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| webnews 06/06/08 (木) | <前へ|次へ|indexへ> |
待ちに待ったホーム開幕戦。アンクラスが勝利を飾る
宝塚バニーズ(現バニーズ京都)から移籍の柏原慶子選手(アンクラス・写真左)。記念すべきホーム開幕戦で先制ゴールをゲットした。
mocなでしこリーグ ディビジョン2 第3節 福岡J・アンクラスvs.ルネサンス熊本
2006年6月4日(日)13:00キックオフ 博多の森陸上競技場・補助グラウンド 観衆:423人 天候:曇
試合結果/福岡J・アンクラス3−0ルネサンス熊本(前3−0、後0−0)
得点経過/[福岡]柏原(11分)、光成(20分)、板谷(23分)
取材・文/中倉一志
スタンドも、観戦ゾーンもない博多の森陸上競技場・補助グラウンド。しかし、ピッチを囲む土手の上にはずらりと観客が並ぶ。その数423人。今年からなでしこリーグに参加する福岡J・アンクラスのホーム開幕戦を応援しようと、様々なサッカーファンが訪れた。「待ちに待ったホームゲーム。ワクワクでした。駆け引きを楽しんで、勝負を楽しんで、それを見てくださいみたいな感じ」(河島美絵選手兼任監督)。鮮やかなオレンジのユニフォームに身を包んでイレブンは勢いよくピッチの上に飛び出した。
一方、福岡に乗り込んできたのはルネサンス熊本。昨シーズンは1勝3分14敗の最下位に終わったが、心機一転、二桁勝利を目指す。前評判ではアンクラス有利も、リーグ参戦7年目を迎える先輩としては譲れない戦いだ。エースFW塚本舞、ボランチの有富明菜、DFの要である高橋桃子らがけがのために欠場、主将を務める安部友美もけがを押しての出場とチーム状況は苦しいが、粘り強い守備をベースに少ないチャンスを生かすサッカーで、前節に次ぐ連勝を狙う。
アンクラスの布陣は4−4−2。ゴールを守るのは平野由佳。最終ラインは右から板谷麻美、鈴木千賀、堤晴菜、阿比留麻由が並ぶ。中盤はボランチの位置に尾崎まどかを置いて、右に河島美絵、左に鶴原優。川村真理が中央左側の高い位置に構える。2トップは光成芳恵と柏原慶子だ。対する熊本は3−5−2。GKに河島佳奈。最終ラインは島田美香、嶋田佳由子、奥村紗代の3人。ボランチに安部と峯知美を並べ、右に渡辺文華、左に松元ゆみ子、トップ下に佐藤恵利子。前線には竹内佐智佳と水田未来(みく)が並ぶ。
右サイドから鋭いオーバーラップを仕掛ける若干16歳のSB板谷麻美(アンクラス・写真左)。この日は得点も記録した。
「笑っていこうと言っていたのにガチガチだった」(佐藤・熊本)。そんな熊本に立ち上がりからアンクラスが襲い掛かる。ゲームを作るのは右サイドでプレーする河島美絵。前線ではターゲット役を務める柏原の周りを光成が精力的に動き回り、機を見て河村が積極的に最前線に顔を出す。そして右サイドからは板谷が何度も上下動を繰り返してチャンスを作る。技術、パスワーク、戦術と全てに勝るアンクラスは熊本を自陣内に押し込めた。
いくつかのチャンスを逃した後の11分。アンクラスは河村からのラストパスを受けた柏原が記念すべきホーム初ゴールをゲット。そして20分にはCKから最後は光成が押し込み、その3分後には、同じくCKから掴んだチャンスに最後は板谷がゴールネットを揺らしてあっという間に3点のリードを奪う。その後も攻撃の手を緩めないアンクラスは、熊本にチャンスを与えず、そして前半だけで13本のシュートを放った。前評判どおりの実力に、観客から大きな拍手が起こる。
後半の立ち上がりもアンクラスのペース。「前半もチャンスが作れていたので右に来いと言っていた」(河島美絵・アンクラス)。豊富な運動量を誇る板谷のオーバーラップを生かしてチャンスを作る。しかし、時間の経過とともにアンクラスの攻撃が鈍りだす。やがてボールを奪う位置が低くなり、前を向いてプレーする機会が少なくなっていく。ボールキープ率では依然として上回っているものの、前半に感じられた余裕はなくなっていた。
随所に体を張ったプレーを見せた河島佳奈(熊本・写真右)。後方から大きな声で指示を出し、後半は無失点で抑えた。
「なんとなくサッカーは進んでいるんだけれど、攻撃にしても守備にしても狙いどころが、はっきりしていない」(河島美絵・アンクラス)
「中盤の足が止まるので全然支配できなくなってリズムが悪くなるパターンが前節と同じになってしまった。ビデオをみて修正したんですけれど、それができてなくて」(島田素英GKコーチ・アンクラス)
ボールをキープできるチームがリードを奪ったときに陥りがちなパターン。試合は3−0で勝利したが、相手に止めを刺しきれない戦い方には課題が残ったといえるだろう。
もちろん、熊本の粘り強さも褒められていい。互いの間にある地力の差と得点差を考えれば、前半が終わった時点で切れてしまってもおかしくない展開。敗れたとはいえ、最後まで集中力を切らさずにボールを追えたからこその後半だった。体を張ってゴールを守り抜いたGK河島佳奈や、途中交代した安部に代わってキャプテンマークを巻いた佐藤らの大きな声が仲間たちに勇気を与え、それが最後まで諦めない戦い方につながった。チーム事情によって出場機会が回ってきた選手たちにとっては貴重な経験になったはずだ。
ホーム初戦を勝利で飾ったアンクラス。しかし河島選手兼任監督は表情を緩めない。「サイドチェンジがうまく行かなかった。それとフィニィッシュの精度と、その1本前のボールの精度が課題。崩してはいても、最後の1本が気持ちを込めたボールなのか、なんとなくやっているかでリズムは変わってしまう」。島田GKコーチも「精度を上げていかないと、最後に(シーズンが)終わったときに笑えない」と厳しい表情を見せた。
応援に駆けつけたちびっ子サポーター。アンクラスの選手たちはちびっ子たちの憧れの的。
次節のアンクラスの相手はディビジョン1昇格争いのライバルである大原学園。そして、清水第八戦を挟んで、ディビジョン1昇格の最有力候補であるアルビレックス新潟と対戦する。序盤戦最大の山場である3連戦。ここを勝ち抜けることはディビジョン1昇格レースを有利に展開することにつながるだけに、何があっても負けられない。逆転負けを喫した狭山戦、そしてこの試合の後半に見えた課題をどこまで修正出来るか。それが大きなポイントになりそうだ。
さて敗れた熊本。「前線が若手で経験がない分、どうやって絡んでいいのか分かっていないのが一番のポイントだった」とは佐藤。反面、一方的になりかけた試合を粘り抜いたのは収穫といっていいだろう。さいわい、けが人の復帰も間近であり、フルメンバーが揃えばチーム力は大きな上積みが計算できる。この日のように、粘り強く戦う気持ちを持ち続ければ、目標である二桁勝利は十分に実現可能だ。次節はアウェーでの清水第八戦。まずはここで五分の星に戻しておきたいところだ。
| (福岡J・アンクラス) | (ルネサンス熊本) | |||||||
| GK: | 平野由佳 | GK: | 河島佳奈 | |||||
| DF: | 板谷麻美 鈴木千賀 堤晴菜 阿比留麻由 | DF: | 嶋田美香(53分/清水瀬菜) 島田佳由子 奥村紗代 | |||||
| MF: | 河島美絵 尾崎まどか(46分/藤陽子) 鶴原優(77分/正手亜希子) 川村真理 | MF: | 渡邊史華 安部友美(46分/三森史奈) 峯知美 松元ゆみ子(35分/前方莉麻) 佐藤恵利子 | |||||
| FW: | 光成芳恵(60分/花田亜衣子) 柏原慶子 | FW: | 竹内佐智佳 水田未来 | |||||
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