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 webnews 06/06/20 (火) <前へ次へindexへ>
“候補”アルゼンチン、強さの証明
FIFA WORLD CUP GERMANY 2006 第8日目ハイライト


文/中倉一志

 第1試合に登場したアルゼンチンが、その実力を披露した。セルビア・モンテネグロのできの悪さを差し引いても、その戦いは完璧に近く、6−0でセルビアモンテネグロを一蹴して、早々とグループリーグ突破を決めた。第2試合に登場したのはオランダ代表とコートジボワール代表。オランダの圧勝が予想されたが、コートジボワールが主導権を握られる苦しい展開に。2−0で勝利したものの今後に課題を残した。そして、メキシコ代表とアンゴラ代表が対戦したのが3試合目。ともに守備意識の強い両チームは一歩も譲らす。スコアレスドローで試合を終えた。



■グループC アルゼンチン代表vs.セルビア・モンテネグロ代表

2006年6月16日(金)15:00キックオフ ゲルゼンキルヘン/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:52000人
試合結果/アルゼンチン代表6−0セルビア・モンテネグロ代表(前3−0、後3−0)
得点経過/[アルゼンチン]ロドリゲス(6分)、カンビアッソ(31分)、ロドリゲス(41分)、クレスポ(78分)、テベス(84分)、メッシ(88分)

 けが人とチーム事情で3人の選手が入れ替わったセルビア・モンテネグロ。中にはポジションの代わっている選手もいる。そんなチームに、持てる力の全てを出すことを要求するのは難しいことだったのかもしれない。そして、優勝候補の名にふさわしいパフォーマンスを見せたアルゼンチンに、付け入る隙がなかったのも当然のことだったのかもしれない。いずれにせよ、両チームの状態はあまりにも違いすぎた。

 アルゼンチンのサッカーは、ここまで登場したいくつかのチームが見せたような、怒涛の攻撃を繰り出すタイプではない。バランスを保ちながらボールを回し、ゆっくりと、しかし確実に相手を追い込むと、ここぞとばかりにテンポを上げて確実にゴールを手に入れる。そして、その攻撃以上に整っているのが守備バランス。厳しいプレスは相手に自由を与えず、反撃の機会を奪い去っていく。そんなアルゼンチンのサッカーの前にセルビア・モンテネグロは手も足も出なかった。

 アルゼンチンの先制点は6分。相手の左SBの裏を取ったサビオラからのラストパスをロドリゲスがゴールに叩き込んだ。そしてアルゼンチンらしさが最も散りばれられていたのが31分に挙げたスーパーゴール。左サイドを中心につないだパスは24本。相手に隙が出来たところでスピードアップして中央からカンビアッソがゴールを奪った。時間はまだ31分。しかし、この時点で試合の行方は決まったと言っても良かった。そして41分にはロ取りゲスが、この日、自身2点目となるゴールを決めてセルビア・モンテネグロを突き放した。

 もはや、セルビア・モンテネグロには反撃の手立てがなかった。前に出ようにもアルゼンチンの堅い守りと、確実に隙を突いてくる攻撃に前に出られず。逆に鋭くプレスをかけられてズルズルと下がるシーンばかりが目立つ。ボールを持つ選手に対するフォローも申し訳程度のものでしかない。試合をほぼ一方的に支配するアルゼンチン。それは時間の経過とともに強くなっていく。そして、セルビア・モンテネグロから戦う気持ちさえも奪っていく。

 再びアルゼンチンがゴールネットを揺らしたのは78分。決めたのはクレスポだ。続く84分、途中出場のテベスが「俺もいるぞ」とでも言いたげにゴールを決めてアピールする。そして、この試合最後のゴールを決めたのは若きエース、メッシ。中央、やや右寄りを長い距離を走ってゴール前へ。ここしかないタイミングでパスを受けてゴールネットを揺らした。90分間に渡ってセルビア・モンテネグロに何もさせずに、そしてグループリーグ突破を決めたアルゼンチン。その強さは優勝候補と呼ぶにふさわしい。 
(アルゼンチン代表) (セルビア・モンテネグロ代表)
GK: アボンダンシエリ GK: イェブリッチ
DF: ブルディッソ アジャラ エインセ ソリン DF: ドゥリャイ ガブランチッチ ドゥディッチ クルスタイッチ
MF: ルイス・ゴンサレス(17分/カンビアッソ) マスチェラーノ マキシ・ロドリゲス(75分/メッシ) リケルメ MF: コロマン(50分/リュボヤ) ナジィ(46分/エルジッチ) ジョルジェビッチ スタンコビッチ
FW: サビオラ(59分メッシ) クレスポ FW: ミロセビッチ(70分/ブキッチ) ケジュマン(65分/退場)


■グループC オランダ代表vs.コートジボワール代表

2006年6月16日(金)52000人 シュツットガルト/ゴットリープ・ダイムラー・シュタディオン 観衆:52000人
試合結果/[福岡][オランダ]ファン・ペルシ(23分)、ニステルローイ(27分)、[コートジボワール]コネ(38分)

 コートジボアールはアフリカらしいチームだ。高い身体能力とテクニック、そしてスピードを併せ持ち、足元へボールをつないでは、1対1から積極的に仕掛けていく。そして前線では、バカリ・コネが特徴を生かしてオランダの最終ラインをかき回し、得点能力には定評のあるドログバがゴールを狙う。システムは対戦相手のオランダと真っ向からぶつかり合う4−3−3。強豪オランダとて、決して侮れる相手ではない。

 オランダは第1戦と同じメンバーがピッチの上に顔をそろえた。攻撃の中心は左サイドで構えるロッベン。破壊力のある縦へのドリブル突破と、中へ切れ込んでプレーのできるのが持ち味。オランダの爆発的な攻撃力は彼によるところが大きい。ところが、この試合ではコートジボアールの前に苦戦を強いられた。スコアだけを見ればオランダの順当勝ちのようにも見えるが、試合内容はほぼ互角。初出場ながら、コートジボワールの力は世界の強豪と伍していけるだけの力を持っていることを示した。

 鋭く前に出たのはオランダだった。しかし、コートジボアールはすぐさま押し戻す。高いテクニックとスピード、そして独特のリズムで攻めあがるのはアフリカならでは。さすがのオランダも、その動きを捕まえきれずに後退するシーンも。そして、コートジボアールは、16分、19分、そしてもうひとつ19分とシュートを浴びせる。序盤のリズムはコートジボアールが掴んだ。しかし、それだけでは決まらないのがサッカーだ。

 オランダに先制点が生まれたのは23分。ペナルティエリアのすぐ外で得たFKにファン・ペルシが左足を一閃。次の瞬間、目にも留まらぬシュートがゴールネットに突き刺さった。GKティジエにはノーチャンスだった。そしてオランダの2点目は27分。ロッベンが得意のドリブルで中央へ切れ込んで相手DFを引き寄せておいて、中央左側でフリーになったファン・ニステルローイへ。オランダのエースは、この絶好のチャンスを確実にしとめた。

 しかし、ゲーム自体を支配していたのは、むしろコートジボワール。瞬間の速さと高いテクニックにオランダは思うようなプレーをさせてもらえず。ボールキープ率こそ、ほぼ同じだったが、シュート数はオランダの倍近い16本を数えた。惜しむらくは最後の部分での力強さにかけたことだろう。結局、この試合を0−2で敗れたコートジボワールのグループリーグ敗退が決まったが、その力が十分に世界のトップレベルでも通用することを示した試合だった。

 そしてオランダは勝ち点を6に伸ばし、グループリーグ突破を決めた。この日はロッベンも含め、攻撃面で機能することが少なくなったが、決勝トーナメントは文字通り負けない戦いる。その攻撃力が爆発することを期待したい。
(オランダ代表) (コートジボワール代表)
GK: ファン・デルサル GK: ティジエ
DF: ヘイティンガ(46分/ボラルーズ) オーイエル マタイセン ファン・ブロンクホルスト DF: エブエ コロ・トゥーレ メイテ ボカ
MF: ファン・ボンメル スナイデル(50分/ファン・デル・ファールト) コクー MF: ヤヤ・トゥーレ ゾコラ エンドリ(62分/ヤピ)
FW: ファン・ペルシ ロッベン ファン・ニステルローイ(73分/ランザート) FW: バカリ・コネ(62分/ディンダン)  ドログバ アルナ・コネ(73分/アカル)


■グループD メキシコ代表vs.アンゴラ代表

2006年6月16日(金)21:00キックオフ ハノーファー/FIFAワールドカップスタジアム 観衆:43000人

 初戦のイラン戦に改称したメキシコは、この日も勝って早々とグループリーグ突破を決めたいところ。いつものように高い位置からの素早いプレスと、ボールを奪ってから素早い攻撃を仕掛けることでアンゴラゴールを目指す。対するアンゴラの狙いは前線のアクアにボールを入れて、そこを起点にして後方から押し上げようというもの。しかし、メキシコのプレスの前に思うようにボールを前線に運べない。試合の主導権はメキシコが握っていた。

 それでもアンゴラの守備への意識は高い。攻められなくても、相手に攻めさせないサッカーを展開。これにはメキシコもてこずった。メキシコボールになると素早く引くアンゴラに対してペナルティエリア付近までボールを持ち込めるものの、いかんせん、そこから先に出られない。アンゴラが攻めきれずに閉塞感を抱いているのと同様に、メキシコにも閉塞感が漂う。それでもゲームをしまったものにしていたのは、互いの守備に対する集中力が高かったからだろう。

 後半に入ると、メキシコは再三わたってマルケスがオーバーラップ。攻撃に変化と厚みを加えることでゴールを目指す。そしてメキシコに流れがやってきた。しかし、やはりゴールが遠い。ボールを細かく動かし、相手の攻撃を完全に抑えるメキシコのサッカーに間違いはない。しかし、アンゴラの最後の壁を崩せない。そしてアンゴラも攻撃に関しては変化を加えられないまま。立ち上がりから続くゲームの流れは変わらないまま時間が過ぎていく。

 やがて、後半を20分過ぎた辺りから、ジワジワと拮抗した関係がメキシコへと傾いていく。そして79分、アンゴラはアンドレが2枚目のイエローカードを提示されて退場処分に。そして、ここからメキシコの最後の攻撃が始まった。82分のフォンセカ、84分のブラボ、88分には、マルケスとブラボが、それぞれ決定的なシュートを放つ。しかし、どうしてもゴールが決まらない試合というものがサッカーにはある。メキシコにとって、この日の試合は、まさにそういう試合だった。結局、試合はこのままスコアレスドローで終了。勝ち点4のメキシコ、同じく1のアンゴラは最終戦にグループリーグ突破をかける。
(メキシコ代表) (アンゴラ代表)
GK: サンチェス GK: リカルド
DF: マルケス オソリオ サルシド DF: ロコ ヤンバ カリ デルガド
MF: メンデス パルド トラード ピネダ(78分/モラレス) MF: ゼカランガ(83分/ミロイ) アンドレ(79分/退場) フィゲイレド(73分/マルケス) メンドンサ
FW: フランコ(74分/フォンセカ) シーニャ(52分/アレジャノ) ブラボ FW: アクワ マテウス(68分/マントラス)
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