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| webnews 06/06/16 (金) | <前へ|次へ|indexへ> |
流れを変えたアン・ジョンファンの投入
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 第5日目ハイライト
文/中倉一志
大会5日目の第1試合は韓国とトーゴが対戦。韓国はトーゴに先制点を奪われる苦しい立ち上がりとなったが、後半から登場したアン・ジョンファンの活躍で逆転勝利。今大会、アジア勢としての初勝利を挙げた。また、第2試合に登場したフランスとスイスは、欧州予選では2引き分け。その決着をつけるべく戦ったが今回もドローに終わった。そして、この日注目の一戦であるブラジルvs.クロアチアは、ブラジルが精彩を欠きながらも1−0で勝利。これでワールドカップの連勝記録を8として、自ら持つ大会記録を更新した。
■グループG 韓国代表vs.トーゴ代表
2006年6月13日(火)15:00キックオフ フランクフルト/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:48000人
試合結果/韓国代表2−1トーゴ代表
得点経過/[トーゴ]クバジャ(31分)、[韓国]イ・チョンス(54分)、アン・ジョンファン(72分)
FIFAランキング30位の韓国と59位のトーゴの対戦は、立ち上がりのトーゴの攻勢を抑えた韓国が主導権を握る。ところが、3−4−3の布陣で臨む韓国に、いつものスピード溢れる縦への突破が見られない。ピッチを広く使ってボールを動かしてはいるのだが、人がスペースへ動き出さないために足元から足元へつなぐばかりでリズムが生まれない。両サイドに張るパク・チソンとイ・チョンスの動きも精彩を欠いているように見える。
そんな韓国に対し、トーゴは中盤の両サイドを絞って中央を固めると、ボールホルダーに対して激しくプレッシャーをかけていく。その動きはそれほど組織化されているようには感じられないのだが、それでも出足の鋭いプレッシングは韓国から自由を奪うには十分だ。そして31分、一瞬の隙をついたトーゴが先制点を奪う。右サイドから前線に放り込んだボールに反応したクバジャが韓国DFと入れ替わってフリーに。すかさず右足を振りぬいてゴールネットを揺らした。
その後、試合はこう着状態に。韓国を圧倒するだけの力はトーゴにはなく、ボールをキープする韓国も、激しくプレスをかけてくるトーゴのDFの前にリズムが作れない。互いに、これといったチャンスを作ることなく時間だけが過ぎていく。前半を終えた。停滞した流れは、むしろトーゴーも狙い通り。1点をリードされた韓国に嫌なムードが生まれていく。
この流れをアドフォカート監督の采配が変えた。後半に入ると、キム・ジンギュをベンチに下げて両WBのソン・ジョングとイ・ヨンピョをSBの位置に、そしてアン・ジョンファンをトップ下に投入。3トップの両翼を少し下げて、チョ・ジェジンを1トップに置く4−5−1の布陣に変更する。トップ下を自由に動き回るアン・ジョンファン。それによって空いたスペースへ出て行くイ・ウルヨンとイ・ホ。これで韓国にいつものリズムが蘇る。
53分、トーゴはアバロがこの日2枚目のイエローカードを受けて退場処分に。このファールで得たFKのチャンスをイ・チョンスが直接FKを決めて同点に追いつくと、ここからは一方的な韓国のペース。72分には、アン・ジョンファンが放った右45度からのシュートで逆転に成功した。ここから韓国はゲームをコントロール。10人の相手にしっかりと守りを固めるというリアリズムも見せて試合を終わらせ、グループリーグ突破のために貴重な勝ち点3を手に入れた。
| (韓国代表) | (トーゴ代表) | |||||||
| GK: | イ・ウンジェ | GK: | アガサ | |||||
| DF: | チェ・ジンチョル キム・ヨンチョル キム・ジンギュ(46分/アン・ジョンファン) | DF: | チャンゲ アバロ(53分/退場) ニボンベ アセモアッサ(62分/フォルソン) | |||||
| MF: | ソン・ジョング イ・ホ イ・ウルヨン(68分/キム・ナミル) イ・ヨンピョ | MF: | ジュニオール(55分/アシミウ・トゥーレ) ロマオ シェリフ・トゥーレ サリフ(86分/アジアウォヌ | |||||
| FW: | パク・チソン チョ・ジェジン(83分/キム・サンシク) イ・チョンス | FW: | アデバヨール クバジャ | |||||
■グループG フランス代表vs.スイス代表
2006年6月13日(火)18:00キックオフ シュツットガルト/ゴットリープ・ダイムラー・シュタディオン 観衆:52000人
試合結果/フランス代表0−0スイス代表
フランスの黄金期を支えたスーパースターの名がずらりと並ぶ。前回大会以降、若返りが上手く行かずに不振に陥った時期もあったが、ジダンをはじめベテラン勢の復帰で欧州予選を突破。2002年にグループリーグで敗退した雪辱を期す。そのフランスにピッチの上で対峙するのはスイス。欧州予選を同じリーグで戦い、2戦2分とフランスに対して互角の戦いを演じた。その決着を図るべく、フランスに真っ向から勝負を挑む。
立ち上がりから積極的な姿勢を出して戦う両チームは、ボールも人も動かしてスピーディなサッカーを展開する。フランスはジダンを中心にして、ひとつのボールに3人、4人と絡んでピッチの中を進んでいく。対するスイスは、まずは2トップに楔のボールを供給。そこを起点にして、後方から押し上げた選手がボールを追い越してゴールを目指す。ゆったりとしたリズムから、チャンスとみるや瞬時にトップスピードに乗って前に出る両チーム。立ち上がりから目が離せない展開が続く。
14分、31分、38分、39分。決定機の数ではフランスがリードした。しかし、最後の力強さが足りずにゴールはならず。プレミアリーグで3年連続得点王のアンリも、やや精彩を欠いているように見える。そしてスイスのビッグチャンスは24分。直接FKが右ポストを叩き、その跳ね返りのボールにつめたが一歩足りなかった。そして試合は得点を生まないまま後半へ。どちらにとっても悪くない前半だったが、フランスにすれば、前半のうちにリードを奪いたかったところだろう。
後半、最初にリズムを刻んだのはフランス。相手への圧力を増してスイス陣内へと攻め込んでいく。そして20分を過ぎた辺りからはスイスのリズム。持ち味の堅守でフランスの攻撃を凌ぎきると、攻め疲れの見えるフランスを押し返した。だが、ここはフランスも譲らない。やがて暑さの影響か、互いの運動量が落ち始めた。攻めにキレがなくなっていくフランス。中盤のプレスが緩んでいくスイス。こう着状態が続いていく。
グループリーグ初戦を引き分けるというのも互いにとっては想定の範囲内だ。だが、前回大会4位の韓国のいるリーグは、両チームに無言の圧力を加えていたのだろう。我慢を強いられる展開の中、両チームとも勝ち点3を手に入れる機会を窺いながら時間を過ごす。そして、互いにロスタイムにビッグチャンスを掴んだが、ここでもゴールはならず。結局、スコアレスドローで試合は幕を閉じた。それでもこの結果は互いにとって悪いものではない。負けないことこそがリーグ戦突破につながるからだ。
| (フランス代表) | (スイス代表) | |||||||
| GK: | バルテス | GK: | ツベルビューラー | |||||
| DF: | サニョール チュラム ガラス アビダル | DF: | デゲン ミュラー(75分/ジュルー) センデロス マニン | |||||
| MF: | ビエラ マケレレ ジダン ヴィルトール(84分/ドラソー) リベリー(70分/サハ) | MF: | バルネッタ フォーゲル カバナス ビッキー(82分/マルガイラツ) | |||||
| FW: | アンリ | FW: | フレイ ストレラー(56分/ギガックス) | |||||
■グループF ブラジル代表vs.クロアチア代表
2006年6月13日(火)21:00キックオフ ベルリン/オリンピアシュタディオン 観衆:72000人
試合結果/ブラジル代表1−0クロアチア代表
得点経過/[ブラジル]カカ(44分)
「大部分の時間帯で、我々は相手を上回っていた。ブラジルのような素晴らしいチームが相手だと、たった1つのミスが命取りになる。この試合で起きたのはまさにそういうことだ。しかし、選手たちはよくやってくれた。我々は今夜、ワールドカップを勝ち進む力が十二分にあることを証明した」(クラニツァール監督・クロアチア)。クロアチアの守備が緩んだ一瞬の隙を突かれて奪われた1失点。クロアチアにとってはもったいないゴールだった。
しかし、伝統の堅い守備と、スピード溢れるカウンターは健在。前半は、どちらかと言えば守備に重点を置いていたが、攻めに転じた後半は奪ってから縦に早い攻撃を随所に披露した。50分、54分、70分、そして終了間際の89分にも決定機を演出。あと一押しが足りずに敗れたが、それでもFグループ突破の有力候補であることは間違いない。けがで途中交代したニコ・コバチの日本戦への出場が不安視されているが、いずれにせよ、日本にとって非常に難しい相手であることを改めて示した。
「この先さらに勝ち進んでいきたいのなら、今の段階でギアを全開にするわけにはいかない。今日のプレーは60か70パーセントといったところだったが、そのことに何の不満もない」とはパレイラ監督(ブラジル)。強豪クロアチア相手に堂々とこういう発言が出来るのもブラジルならでは。けがから復帰したロナウドは、69分にピッチを退くまでほとんど動けず。ほとんど10人で戦ったような試合でも勝利を手にするところは実力の証明と言えるだろう。
この日のブラジルは、ロナウドとアドリアーノが精彩を欠いた。特に、けがから復帰して間もないロナウドは動ける状態になく、69分にピッチを退くまでは、ブラジルは実質的には10人で戦ったような試合だった。それでも、強豪クロアチアと互角以上の戦いを見せるのだから、さすがはブラジル。貴重な決勝ゴールを叩き出したカカ。輝きの片鱗を感じさせたロナウジーニョ。そして途中交代でチームのリズムを作ったロビーニョ。チーム状態は本調子に程遠いとはいえ、ブラジルが依然として優勝候補であることに異を唱えるものはいないだろう。
まずは予定通りに勝ち点3を積み重ねたブラジルの次の相手はオーストラリア。「60か70パーセントの出来」が、どこまで高められているかが楽しみでもある。そして敗れたクロアチア。結果は必ずしも受け入れられるものではないだろう。しかし、まだ1試合が終わったばかり。何も悲観することはない。「我々のチームには長所がいくつもあるから、次の試合を有利に持っていくことはできると思う。我々のグループは強豪ばかりだからすべては最後の試合が終わるまでわからない」とはニコ・コバチ。まずは日本戦での勝ち点3獲得を目指す。
| (ブラジル代表) | クロアチア (CRO) | |||||||
| GK: | ジダ | GK: | プレティコサ | |||||
| DF: | カフー ルシオ ファン ロベルト・カルロス | DF: | シミッチ ロベルト・コバチ シムニッチ | |||||
| MF: | カカ エメルソン ゼ・ロベルト ロナウジーニョ | MF: | スルナ トゥドール ニコ・コバチ(41分/レコ) バビッチ クラニツァール | |||||
| FW: | アドリアーノ ロナウド(69分/ロビーニョ) | FW: | クラスニッチ(56分/オリッチ) プルショ | |||||
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