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 webnews 06/06/12 (月) <前へ次へindexへ>
4年前とは違う!アルゼンチン「候補」として復活!
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 グループC アルゼンチン代表vs.コートジボワール代表

2006年6月10日(土)21:00キックオフ ハンブルク・FIFAワールドカップスタジアム 観衆:49,480人
試合結果/アルゼンチン2−1コートジボワール(前2−0、後0−1)
得点経過/[アルゼンチン]クレスポ(24分)、サビオラ(38分)、[コートジボワール]ドログバ(82分)


文/貞永晃二

「死のグループ・C」の幕開けのゲームは4年前にグループリーグ敗退という屈辱にまみれた強国アルゼンチンと初出場ながらアフリカ最強と前評判の高いコートジボワールの激突となった。そして両チームのエースはクレスポとドログバ。いずれもチェルシー所属という因縁の対決でもある。

 2度優勝のアルゼンチンにはアフリカのチームとの対戦では苦い記憶がある。90年イタリア大会は最終的には西ドイツとの決勝戦までたどり着いたアルゼンチンだが、開幕戦でオマン・ビイクの超人的なジャンプヘッドでカメルーンに苦杯を喫しており、94年、02年両大会ではナイジェリアに苦戦している。

 一方のコートジボワールは、スターティングではGK以外はフランス、イングランドなどに所属し、UEFAチャンピオンズリーグでもおなじみのつわものたちだ。



 SBソリンを終始左の高い位置に置こうとするアルゼンチンは司令塔リケルメも左サイドへ流れることが多く、攻めの荷重は左サイドにかかる。対するコートジボワールもまたアカルが上下動を繰り返し左サイドの攻めが中心となる。

 いきなりドログバがアカルからのクロスに飛び込み、アルゼンチン・ゴールを襲う。さらにアカルは果敢にミドルを放ってみせる。緊張が見えた初陣のチームは徐々にリラックスしていく。一方のアルゼンチンの攻撃はやはり「王様」を経由して組み立てられていく。しかしそのリケルメにコートジボワールはマンマーカーをつける様子はない。

 コートジボワールはさらにゾコラがドリブルで中央から仕掛けるが、アジャラが立ちはだかり、長身ぞろいの利点を活かそうというセットプレーでも、空中戦の不安を指摘される日本と同様の180センチに満たないアルゼンチンDF陣が巧みなポジショニングと強いフィジカルではねかえしていく。

 そしてスタジアムがどよめいたのは15分。アルゼンチン・リケルメのCKにアジャラが高く跳び豪快なヘッド。GKティジエはキャッチできずポストを叩いたボールを一度、二度とファンブルし、ゴールインしたかに見えたのだ。しかし判定はノーゴールだ。一方のコートジボワールは出足でアルゼンチンを圧倒し、簡単に前を向かせない守備で奪いとりケイタが右から、ゾコラが左から柔軟な技術で突破を図る。しかしシュートが決まらない。

 そして24分、先制点はアルゼンチンだ。左サイドからのFK、インスイングのリケルメのキックはコートジボワールのDFが跳ね返せずこぼれ、幸運にもクレスポが詰めネットを揺らした。

 カルー、ドログバが惜しいチャンスを逃したコートジボワールに絶好のチャンスが来たのは34分。左からのクロスをドログバがヘッドで折り返しケイタが頭から飛び込む。しかしボールはGKアボンダンシエリの懐にすっぽりと収まる。そして38分、リケルメが左サイドでキープすると、サビオラはクレスポが下がるのと入れ替わるように飛び出し、そこへリケルメの鋭利なスルーパスが通る。GKの出鼻をかわすようなシュートはアルゼンチンの貴重な2点目となった。2トップであげた2得点はいずれも巧者アルゼンチンらしい抜け目のないものだ。



 2点リードで折り返したアルゼンチンはドログバへのマークをさらにハードにし、エインセがイエローをもらう。それでもドログバは常人ではないフィジカル能力をこれでもかと見せつける。たとえ倒れても立ち直りは素早く、アルゼンチンDFは徐々に対応できなくなっていく。それでも何とか身体を張って守るアルゼンチン。蓄積する疲労を補うのは時間を使うためのオーバーアクション気味のファウル・アピールだ。特にベテラン・ソリンのそれは焦るコートジボワールをさらにいらだたせる。

 ミシェル監督は予選の得点源ディンダンとA・コネを連続投入しなんとか1点を取ろうとする。一方ペケルマン監督も守備も考慮してかクレスポからパラシオへ、サビオラからゴンサレスへと手札を切る。コートジボワールはドログバがFKのボールに鋭く反応しコースを変えるが、ワクをそれる。さらにディンダンが単独突破を仕掛けるがエインセが鮮やかな阻止を見せる。

 必死に耐えるアルゼンチンの牙城が崩れ、ついにゴールを割られたのは82分、やはり決めたのはドログバだ。右からのクロスにはヘッドが届かず当てるのがやっとだったが、再度入れられた左からのグラウンダーにはぴしゃりと合わせてみせた。あと1点、ボールを抱えセンターラインに戻るドログバの姿にスタジアムはコートジボワール贔屓の声援に包まれて興奮のボルテージは上昇していく。

 わずか1点のリードとなったアルゼンチンだが、DF陣はリトリートしながらも鋭いカウンターを忘れたわけではなかった。GKをかわして決めたロドリゲスのゴールはオフサイドで幻となったが、ここでもリケルメの強烈なシュートがビッグチャンスを生んでいた。そしてアディショナル・タイムに入ってのペケルマン監督のアイマール投入。「贅沢な時間稼ぎ」にコートジボワールの追撃はかわされてしまう。直後にタイムアップの笛が鳴った。



 まさにこれぞワールドカップという白熱の一戦だった。勝利したアルゼンチン、敗れたコートジボワールの力は紙一重だった。わずかな幸運がアルゼンチンに勝利を運んだだけだ。そしてまだ緒戦が終わっただけ、死のグループにはまだ5試合も残されている。


(アルゼンチン代表) (コートジボワール代表)
GK: アボンダンシエリ GK: ティジエ
DF: ブルディッソ、アジャラ、エインセ、ソリン DF: エブエ、K・トゥーレ、メイテ、ボカ
MF: ロドリゲス、マスチェラーノ、カンビアッソ、リケルメ(93分/アイマール) MF: ケイタ(77分/A・コネ)、ゾコラ、Y・トゥーレ、アカル(62分/B・コネ)
FW: クレスポ(64分/パラシオ)、サビオラ(75分/ゴンサレス) FW: カルー(55分/ディンダン)、ドログバ
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