの4バックから、マグノ・アウベス、フェルナンジーニョをしっかりと捕まえるために、小村徳男を中央に置いた3バックに変更した。そしてフィジカルコンディションも加味して、ジニーニョではなく、西河翔吾を起用した。

 左右の選手と自分の位置を確認しながら、バランスを保とうとする紫のユニフォーム。駒野友一、服部公太の両翼も、まずはサイドのスペースを埋めて、G大阪の強力な攻撃陣を抑えることに専念した。ホームチームとしては、ややおとなしい試合の入り方だった。小野剛監督としては、最近の大量失点と守護神・下田崇の出場停止を鑑みて、まずはゼロの時間を長引かせようとしたのだろう。

 それならば、という感じでアウェーのG大阪がイニシアチブを握る。マグノ・アウベスとフェルナンジーニョが積極的にシュートを打つ。広島GK・木寺浩一がひとつふたつ危なっかしいプレーをしたため、広島の選手はさらに腰が引けてズルズル下がり、G大阪のアタッカーは労せずして相手ゴールを射程に捉える。20分までは、一方的なG大阪ペース。ハーフコートゲームの様相を呈していた。



 広島の反撃は、佐藤寿人から。20分、フォアチェックで奪ったボールをベットに預けてチャンスを作ると、26分には、右に開いた上野優作のクロスに反応し、G大阪DF2枚の間に割って入ってシュート。1対1で上野の高さと佐藤のスピードを宮本にぶつけるという広島の戦術は、単調なものだが一発を秘めている。このままスコアレスの状況が続けば、その威力はさらに増す。

 ところが、前半43分という時間帯に広島は失点を許す。ペナルティエリア正面からの直接FK。G大阪・遠藤保仁が蹴ったシュートはコース、スピードとも最高のものだった。壁を嘲笑うかのように越えたボールがゴールネットを揺らすのを、木寺は一歩も動けずに見送った。皮肉にも、広島がこの試合唯一といって良い、素晴らしいカウンターを見舞った直後の失点。ハーフタイムを挟んでもそのダメージは消えなかった。

 G大阪・西野監督は後半の立ち上がりから、家長昭博を下げて二川孝弘を入れる。指揮官が振るった積極的な采配に、畳み掛けるような攻撃で選手も応えた。またもや広島陣内深くまで、一方的に押し込むと、フェルナンジーニョの左CKにマグノ・アウベスが頭を合わせて追加点を挙げる。61分にも、西河、小村の連携が乱れたところでマグノ・アウベスがボールを攫って3点目。さんさんたる惨状を見せられた広島のファンからは「走れ!」「シュート打て!」の怒号が飛んだ。

 4バックに戻した広島が、ようやく一矢を報いたのは、83分。やっぱり佐藤寿だった。途中出場の李漢宰が送ったボールをDFのハナ先で攫い、目の前に立ちはだかったGK・藤ヶ谷陽介をヘディングで破る。そして、スクリーンプレーに入った宮本の後ろから、足を、つま先を伸ばしてプッシュ。「絶対に点を獲る」。そんな声が体中から聞こえてきそうなゴールだった。

 この後、広島は眠りから覚めたように、G大阪のゴールに迫ったが時既に遅し。1対3のスコアで3敗目を喫した。



シャトルバスで山上のスタジアムへ向かう広島のファン。
 G大阪は、中2日の不利を撥ね返しての勝利。新加入のマグノ・アウベス、加地らも日を追うごとに、チームに溶け込んでいる。選手は変っても、その爆発的な攻撃力に低下は見られない。リスクを承知の上で、それでもなお相手のゴールを目指すサッカーは、本当に魅力的だ。アジア・チャンピオンズ・リーグとの二兎を追う今期も、このサッカーを貫いて欲しい。

 ホームゲームで優勝候補を立て続けに当てられている組み合わせの悪さも、スタートで躓いた一因。それを理解していても、この日の消極的な姿勢には広島のファンもがっかりしたと思う。家路につく彼らにとって佐藤寿の1点は少なからず心の糧になったはずだ。日本代表候補にも名を連ねる広島の11番が見せた闘志を、全員が持っていたならば、ここまでの大差がついたとは思えない。

 水曜日のナビスコカップ・ジェフユナイテッド千葉戦を挟んで、日曜日にはアウェーのアルビレックス新潟戦。不調時に押せ押せのスケジュールと、相変わらずツキに見放されているが、狂った歯車はどこかで元に戻さなければいけない。白鳥のスタジアムから、白星を持ち帰れるかどうか。広島にとって、次節のゲームは本当に大きな意味を持っている。





(サンフレッチェ広島) (ガンバ大阪)
GK: 木寺浩一 GK: 藤ヶ谷陽介
DF: 駒野友一、西河翔吾(66分/纉c慎一朗)、小村徳男、吉弘充志、服部公太 DF: シジクレイ、宮本恒靖、山口智
MF: ベット(81分/柳一誠)、戸田和幸、大木勉(65分/李漢宰) MF: 加地亮、明神智和、橋本英郎(77分/寺田紳一)、家長昭博(45分/二川孝広)、遠藤保仁
FW: 上野優作、佐藤寿人 FW: フェルナンジーニョ(77分/前田雅文)、マグノ・アウベス
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