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| webnews 06/06/20 (火) | <前へ|次へ|indexへ> |
これが俺たちのサッカー。譲るわけにはいかない
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 第7日目ハイライト
文/中倉一志
激戦が続くW杯。7日目をむかえたこの日も、これまで同様に激しい戦いが繰り広げられた。まず第1試合はエクアドル代表とコスタリカ代表。「高地でなければ勝てない」といわれていたエクアドルは堅守をベースに、コスタリカのわずかな隙を付いて3得点。試合巧者ぶりを見せた。第2試合に登場したトリニダード・トバコはスウェーデン戦の再現とも言えるサッカーを展開。徹底した粘り腰でイングランドの攻撃を凌いだ。しかし、そんな相手にも自らのスタイルを変えることなく攻め続けたイングランドも見事。終了間際に2得点を挙げて順当勝ちした。そして本日の第3試合。グループリーグ突破のためにはともに勝ち点3が必要なチーム同士の対戦は激闘そのもの。ようやく89分に決着がついた。決めたのはユングべリ。仲間が疲労の色を隠せない中、最後までピッチの上を走り回った結果だった。
■グループA エクアドル代表vs.コスタリカ代表
2006年6月15日(木)15:00キックオフ ハンブルグ/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:50000人
試合結果/エクアドル代表3−0コスタリカ代表(前1−0、後2−0)
得点経過/[エクアドル]テノリオ(8分)、デルガド(54分)、カビエデス(92分+)
初戦でポーランドを下したエクアドルの力は本物だった。持ち味である堅守とサイド攻撃は、この日も健在。エース・ワンチョペを軸に攻撃を仕掛けてくるコスタリカをいなして、90分間に渡ってゲームをコントロール。ほぼ完璧ともいえる戦い方で3−0で勝利を手にし、早々とグループリーグ突破を決めた。南米予選ではアウェイで1勝2分6敗の成績に「高地でなければ勝てない」と言われたが、その実力が高地だけのものでないことを示した。
立ち上がりに前に出てきたのはコスタリカ。高い位置からプレッシャーをかけてボールをキープ。主導権を奪ったかに見えた。しかし、8分、最初のチャンスをつかんだエクアドルは瞬時にスピードを上げて厚みのある攻撃を展開。そして、あっという間にテノリオのヘディングシュートがゴールネットを揺らした。ここからはエクアドルのペース。手堅い守備でコスタリカの攻撃を封じ、ボールをゆったりと大きく回し、チャンスと見るや、すっとスピードを上げてゴールに迫る。
1点を追うコスタリカはワンチョペとゴメスにボールを当てて、そのこぼれ球に中盤が押し上げることで反撃を試みる。しかし、両サイドをほとんど使わす、中央を縦に、縦にと迫る攻撃は、堅守を誇るエクアドルを崩すにはあまりにも単調すぎた。そんなコスタリカに対し、エクアドルは守備をベースに戦いながら、隙を見つけるとボールを前に持ち出してゴールに迫る。コスタリカは試合をコントロールするエクアドルの術中に完全にはまった。
コスタリカは後半に入ると3トップに布陣を変更。前への圧力を高めてゴールを目指す。しかし54分、一瞬の隙を付いたエクアドルは、デルガドがペナルティエリアの中へ入り込み、角度のないところから右足を一閃。ゴールネットを大きく揺らした。1点目を思い出させるような得点シーンだ。その後の展開も前半と同じ。エクアドルは前線の人数を増やし、強引に中央を突破しようとするコスタリカの攻撃を難なく受け止め、隙を見つけてはスピードを上げて攻撃に転ずる。そしてロスタイム、エクアドルはまたもや同じようにパターンからカビエデスがゴールを決めてコスタリカを突き放した。
コスタリカの攻撃には工夫の余地があったかに思われたが、エース・ワンチョペの決定力を武器にW杯に進んできたチームは、とにかくワンチョペにボールを集めるスタイルを変えなかった。それがコスタリカのサッカー。自分たちのサッカーにこだわるのもW杯の戦い方と言える。そして2度目の出場でグループリーグ突破を果たしたエクアドルは、もうひとつ上のレベルに挑戦することになる。エクアドル旋風は吹くか?その戦いに注目だ。
| (エクアドル代表) | (コスタリカ代表) | |||||||
| GK: | モーラ | GK: | ポラス | |||||
| DF: | デ・ラ・クルス ウルタド エスピノサ(69分/グアグア) レアスコ | DF: | セケイラ マリン ウマニャ | |||||
| MF: | バレンシア(73分/ウルティア) カスティージョ E.テノリオ メンデス | MF: | ウォレス フォンセカ(29分/サボリオ) ソリス ゴンザレス(56分/エルナンデス) センテノ(84分/ベルナルド) | |||||
| FW: | C.テノリオ(46分/カビエデス) デルガド | FW: | ゴメス ワンチョペ | |||||
■グループB イングランド代表vs.トリニダード・トバコ代表
2006年6月15日(木)18:00キックオフ ニュルンブルグ/フランケン・シュタディオン 観衆:41000人
試合結果/イングランド代表2−0トリニダード・トバコ代表(前0−0、後2−0)
得点経過/[イングランド]クラウチ(83分)、ジェラード(91分+)
イングランドはすばらしい立ち上がりを見せた。キックオフからボールをつなぎ続けて2分に初シュートを放つと、その後もトリニダード・トバコを圧倒。一方的に主導権を握って試合を進めていく。激しいプレッシングでボールを奪うと、最前線のオーウェンと、前線まで駆け上がってくるJ.コールが左サイドから崩しにかかり、中盤の底からは、ランパード、ジェラードの2人が、バランスを保ちながら高い位置に顔を出す。
ところが、トリニダード・トバコはスウェーデン戦同様、脅威の粘り腰を発揮する。相手のボールを奪えないのは自力の差。しかし、ボールホルダーにはしっかりと体を寄せ、最後の局面では体を張ってゴールを守る。この日は、イングランドのシュートがトリニダード・トバコのDFに当たるシーンが何度となく繰り返されたが、それも、シュートコースに必ず体を入れているからに他ならない。さすがに攻撃は手詰まりだが、攻められても決して陣形は崩さない。
圧倒的に優位に試合を進めながらも前半を0−0で折り返したイングランドは、後半に入ると、さらに攻撃的な姿勢を強くしてトリニダード・トバコを押し込んでいく。しかし、イングランドにゴールは遠い。攻めあぐねているわけではない。前半から続くトリニダード・トバコの堅守がイングランドの攻撃をことごとく跳ね返していると言った方が正しい。粘って、粘って、無失点で凌ぐのは、トリニダード・トバコが勝利を手に入れるための唯一の手段。自分たちの戦い方に迷いがないチームは強い。
イングランドにしてみれば、嫌な展開になりかけていた。しかし、攻守にわたってタレントをそろえ、32年ぶりの優勝を狙うイングランドにも迷いはない。これでもかとばかりに、サイドを駆け上がり、ランパードとジェラードがミドルシュートを狙い、そしてベッカムがクロスボールをクラウチの頭へ送り込む。自分たちのサッカーを余すことなく発揮すること。そして、それを徹底して追求することがW杯での勝利につながる。
そして83分、イングランドは鍵がかかっていたトリニダード・トバコのゴールを、自分たちが最も得意とするパターンでこじ開けることに成功する。右サイドからのベッカムのクロスボールが、ファーサイドで構えるクラウチの頭にピンポイントで送り込まれ、これをクラウチが頭手合わせた。そしてロスタイムにはジェラードのミドルシュートが炸裂。豪快にゴールネットを揺らして厳しい戦いに幕をおろした。これで、イングランドはグループリーグ突破が決定。32年ぶりの優勝へ向けて、またひとつ階段を登った。
| (イングランド代表) | (トリニダードトバゴ代表) | |||||||
| GK: | ロビンソン | GK: | ヒスロップ | |||||
| DF: | キャラガー(58分/レノン) ファーディナンド テリー アシュリー・コール | DF: | エドワーズ サンチョ ローレンス グレイ | |||||
| MF: | ベッカム ジェラード ランパード ジョー・コール(75分/ダウニング) | MF: | ヨーク ビルチャル ウィットリー セオボルド(85分/エバンズ) | |||||
| FW: | クラウチ オーウェン(58分/ルーニー) | FW: | ジョン ジョーンズ(70分/グレン) | |||||
■グループB スウェーデン代表vs.パラグアイ代表
2006年6月15日(木)21:00キックオフ ベルリン/オリンピアシュタディオン 観衆:72000人
試合結果/スウェーデン代表1−0パラグアイ代表(前0−0、後1−0)
得点経過/[スウェーデン]ユングベリ(89分)
初戦でトリニダード・トバコを圧倒しながらも引き分けに終わったスウェーデン。同じく、インングランドの前にオウンゴールで敗戦を喫したパラグアイ。ともにグループリーグ突破を果たすためには勝ち点3が必要だった。そんな両チームが闘志をむき出しにしてぶつかり合う試合は目が離せない展開に。激しくぶつかり合う両チームの戦いは、今大会でこれまでに繰り広げられた数々の熱戦に勝るとも劣らないもの。そして、いくつかの試合がそうであったように、劇的な幕切れが用意されていた。
最初に前に出たのはスウェーデン。その戦い方は実にシンプルだ。少し長めのボールをトップに当てて、そこへ周りの選手が飛び込んでくるというもの。トップスピードに乗って直線的に、2人、3人と飛び込んでくるスタイルは迫力満点。前へ、前へと怒涛の攻撃を繰り出すスウェーデンの前に、パラグアイはファールで止めるのが精一杯だ。なんとかリズムを落ち着かせようと試みるのだが、それ以上にスウェーデンの前に出る力が強い。
我慢の時間を過ごして、ようやくパラグアイが形を作り出したのは20分を過ぎてから。まずはボールをボランチに収めて、そこから短めのパスをつないでサイドへと展開していく。しかし、それでも主導権はスウェーデン。ラーションとイブラヒモビッチへの対応にパラグアイが追われていると、ユングべリが右サイドを縦に、ビルヘルムソンが中へ、そして中盤の底からカールストレムが高い位置に上がってくる。パラグアイは何とか無失点に凌いだものの、それ以外に何もすることが出来なかった。
しかし、後半に入ると主導権は一転してパラグアイに。やや動きの鈍ったスウェーデンの隙を突いて、楔のボールを納められるようになったことで攻撃にリズムが生まれた。ボールを奪ってから素早く攻撃に転じるパラグアイ。その形は伝統の堅守速攻のサッカーだ。しかし、ここでスウェーデンも盛り返す。そして55分を過ぎた辺りからは、ともに持ち味を発揮した激しい展開へと試合は進んでいく。攻め続けるスウェーデン。堅守でスウェーデンのゴールを許さないパラグアイ。どちらも一歩も引かない。
そして、主導権が行ったり、来たりを繰り返す中、決着をつけたのはスウェーデンだった。時間は89分。エルマンデルからのフィードをアルバエクが折り返すと、そこへ飛び込んできたのはユングべり。豪快にゴールネットを揺らして激戦に終止符を打った。これで2敗となったパラグアイはループリーグ突破の道が閉ざされた。なお、勝ち点3を手に入れたスウェーデンはイングランドとの最終戦を引き分ければグループリーグ突破が決まる。
| (スウェーデン代表) | (パラグアイ代表) | |||||||
| GK: | イサクション | GK: | ボバディージャ | |||||
| DF: | アレクサンデション メルベリ ルチッチ エドマン | DF: | カニサ カセレス ガマラ ヌニェス | |||||
| MF: | ビルヘルムソン(68分/ヨンソン) リンデロース ユングベリ カールストレム(86分/エルマンデル) | MF: | ボネット(81分/バレート) アクーニャ リベロス(62分/ドス・サントス) カルロス・パレデス | |||||
| FW: | ラーション イブラヒモビッチ(46分/アルバエク) | FW: | ネルソン・バルデス ロケ・サンタクルス(63分/ロペス) | |||||
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